リキッド式電子タバコの害・常用によるトラブルについて
リキッド式電子タバコ、一般にVAPEと呼ばれるものが隆盛の様子を見せています。
女性非喫煙者の間では密かなブームになっており、妊娠中・妊娠を控えたかたのいる家庭でも安心して喫煙できるのがメリット。
その一方で、やはり害があるのではないか・紙巻きたばことは違う特有のトラブルがあるのではないかという声もあります。
ここでは、リキッド式電子タバコを安心して吸えるように、医学会からの指摘や愛煙家の実体験について述べていきます。
リキッド式電子タバコは有害なのか
電子タバコについては、「薬事監視の徹底」を求める公式見解が、2010年8月に発表されています。
同見解によると、ニコチン入りのものに対する注意喚起が中心となっています。
しかし、リキッド式電子タバコの発祥地・欧州やアメリカでは、ニコチンレスのリキッドでも副作用が認められているそうです。
まずはその内容から検討してみます。
副作用が出る人も!品質に注意
ご周知の通り、VAPEと呼ばれる電子タバコのリキッドは、水とグリセリンで構成されています。
グリセリンとは、PG/VGとパッケージに表記されているものが、それにあたります。
このうち、PG…”プロピレングリコール”と呼ばれる物質について述べてみましょう。
アメリカの研究では、この成分に対しアレルギー症状を示す症例が一部見られるとのこと。
ほかの健康被害としては、過度な吸いすぎによる頭痛・呼吸困難・粘膜の炎症などが見られるそうです。
したがって、同国では法規制こそされていないものの、警鐘を鳴らす医師は少なくありません。
また、電子タバコ黎明期には、”ジエチレングリコール”という物質がリキッドから発見されたことがあり、物議を醸しました。
この物質は「不凍液の原料」として知られ、食品などの人体と直接触れるものには、通常使用されません。
また、誤飲による死亡例も出ています。
電子タバコ用リキッドにおいては死亡例こそ確認されていなかったものの、2007年に中国製リキッド2種類から検出・回収されるという事件が起こっています。
それから現在にいたるまで、欧州・米国・日本では徹底して有害性の管理がされていますが、まだ気が抜けないのが現状。
以上のように、電子タバコの有害性報告を挙げてきましたが…国産メーカーを筆頭に品質管理が徹底されている今、過度に心配する必要はありません。
しかしながら、嫌煙ブームに乗るようにして、知識のないリキッドメーカーが乱立しているとの情報もあります。
リキッド選びは出来れば国産メーカーで、海外のものについてはショップスタッフに相談をしながら選ぶのが、安全な愛飲のコツでしょう。
喉がかわく
さてここからは、電子タバコで起きがちな各種トラブルについてお話しします。
「このせいで健康や環境への悪影響を懸念し、リタイアしてしまった」という人が非常に多いので、初心者のかたは是非目を通して見てください。
飲み物を工夫しよう
電子タバコで意外と起きるのが、「喉がかわく・イガイガする」という現象。
蒸気に混ざる香料が喉・鼻の粘膜に付着し、乾燥を招くようです。
放っておくとそこから風邪をひいてしまうこともあるので、ワンポイントをお伝えします。
それはずばり、「リキッド式電子タバコを吸うときは、必ず飲み物とセットで」。
ただし、飲み物の種類は気をつけましょう。
電子タバコのアテにおすすめできるのは、ミルク・ココア・ヨーグルト飲料などです。
粘膜をしっかり守りながら吸えるので、連続吸いでも負担を感じません。
逆に避けた方がよいのは、緑茶・ウーロン茶・ブラックコーヒーなど。
緑茶やウーロン茶には喉を強く乾燥させる効果で知られており、ボーカリストが避ける飲み物として有名です。
コーヒーについては意外に思われるかもしれませんが、カフェインが血管を収縮させ、粘膜が一時的に弱くなることがあります。
お酒との組み合わせならば、ウイスキーなどの洋酒がおすすめ。
糖類・塩分をつまめる食べ物も容易しておけば、ヘビースモーキングにもある程度耐えられます。
是非お試しを。
部屋の匂い
タール・ニコチンレスなので、お部屋を汚さず・場所を選ばずに喫煙できるのが、リキッド式電子タバコのメリット。
しかしある程度喫煙すると、意外なことに気づきます。
それは…「におい」と「湿度の急上昇」。
パソコンの側で吸うのは危険?
パソコン作業のお供に喫煙する人も少なくありませんが、これはちょっと危険。
リキッド式電子タバコ=VAPE上級者の体験談のなかには、「デスクトップPCの定期点検の際、パソコンの中からフレーバーの香りが」というお話がよくあります。
火による煙と違って、蒸気の煙は同じ場所に滞留しやすいのが原因であるとのこと。
フレーバーの香りがするだけであれば一見問題無く感じますが、お部屋のコンディションによってはパソコンの結露、最悪の場合は故障も考えられます。
デスクでの喫煙が多い人は、機械に抵抗がなければ、2〜3ヶ月に一度PCケースを開放して中の掃除をしましょう。
エアダスターでささっと中の空気を入れ換えて、埃が溜まらないように窓を開けながら少し乾燥させるだけで十分です。
いかにも危険なように述べましたが、電子タバコの煙でパソコンが故障したという例はネット上でも全く見られません。
念のための処置と考えて大丈夫でしょう。
換気の難しさ
蒸気の煙、という点について述べていきましょう。
前述した通り、火による煙と違って、滞留しやすく・したがって通常の換気では対応しきれないのが現状です。
ワンルームの締め切った部屋で爆煙型機種を使い続けると、白く濁った空気になる例も。
この対処法ですが、余裕があれば空気清浄機を稼働させるのがベスト。
におい残留の対策もできるので、ご家族の理解も得やすく、一石二鳥です。
ニコチンリキッドについて
最後に、ニコチンリキッドについても考察します。
発がん物質を含む副流煙を出さない・かつリキッド式電子タバコと似た喫煙法のものとして、シーシャ(水タバコ)が知られています。
シーシャとリキッド式電子タバコの、ニコチン摂取法を比べてみましょう。
シーシャの場合、煙を一度水にくぐらせてニコチンをある程度除去した状態で喫煙します。
それでもいわゆる「ヤニクラ」、ニコチンによる酔いは起こります。
一方でリキッド式電子タバコの場合、ニコチンを除去・低減させる仕組みがありません。
ほとんどのニコチンリキッドは、低容量で配合されていますが…吸い方によっては一気に大量のニコチンを摂取してしまう危険性があります。
ニコチン依存の促進や、「ヤニクラ」による頭痛・吐き気が起こることも十分に考えられます。
対策というほどのものではありませんが、特に減煙目的のかたは、ニコチンリキッドの連続吸いには注意しましょう。
多量の飲酒とともに喫煙するのは、さらに危険です。
連続吸いをふせぐおすすめの方法としては、0.5Ω以下・高出力の爆煙型機種で楽しむことです。
ひと吸いの満足度が上がるので、喫煙ペースを自然に下げられます。
この手の機種は、初心者向けモデルにはほとんどありません。
ニコチンが欲しい人はコイルのビルドで煙の質を上げ、ニコリキ向けの機種を根気よく探すのがベストでしょう。
まとめ
リキッド式電子タバコを美味しく・長くいただくためには、長所とともに短所についても熟知していることが必要になります。
せっかく初期投資したのに思わぬ短所に気付いてやめてしまう…という人は、少なくありません。
ここでは、より安心して愛煙していただけるよう、公式見解やよくある声を中心に、対処法や心構えを案内いたしました。
これをご参考に、電子タバコの奥深い世界を堪能してみてください。