電子タバコ「Vape」の構造を解説!ニコチンを巡る注意点についてもチェック!
電子タバコの中でも異質な存在といえるのがVapeです。
他のアイコスやグローといった電子タバコはタバコ葉を熱してその蒸気を吸い込むという構造をしていますが、Vapeはリキッドというものを熱してそれを吸入する形となっています。
これまでのタバコの概念とは全く異なるものといえるでしょう。
今回はVapeの仕組みや注意点についてみていきます。
特にニコチンが絡むとややこしい話になってくるのでしっかりとチェックしておきましょう。
電子タバコ「Vape」は新しい喫煙具
Vapeは本体である喫煙具にリキッドと呼ばれる液体を注入し、その液体を熱によって気化させたものを吸入するという仕組みとなっています。
これまで紙巻タバコを吸ってきた方にとってもタバコと縁の無い生活をしてきた方にとっても初めて触れる道具といえるでしょう。
液体の成分はプロピレングリコールやベジタブルグリセリンといった比較的体に影響の少ない物質が使用されており、そこに香料などを添加している形です。
これらの成分は化粧品や食品にも添加されているため安全といっても構わないのですが、これまで蒸気を吸入し続けた人が世界的に存在しないため有害性については不明というのが正確なところとなります。
少なくとも様々な分野で安全に使用されている物質ですから、急激に具合が悪くなるなんてことはないでしょう。
リキッドには様々な香り付けがされたものが存在し、普通に購入することができます。
マスカットやモモといったフルーツ系のものからコーヒーやバニラといった香りのものもあるため、アロマオイルを選ぶような感覚がするかもしれません。
この点は他の電子タバコや紙巻タバコよりも自由度が高いといえる形です。
3つのパーツで構成されている
電子タバコの一種であるVapeの構造は以下の3つのパーツに分けることができます。
- モッド
- アトマイザー
- ドリップチップ
モッドはバッテリーです。
Vapeの動力源は電気でありモッドに溜めてある電気を消費してリキッドを過熱する仕組みとなっています。
バッテリー容量によって喫煙できる時間が決まってくるのですが、大きくなると今度は重量が気になるため選ぶのが難しいパーツといえるかもしれません。
アトマイザーは加熱機兼タンクです。
リキッドを溜めておくタンクとタンクに溜まったリキッドを加熱するコイルによって構成されており、Vapeの心臓部ともいえるパーツになります。
コイル部分の調子は味に直結するのでVapeにおける最も大事なパーツです。
ドリップチップというのはいわゆる吸い口です。
素材には金属や樹脂などが使われており、形状も色々なものがあります。
口当たりは電子タバコを吸う上で重要な要素なので気にしたいところです。
Vapeはこれらのパーツによって構成されており、数多くの種類が販売されています。
形状や大きさはどれも異なり、中の構造も多様です。
そのため色んなVapeを見ているだけでも楽しめるかもしれません。
アトマイザーのコイルの仕組み
リキッドを加熱してその蒸気を吸うのがVapeという電子タバコなわけですが、決して直接リキッドを加熱するわけではありません。
リキッドにコイルが直接ちゃぽんと漬け込まれ、それを加熱してブクブク沸騰させるようなイメージではありません。
もしそんな仕組みだったなら高温になったリキッドが飛び散ったり口の中に入ったりして怪我を負うことになるでしょう。
アトマイザーのパーツの1つであるコイルにはウィックと呼ばれる綿が巻きつけられています。
そしてウィックにリキッドを染み込ませ、それをコイルで加熱して蒸気を発生させるのです。
「綿を加熱しても燃えないのかな」と思われるかもしれませんが、しっかりリキッドが染み込んでいれば問題ありません。
もちろんリキッドがウィックに染み込んでいない場合に加熱してしまうとウィックは焦げてしまいます。
そうなると当然味は焦げたようなものとなり吸っていられるものではなくなるため交換するしかありません。
初心者の方はしっかりとウィックにリキッドが染み込んでいるかどうかチェックしておくと良いでしょう。
