世界の老舗スーツケースメーカーの歴史とおすすめ商品
旅行や出張で欠かせないのが、スーツケースです。
さまざまな種類や大きさのスーツケースがありますが、宿泊日数や行き先によって、サイズは決まってきます。
老舗メーカーのスーツケースは、耐久性と軽量性でみるべきものがあります。
ここでは、RIMOWA、Samsonite、DELSEY、BRIC’S、GLOBE-TROTTER、ACEのスーツケースについてご紹介していきます。
RIMOWA
RIMOWA(リモア)は、1898年創立、ドイツの老舗スーツケースメーカーです。
パウル・モルシェックによってケルンで創業されました。
当初はヨーロッパの上流層向けに革製の旅行カバンを販売しました。
1930年息子のリヒャルト・モルシェック(Richard Morszeck)の代に、彼の名前の頭文字を取って、社名をRIMOWAと改名しました。
火事により、スーツケース用の素材がアルミニウム以外、焼失してしまいましたが、1937年、結果的に、耐久性があり、軽量なアルミニウム製のスーツケースが生まれることとなりました。
1950年以降になると、うねったデザインが特徴的なポリカーボネート製のスーツケースも生産しています。
2017年1月には、フランスのLVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンがRIMOWAの株式の80パーセントを取得しています。
トパーズ
RIMOWAを代表するロングセラー定番商品が「トパーズ」です。
表面に凹凸があるリブ加工が施され、耐久性が高められています。
ビルの15階から落としても中のものが保護されるという設計となっており、長年の使用にも耐えることでしょう。
サイズは45リットル、68リットル、82リットル、91リットルのものがあります。
Samsonite
Samsonite(サムソナイト)は、1910年に創立されたアメリカのスーツケースメーカーです。
ジェシー・シュワイダーによって、コロラド州デンバーで創業されました。
彼は初期のスーツケースを「サムソン」と名付けていましたが、1941年より商標に「サムソナイト」を使い出します。
サムソナイトがベストセラーとなると、1965年には社名も「サムソナイト」に変更します。
1973年、シュワイダー家は会社をアメリカの食品会社「ビートライスフード」に売却しました。
2005年には本社がマサチューセッツ州マンスフィールドに移転しています。
2007年にはヨーロッパに本拠を置く、投資会社「CVCキャピタル・パートナーズ」が17億ドルで買収しました。
Samsoniteは、2012年に老舗バックブランド「ハートマン」を350億ドル、高級バックメーカー「トゥミ」を18億円で買収しています。
COSMOLITE 3.0
Samsoniteの定番製品「COSMOLITE」(コスモライト)は、2013年にリニューアルされ、2016年にはさらに進化し、COSMOLITE 3.0として販売されています。
特徴は驚くべき軽さを実現していることです。
36リットルの一般的なスーツケースの重量は、4.5キロですが、COSMOLITE 3.0は1.7キロという軽量さです。
360度回転が可能なキャスターとともに、ラクラク動かすことができるでしょう。
また貝殻をイメージした、ポリプロピレンの層を重ねた構造は、耐久性の高さを誇ります。
DELSEY
DELSEY(デルセー)は、1946年創立、フランスのバッグ・旅行用品メーカーです。
エミリー・ドライエ(Émile Delahaye)とセイナーヴ(Seynaeve)兄弟がタッグを組み、両者の名前を組み合わせてデルセーのブランドを立ち上げました。
DELSEYは、カメラやレコードプレイヤーのケースを製造していた経験を活かして、プラスチックを利用した旅行用品部門を設置しました。
2015年には、スマホアプリで操作できるガジェットを組みこんだ「プラグゲージ」と呼ばれるスマートスーツケースの試作品を発表しています。
HELIUM AERO
耐久力に優れ、プレミアム感を備えているのが、DELSEYの「HELIUM AERO」(ヘリウムアエロ)です。
