スーツケースのキャスターを自分で修理してみよう
国内や海外の旅行にスーツケースは欠かせません。
しかし、非常に丈夫であるスーツケースの本体とは裏腹にキャスターは意外と脆いものです。
重い荷物を入れたスーツケースのキャスターが壊れてしまうと、その荷物を持っていくのはとても大変ですよね。
かといって修理に出すとお金も時間も掛かります。
そこで、スーツケースのキャスターの壊れる原因と修理の仕方についてまとめてみました。
キャスターが壊れる原因
スーツケースのキャスターが壊れてしまう原因は、車輪の回転により熱が出てプラスチックの部分を溶かしたり、振動などでずれてしまうからです。
そのためキャスターが大きいスーツケースを選べば、壊れるといったことは減ります。
また、4輪のスーツケースを傾けて使っていてもキャスターが壊れる原因になります。
本来傾けて使用するのは2輪のスーツケースだけであり、4輪のスーツケースは地面に着けで平行に運びます。
4輪のスーツケースは当然4輪のキャスターで重さを支えるように設計されているため、傾けて使用すると2輪だけで支えることなり負担が増え耐えれなくなるというわけです。
4輪のスーツケースを使用する時は、傾けないように気をつけましょう。
キャスターの修理を頼む場合
キャスターの修理をお店で頼むと、タイヤの部分の交換で1箇所2000円から6000円位、高いと1万円近くなります。
また、時間も数日から下手をすると1、2週間か掛かってしまう場合もあります。
それだけ金額も時間も掛かるなら、新品を買いなおした方が早いと思う方もいるでしょう。
しかし、自分で修理すればお店で掛かる金額の半額以下で済むのです。
多少手間になってもセルフリペアに挑戦してみることをおすすめします。
キャスターの修理する時期
キャスターは旅先で壊れてしまうと修理も難しいです。
そうならないためにも、旅行の前にはキャスターを点検しておきましょう。
次の症状が出ていたら修理する時期です。
①タイヤの部分がべたついている
②磨耗している
③車輪が柔らかくなっている
これらが確認出来たらキャスターを修理しておきましょう。
そうすれば、旅先でキャスターが壊れてしまうことを防ぐことが出来ます。
キャスターの修理の方法
キャスターの修理の仕方にはいくつか方法があります。
自分に合わせた方法でやりましょう。
①新しいゴムを貼る
必要なもの
・接着剤
速乾性タイプではなく、ゆっくりと固まっていくタイプの方がゴムとよく接着して剥がれにくいです。
・ゴムロール
・結束バンド
必要な工具
・カッター
やり方
(1)台座についている劣化したタイヤのゴムを取り除きます。
(2)ゴムをタイヤの幅の大きさに合わせてカッターなどで切り、その後接着剤で貼り付けます。
(3)結束バンドでしっかりと固定して、2日ほど放置します。
(4)完全に固まったのを確認して、ゴムの巻き始めと終わりを接着剤でしっかりととめます。
丁寧に作業することが大切です。
また、接着剤で固定する前に結束バンドやテープで仮止めしてきちんと動くか確認してから作業しましょう。
②エポキシパテを使用する
必要なもの
・エポキシパテ
プラスチックスの穴埋めなどに使われるパテのです。
キャスターのゴムの素材に近く、またある程度の強度もあります。
・雑巾
汚れをふき取るのに使います。
やり方
(1)パテを必要なだけ取り出し、ムラがなくなるまで混ぜる。
この時、手袋をしてパテを素手で触れないようにしましょう。
(2)補修したい箇所に塗る
パテを混ぜて終えてから10分以内に塗る必要があります。
(3)乾燥させる
固まったら完成です。
たいした用具も必要なく簡単に修理出来ますが、パテの色が明るいグレーなので修理後の見た目はあまりきれいではありません。
また、どちらかというと壊れてしまったものを直すというよりも修理の必要がないように補強するという使い方が適しています。
③シューズドクターを使う
必要なもの
・シューズドクター
