電子タバコの特徴:iQOS・glo・PloomTECHの3社を比較
近年日本でも続々と電子タバコが発売され始めていますが、まだまだ不明な点も多く実際いいのか悪いのかについては専門家の意見も割れています。
しかし発売されている電子タバコは常に品薄状態で喫煙者の注目を集めているのは間違いないようです。
そこで現時点で分かっている電子タバコの特徴と、大手タバコ会社から発売された電子タバコの特徴を比較してみました。
そもそも電子タバコってなに?
普通のタバコは紙に巻かれたタバコ葉を燃やしてその煙を吸うというものですが、電子タバコは火を使わず電気でタバコ葉やリキッドを加熱してその蒸気を吸うものです。
火を使わないので火災の心配が少なく、普通のタバコがタールを発生するのに対し電子タバコはタールが発生しないため、タールを吸引することによる健康被害が少ないとされてきました。
しかし電子タバコの一部の銘柄では、発がん性のあるホルムアルデヒドが含まれていたことが判明し話題になったため、電子タバコは有害なものという認識が一般消費者に広まりました。
またアメリカでは電子タバコの電池が爆発する事故も起きており、安全性の確立ができていない部分もあります。
健康に与える影響や事故による危険性については今後も課題が多く残る分野であると言えます。
一方、電子タバコ販売大手の会社は厚生労働省の調査は粗悪な輸入品を使ったものではないのかとの主張をしており、日本で販売されている優良品のリキッドは、香料、グリセリン、PGなどの食品衛生法で認められている添加物で作られていて、体に悪影響を及ぼすほどの有害物質は検出されなかったと発表しています。
様々な研究では通常のたばこと比べると有害性が95%低いという結果が出ている部分もあり、この辺りに関しては利権が絡みあっていてまだまだ専門家が言い争っている感があります。
しかし従来のタバコでニコチンと同時に吸っているタールの危険性は非常に大きく、タールの発生がないという点では無視できないメリットと言えるのではないでしょうか。
電子タバコの購入をもし検討しているのであれば、こういった安全性が確立していないという点や禁煙についての効果もはっきりとしていないという点を十分に考慮しておきましょう。
また日本ではニコチン入りのリキッドは販売が禁止されています。
海外のニコチン入りのリキッドは個人で輸入することができますし、自分で使用する分には問題はありませんが、それを販売するのは違法行為となってしまいますので十分に注意しましょう。
こういったことを前提に、現在日本で発売されている話題を集めた3社の電子タバコについての特徴をまとめます。
フィリップ・モリスが販売しているiQOS
特徴
専用タバコ(ヒートスティック)を本体に差し込んで電気加熱によりその水蒸気を吸うタイプの電子タバコです。
金とプラチナの加熱ブレードでタバコ葉を燃やさずに加熱するようですが、利用した人の声を聞いてみると吸い終わった後に独特の焦げ臭さがあるようです。
またタバコの香りも、小豆を茹でた匂いや焼きまんじゅうのような匂いに似ているという声もありました。
本体価格が9,980円と比較的高く、ヒートスティックも1箱460円で通常のタバコとあまり値段が変わりません。
しかし今なら公式サイトに会員登録をして動画を見ると3,000円の割引が受けられるクーポンをもらえるキャンペーンをしているようです。
ヒートスティックの銘柄はMarlboroで、タバコの風味にもっとも近い「レギュラー」とマイルドな「バランスト」、強めの「メンソール」と弱めのメンソールの「ミント」の4種類があります。
コンビニでも販売されているはずなのですが、現在転売屋が暗躍しているらしくコンビニでの入手は現時点では時間がかかっても予約をして購入という形になるようです。
使い方
本体にヒートスティックを差し込んで、スイッチ部分が点滅するまで長押しします。
点滅したら加熱を開始し、点灯に変わったら加熱完了で所要時間は約20秒かかります。
一回分の目安時間は6分間、または14回吸うことができ、残り30秒または12回吸ったタイミングでランプが赤く点灯して終了間近であることを知らせます。
一回ごとにチャージャーに戻して充電する必要があり、一回の充電時間の目安は3~6分です。
チャージャー本体の充電は満タンにするのに1時間半ほどかかり、一回の充電で20回分の使用ができるとのことです。
付属のクリーニングキットで定期的に手入れをする必要があります。
問題点
本体部分があるため通常のタバコに比べると重く、くわえタバコはできないようです。
また見た目がボールペンのようにも見えてしまうため、吸っている時の見た目を気にする人もいます。
ブリティッシュ・アメリカ・タバコ・ジャパンから発売されているglo
特徴
gloも同じく専用のタバコ(ネオスティック)を本体に挿して吸います。
アイコスと違うのは専用タバコが細長い形状という点と、充電と本体が一体型になっているためアイコスよりも大きいという点です。