ポリカーボネートを鏡面加工し、可視光線透過率80~90パーセントというガラス並みの透明性を実現しています。
フロントポケットが大きく開く設計となっており、PCや書類などをすぐに取り出すことができます。
キャリーバーは航空素材のアルミニウム製となっており、3段階の調節が可能です。
容量を増大させる拡張ファスナーがついており、旅先で荷物が増えてしまったとしても約30パーセントまで容量を増やすことができます。
サイズは、機内持ち込み可能な42リットルのほか、79リットル、117リットルのものがあります。
BRIC’S
BRIC’S(ブリックス)は、1952年創立、イタリアの老舗旅行カバンメーカーです。
マリオ・ブリッコラ(Mario BriCCola)によって、イタリア北部のコモで創業されました。
トスカーナレザーを利用した手作りのカバンで世界的に知られるメーカーとなります。
ブリッコラ家の二代目が伝統を受け継ぎ、品質を維持しており、世界中にいくつかのフラグシップ店を展開しています。
BELLAGIO
クラシカルなデザインでおしゃれなのが、BRIC’Sの「BELLAGIO」です。
ボディにはポリカーボネート素材が用いられており、軽く、耐久性に優れています。
キャスターは、360度回転可能な4輪ホイールで、ラバーコーティングで静穏性も備えています。
サイズは36リットル、78リットル、96リットルのものがあります。
GLOBE-TROTTER
GLOBE-TROTTER(グローブ・トロッター)は、1897年創立、英国王室御用達の老舗カバンメーカーです。
デービッド・ネルケンによってドイツ・ザクセン州で創業されました。
1932年、会社はイギリスに移転します。
スーツケースや旅行用品は、大ロンドンの北に接するハートフォードシャーで、オリジナルの手法によって手作りされています。
120年間変わらぬブランド哲学は、「妥協しない完全なクラフトマンシップ」です。
加硫繊維板からなる製品が特徴で、革製より耐水性が高く、摩擦にも強い特性を備えています。
また近年には、革製のかばんの製造も開始しています。
2012年には、英国国旗ユニオンジャックをイメージし、赤・白・紺を配色したオリンピック記念モデルを発売しています。
CENTENARY
レザーストラップが特徴的でファッショナブルな製品が、GLOBE-TROTTERの「CENTENARY」です。
ファッション性を重視する方におすすめです。
ボディはヴァルカンファイバー製で、軽量かつ耐久性に優れています。
カラーはオレンジ、ネイビー、レッドなどがあります。
ACE
ACE(エース)は、1940年創立、日本の老舗カバンメーカーです。
新川柳作によって大阪で創業されました。
当初は「新川柳商店」という会社名でしたが、1963年に「エース株式会社」に変更しています。
1964年サムソナイトとライセンス契約を結び、同社の製品を販売するようになります。
70年代の新聞広告では、「海外旅行には『サムソナイト』。
世界を旅する方々から信頼されているスーツケースの一流品です」と述べられています。
サムソナイト製品は1996年にはピークとなる125億円を売り上げますが、2003年には65億円と売り上げが半分まで落ち込みます。
そこで2004年、40年間にわたったライセンス契約を解消し、自社ブランドの販売に力を入れるようになりました。
プロテカ360
4方向に開く画期的なスーツケースが、ACEの「プロテカ360」です。
荷物を片面に集約できるので、フタを開いても中身が飛び出すことはありません。
スーツケースを立てたまま、小物を取り出すこともできます。
キャスターは独自のベアロンホイールを搭載し、優れた静穏性を備えています。
まとめ
以上、世界各地の老舗メーカーのスーツケースについてご紹介してきました。
テロ対策等で機内持ち込み荷物の規制が厳しくなっています。
特にLCCはその規制が厳しいので、LCCをよく利用する方は、スーツケースを買う際にも注意が必要です。
お気に入りのスーツケースを手に入れられたら、それだけで旅に出るのも楽しくなりますね。