シューズドクターとは、靴の底の部分の補修剤として使うものです。
東急ハンズや大きな靴屋で購入出来ます。
やり方
(1)シューズドクターで車輪の周りを補強する。
この時、真円に近い形にしないとキャスターががたつく原因になります。
塗ってから2日ほどで固くなります。
非常に手軽で簡単ですが、耐久性が低く本体よりも磨り減るペースは速いです。
ただし、短期旅行なら1、2回はもつでしょう。
どちらかというと応急処置的な方法になります。
1回きりでもいいから、手間を掛けたくないという方におすすめです。
④タイヤを取り替える
必要なもの
・交換用のタイヤ
キャスターのサイズに合わせて購入しましょう。
・ステンレスキャップ
半分だけネジのものを購入します。
サイズもスーツケースで確認してから購入しましょう。
ネジのない部分は、キャスターの軸になります。
・ナイロンネット
ステンレスキャップの太さに合わせて、適した大きさを購入しましょう。
・ステンレスワッシャー
本体の台座とタイヤの隙間が空いてしまった場合に備えておきます。
1つのタイヤに対して2、3個使います。
どれも東急ハンズで揃いますし、値段も1000以下に収まります。
使用する工具
・ドライバー
・ニッパー
・スパナー
・ステンレス糸ノコギリ
・六角レンチ
やり方
(1)タイヤが回らないように固定します。
ガムテープでとめたり、ダンボールを噛ませたりすると良いでしょう。
こうすることで、傷がついてしまうことを防ぐことも出来ます。
(2)キャスターの台座とタイヤの間にある軸(シャフト)をノコギリで切断します。
初めてだとちゃんと切れているか不安になるかもしれませんが、切れているなら少しずつですが歯が沈んでいきます。
切断するといきなり落ちるので注意しましょう。
切断に力は必要ないですが、10分から15分ほど時間が掛かるのであせらずやりましょう。
この作業中は削りカスが出るため、新聞などを引くか、汚しても良い場所で行うのが良いです。
(3)残ったシャフトと取り出します。
この時、内側から押すようにするとすぐに取れますよ。
(4)普通スーツケースは内側にもシャフトがあるのでそれも取っておきます。
(5)部品を全てはずしたら幅を計ります。
この幅に合わせてタイヤを購入しましょう。
タイヤは高くても100円以内で購入出来ます。
(6)同じくシャフトが通っていた穴の直径を計ります。
これに合わせてネジを購入しましょう。
(7)ネジを穴に通してサイズを確認してから、タイヤを通します。
この時、タイヤとキャスターの台座に隙間がある場合ワッシャーを入れて隙間を埋めます。
また、ナットとキャスターの間に入れれば緩み防止にもなります。
(8)タイヤの回転を確認してからハードロックナットを取り付けます。
ナットが緩まないように気をつけて付けましょう。
(9)上ナットと下ナットと取り付けます。
(10)ナット側はスパナーで、ネジ側は六角レンチでハードロックナットを固定します。
締め過ぎるとキャスターが変形してしまう原因になるため、締め過ぎないように注意しましょう。
(11)タイヤの回転を確認します。
回転が重く感じるなら、ナットを少し緩めましょう。
ある程度工具が必要ですが、誰でもタイヤ交換は出来ます。
新しく取り替えているため、旅先の途中で壊れたりといったトラブルが一番少ない方法でしょう。
確実にキャスターを修理したいという方におすすめです。
また、最近では少し高いですが修理用のキットも出ています。
まとめ
自分でスーツケースのキャスターを修理するのは難しそうで敬遠する方も多いことでしょう。
しかし、自分で修理出来れば修理代が軽減されるだけでなく、愛着もわきより長く使ってあげようと思えます。
修理の仕方も手軽に出来るものから、工具を使用するものまで様々です。
しかし、どれも専門的なことは必要ありません。
スーツケースを買いなおしたり、修理に出す前に、これなら出来るといった方法で修理に挑戦してみてはどうでしょう。