電気による加熱
モッドから供給される電気を元にしてコイルを加熱するのですが、この加熱具合によって出てくる蒸気の量も異なるようになります。
そのため、ワット数の大きいモッドを使えばより蒸気は増え、少ないモッドなら蒸気は少なくなる形です。
また、コイル自体の抵抗値が大きければ蒸気は少なくなり、小さければより蒸気は多くなります。
このあたりの調整はVapeの世界により深く入り込んだときに重要となってくるでしょう。
もっと強烈な味が欲しくなったとき、より蒸気が多くなるように本体を調節したくなるはずです。
といってもそこまで難しい話ではないので実戦あるのみといえます。
こうした要素もこれまでのタバコでは無かったものなので面白いものです。
ニコチン入りリキッドの日本での取扱い
ニコチンについては日本で販売されているVape用のリキッドにはまず含まれていません。
なぜならニコチンは薬事法で毒物に指定されており、医薬品のカテゴリに属する成分だからです。
毒物を使った製品の取扱いは非常に厳重で、一般的に販売できるようなものではありません。
ではニコチン入りのリキッドは手に入らないのかというと、外国のショップから個人輸入で購入するという方法があります。
「果たして薬事法で毒薬とされているものを個人輸入で手に入れてよいのか」といった疑問が湧くかもしれませんが、医薬品の個人輸入の規定を読み込めばそれは解消できるはずです。
日本において医薬品に分類される毒物、劇薬または処方せん薬は1か月分以内であれば個人輸入することができます。
本来は原則として地方厚生局へ届出を出さなければならないのですが、1か月分以内の数量であれば問題ありません。
ただそれ以上の量となると届出をして薬監証明を受ける必要があります。
「1ヶ月分」がどのような量をいうのかやや曖昧なので、この分量について不明瞭さを感じる場合は個人輸入を止めておいた方がいいかもしれません。
Vapeと法を犯すことのリスクは吊り合わないからです。
ニコチンの譲渡・販売は犯罪になる
実は2018年3月にニコチン入りリキッドを販売したとして関わった2人の男性が逮捕されるという事件が起こりました。
リキッド17本を26,000円で販売した容疑とあるので1本あたり26,000÷17=約1,530円で提供していたのでしょう。
値段的には真っ当で、特に異常な価格ではありません。
市販品を販売するような感覚で取り扱っていたのかもしれません。
仮にニコチン入りリキッドを個人輸入することができたとしても、気軽に扱うことは日本では許されていません。
もし友人にリキッドを貸したりしたらその時点で法律違反となってしまいます。
簡単に個人で輸入できてしまうため感覚が麻痺しがちですが、あくまでもニコチンは毒物指定された成分であると自覚する必要があるものなのです。
輸入代行業者にも注意
先述したように、ニコチン入りリキッドについて個人輸入1ヶ月分は大丈夫でも他人へ譲渡したり販売したりすることは禁止されています。
そのためニコチン入りリキッドを販売している輸入代行業者はかなりグレーな存在といえるでしょう。
興味があったとしても手を出さないようにするべきです。
香りを楽しむだけでも面白い
タバコを吸ってきた方にとってはニコチンを欲しいところですが、いっそのことVapeを「香りを楽しむための装置」と考えるのもアリです。
ニコチンを巡る状況はそうそう簡単に改善されることは無いはずなので、電子タバコというよりはアロマな道具としてVapeを捉えることをおすすめします。
まとめ
電子タバコのVapeについて、その構造や注意点をみてきました。
Vapeは様々な香りを楽しむ事ができ、電流の量を調節することで蒸気の量を調節できたりします。
全く新しい喫煙具といえるでしょう。
ただニコチン入りリキッドの取扱いについては注意が必要です。
個人輸入かつ個人使用の範囲で、1ヶ月分以内の量であれば輸入しても良いのですが、他人へ譲渡したり販売したりすることは禁止されています。
日本でニコチン入りリキッドを所有することはなかなかリスクが高いので、この際アロマな道具と考えてVapeを楽しむのも良いでしょう。