吸い終わった後の焦げ臭さもありますが、アイコスより匂いは強いものの変な匂いではないので不快感が少ないそうです。
タバコそのものの香りはポップコーンっぽい風味で、水蒸気が少なめなので物足りなく感じる人もいます。
本体価格は8,000円でネオスティックは420円とこちらもなかなかのお値段ですね。
ネオスティックの銘柄はKENTで、種類はブルーが「レギュラー」、エメラルドグリーンがメンソールの「フレッシュミックス」、グリーンが強いメンソールの「インテンスリーフレッシュ」の3種類があります。
一回の時間はおよそ3分間で通常のタバコよりも短めです。
吸い始めは5~6ミリくらいに感じますが、徐々に味が薄れて最後は1ミリくらいの軽さになってしまうそうです。
現在は宮城県仙台市のみの先行発売となっており、オンラインでの購入も仙台市民に限定されています。
使い方
コントロールボタンを長押しするとバイブレーションして加熱がスタートし、約40秒で再度バイブレーションがなり加熱が終了したことを知らせます。
吸い始めて3分後終了間近であることをまたバイブレーションで知らせます。
本体そのものが充電器にもなっているので一回一回充電する必要がなく、本体底の部分にマイクロUSBの充電端子から充電し満タンにするのには2~4時間かかります。
一回の充電で20~30回程度の使用ができると報告がありますが、公式発表がないためあくまでも目安の参考としてください。
定期的にクリーニングブラシでの手入れが必要で、クリーニングは本体底の蓋から行います。
問題点
仙台でしか売っていないので現状手に入らないというのが一番大きな問題点です。
また重さが100グラム程度あり、本体が大きいため見た目が通常のタバコと比べると違和感があるようです。
ネオスティックが細長く吸殻が長いので邪魔という意見もあります。
JTから発売されているPloom TECH
特徴
この電子タバコは少し系統が違っており、カートリッジ内のリキッドを霧化して発生した蒸気が、タバコ葉が詰まっているカプセルを通過することでタバコの味や香りを楽しむというJT独自のタバコベイパーテクノロジーという技術が使われています。
タバコ葉を直接加熱しないため焦げ臭さがなくほぼ無臭で、味や香りがクリアなのが特徴です。
また吸うだけで電源が入る仕組みなので、加熱にかかる時間がなく複雑なボタン操作もないため手軽に楽しむことができますし、形状がコンパクトなので一番従来のタバコに近いです。
本体価格は4,000円でタバコカプセルは1箱460円でタバコカプセル5個とカートリッジが1つ入っています。
タバコカプセルは1つで約50回分(従来のタバコ4~5本分)となっています。
タバコカプセルの銘柄はMEVIUSで、通常のタバコの風味の「レギュラー」、ノーマルなメンソールの「クーラーグリーン」、ブルーベリーの風味の「クーラーパープル」の3種類があります。
使い方
本体とカートリッジ、タバコカプセルを組み合わせて一本にして吸います。
タバコカプセルは1吸い2秒と計算して50回分なのでトータルで100秒間が目安となっており、目安の時間になると先端についている青いLEDが12回点滅して知らせます。
早く吸いすぎるとタバコの味があまりしないので、ゆっくり2秒くらいかけて長く吸い込むとしっかりタバコの味がするそうです。
カートリッジは1箱分(タバコカプセル5個分)使い終わったらその都度捨て、充電も1箱分吸ったら充電するという形になります。
充電はUSBチャージャーにバッテリーを差し込み、充電が開始されるとロゴが赤く光り、充電が完了すると白く光ります。
従来のタバコは火がついて短くなってきたら吸うのを止めますが、この電子タバコの場合は一回何分と決まっていないため止め時が分からずダラダラと吸ってしまう可能性があります。
自分で何回吸ったら辞めると決めておくか、一口二口をちょこちょこ吸うタイプの人にはおすすめです。
問題点
タバコカプセルの交換時をお知らせするLEDランプが非常に見にくいという事と、タバコカプセルを交換してもLEDランプの回数リセットがされないというお知らせランプそのものの意味がなくなってしまいそうな仕様は改善してほしいところです。
またタバコカプセルを使い切る前にカートリッジのリキッドがなくなってしまうこともあり、カートリッジ単品では販売されていないためタバコカプセルが無駄になってしまうという問題点もあります。
また現状ではネット購入のみとなるので、コンビニなどで購入できないという不便さもあります。
まとめ
このように銘柄ごとでも改善できそうな部分が多く、販売方法についても従来のタバコと違って不便さを感じるものが多いように思います。
序盤であげた安全性の確立などについても今後さらに検討されて、一般消費者に定着するのには時間がかかりそうではありますが、健康被害を減らすことができるとの報告もありますし、電子タバコ業界の動きは今後も注視していきたいですね。