高圧洗浄機の洗車で注意することは?避けるべき4つのポイント
高圧洗浄機は、外壁や床など、いろいろなものを洗浄できる便利な商品であり、洗車にも最適です。
水を高圧で噴射し、汚れをきれいに洗い流すことができます。
ただし、高圧洗浄機で洗車をするときは、注意点を押さえておかなければなりません。
間違った使い方をすると、車にダメージを与えてしまうこともあるのです。
では、高圧洗浄機の洗車で避けるべきことについて、詳しく説明しましょう。
水圧を強くしすぎてしまう
高圧洗浄機の特徴は、強い圧力で水を噴射し、汚れを落とすことになります。
しかし、その水圧が強すぎた場合は、車にダメージを与えてしまうことがあるのです。
といっても、家庭用の商品はパワーが抑えられているので、1点に長時間水流を当てたりしない限り、車がへこんだりする心配はありません。
注意しなければならないのは、塗装です。
高圧洗浄機の水流は、ボディをへこませることはなくても、塗装を傷つけるには十分な圧力があります。
外壁を洗浄するときでも、近距離で圧力を加えたりすると、汚れと一緒に塗装を削り取ってしまうことがありますが、車の場合も同じです。
水圧を強くしすぎたり、あまり噴出口を近づけたりすると、塗装を削ってしまいます。
それを避けるためには、距離をとることも大切ですが、作業を始める前に水圧を調節することも忘れないでください。
最初は地面に
高圧洗浄機を使用するときは、いきなり車に向けるのではなく、まず地面に噴射してみて、水圧が強すぎないかチェックしましょう。
特に、買ってきたばかりの商品は要注意です。
その場合、最初から最大の水圧に設定されている商品があるので、無造作に車にかけたりすると、塗装を傷つける可能性が高くなります。
まずは地面に噴射して感覚をつかみ、水圧を適度に調節してください。
もし調節が難しい場合は、距離だけでも十分にとることをおすすめします。
噴出口が車から離れていれば、大きなダメージは防ぐことができるのです。
上から下へ洗浄する
高圧洗浄機で洗車をするときは、水を噴射していく順番も重要です。
これを間違えると、うまく洗浄することができず、車に傷をつける恐れもあります。
そのため、必ず正しい順番で洗浄作業を行ってください。
避けるべき順番は、上から下へ進めていくことです。
上から始めた場合、下の洗浄を行うときに巻き上げられる土や砂が、きれいになったボディに付着してしまいます。
高圧洗浄機の水圧は、地面の汚れを広範囲に散らしてしまうこともあるので、この点には注意しなければなりません。
上から下の順番で洗浄すると、自分では汚れを落としたつもりでも、「また汚れがついている」という失敗もあり得るのです。
そのため、洗浄をするなら、まずは下から始めていきましょう。
タイヤやホイールから始めて、上に移動していく方法なら、最初に地面が濡れるため、汚れが巻き上げられる心配はありません。
傷を防ぐために
上から下に洗浄してしまったとき、ボディの新しい汚れに気づいた場合は、二度手間になるとはいえ、再び洗浄すれば済むことです。
しかし、土や砂の汚れに気づかなかった場合は問題です。
その場合、拭くときに汚れを擦りつけることになるため、細かい傷をたくさんつけてしまいます。
つまり、大切にするつもりで洗車しても、実際には劣化を早める結果になってしまうわけです。
そうした失敗を防ぐためにも、洗浄の順番はしっかり意識しておきましょう。
エンジンルームまで洗ってしまう
高圧洗浄機で洗車をするなら、外側だけにとどめておいてください。
エンジンルームにまで高圧の水流を浴びせると、故障の原因になってしまいます。
もしエンジンルームを水浸しにした場合は、内部の部品が正常に働かなくなり、点火不良を起こしてしまうのです。
そうなれば、車が動かなくなることもあります。
水害などで車が水に浸かったとき、故障して動かなくなるのは、プラグ関係の部品が水をかぶったことも、大きな原因なのです。
油断は禁物
エンジンルームに水を入れないことは、故障を避けるためには重要なポイントですが、「少しくらいなら大丈夫」と考えてしまうこともあります。
これは、車が雨の日にも使用できるためです。
大雨のときなどは、エンジンルームにも多少の水は入るものですが、だからといって、車が故障することはありません。
このことから、「エンジンルームに水が入っても大丈夫」と考えてしまう人もいますが、それで高圧洗浄機を使ってしまうのは間違いです。
確かに、車のエンジンルームには水が入ることも多いため、ある程度の量なら問題ないように設計されています。
しかし、水害で水に浸かれば故障してしまうことからもわかるように、直接水流を浴びせたりすれば、ただでは済みません。
適切な方法を用いれば不可能ではありませんが、それはあくまでもプロが行う場合です。
素人ではリスクが大きすぎるので、エンジンルームの洗浄は避けてください。
傷や劣化の見落とし
高圧洗浄機で洗車を行う場合、事前に車全体をチェックして、傷や劣化がある部分を確かめておくことも大切です。
そして、作業をするときは、その部分を確実に避けてください。
直接水流を当てたり、長い時間当て続けたりしてはいけません。
そのような弱い部分は、高圧の水流によって、簡単に壊れてしまうのです。
高圧洗浄機の水流は、しっかり調節しておかないと、塗装を傷つけるほどの威力があります。
それで傷や劣化を刺激すれば、ダメージはかなり大きくなってしまうので、十分注意しながら作業を進めていきましょう。
時間の経過に注目
傷や劣化をチェックするといっても、明らかな傷であれば見分けるのは容易ですが、劣化を見極めるとなれば、素人では難しいこともあります。
そんなときは、「どれくらい時間が経過したか」という点を考えてみましょう。
樹脂やゴムのパーツは、時間が経てば経つほど、劣化している可能性が高くなります。
そうしたパーツは、紫外線や雨などの影響を受け、だんだん劣化してくものです。
すると、本来あったはずの柔軟性がなくなり、固く壊れやすい状態になってしまいます。
そこに強い水流が直接当たった場合、すぐにヒビが入ってしまうのです。
したがって、長く使っている樹脂やゴムのパーツは、極力避けて洗浄してください。
10年以上使用しているものは固くなっていることが多いので、要注意です。
また、時間による劣化の影響は、塗装にも出てきます。
もし塗装が色あせているような場合は、高圧洗浄機のような強い圧力はNGです。
その場合、塗装が劣化しているため、強い水流で簡単に剥がれてしまいます。
少しでも剥がれてしまったら、そこからどんどん広がっていくこともあるので、色あせは見落とさないようにしましょう。
傷や劣化は丁寧に
傷や劣化があった場合は、高圧洗浄機で洗うのではなく、手洗いかスポンジなどで、優しく汚れを落としてください。
弱い勢いの水で、優しく丁寧に洗っておけば、傷を広げたり、劣化したパーツが破損したりするリスクは回避できます。
高圧洗浄機は、強い水圧で早く作業が進むこともメリットのひとつですが、この点だけは、しっかり手間をかけましょう。
長持ちさせるためには、ただ見た目をきれいにするだけでなく、余計なダメージを加えないことも大切なのです。
まとめ
高圧洗浄機による洗車は、普通に洗うよりも素早く、楽に済ませることができます。
ただし、そのためには正しい方法で行うことが大切なので、ここで紹介した注意点を、しっかり頭に入れておきましょう。
避けるべきポイントを把握して、高圧洗浄機をうまく使えば、大きな失敗は起こりません。
適切な方法で汚れを落とし、車を長持ちさせましょう。