健康被害が気になる人へ…電子タバコに関する公式データ&減煙のコツ
喫煙者の風当たりが強くなったばかりではなく、ガン・遺伝病の誘発なども危惧されるため、電子タバコへ移行する人が急増しています。
実際のところ、電子タバコで健康被害・ニコチン依存は減らせるのでしょうか。
普及に伴い、売れ筋銘柄や医学的データも揃い始めています。
ここでは、主に「健康被害が気になる人」へ向けたヒントを提示していきます。
電子タバコ1番人気は”IQOS“
現在国内では、加熱式の電子タバコ3機種がしのぎを削り合っています。
表題にもありますが、最も人気なのはIQOS。
統計上のデータや、他2機種についてのタバコマニアのレビューを確認してみましょう。
喫煙者の10人に1人がIQOS
現在、日本の喫煙者人口は2000万人と言われています。
IQOSの出荷数はすでに300万台の大台に乗り上げようとしており、実に喫煙者のうち10人に1人は愛用しているということになります。
この後解説する他の電子タバコ2機種と比較すると、本体価格10,980円(税別)と初期コストが高く、パフ数で換算した場合のヒートスティック代も最高価格。
にも関わらず、日本だけでなく・韓国や中国の東アジア諸国でも勢い付いているとのことです。
グロー・プルームテックも負けてはいない
タバコマニアの品評によると、「グロー・プルームテックのほうがIQOSよりも勝る」という意見が散見されます。
その理由として第1に挙げられるのが、取り回しの良さでしょう。
いずれもメンテナンスがきわめて簡単(もしくは不要)で、ヒートスティックやたばこカプセル交換のたびの充電が不要。
つまり、チェーンスモークができるため、日頃から喫煙量が多いとお悩みのかたにも向いています。
本体もポケットに入る大きさで、消耗品と一緒に持ち歩いてもコンパクト。
煙の量や喉ごしには課題が残るものの、「すぐにはタバコをやめられないだろうけど、身体への影響が気になる」というヘビースモーカーにはおすすめできます。
シェアに気をとられず、自分に合う機種/銘柄を選ぶのが、電子タバコへ移行する上のコツと言えます。
加熱式タバコの健康への影響とは
ここまで紹介してきた電子タバコ3機種の増税が決定したばかりですが、医療関係者の見解はどうなのでしょうか。
電子タバコへの乗り換えは本当に正解なのだろうか?
という疑問への答えにもなります。
日本呼吸器学会の見解
医療関係者が在籍する”日本呼吸器学会”が2017年下旬に発表した見解によると、有害とされるニコチン・化学物質を含む煙の量などについて具体的に示されています。
まずニコチンの量ですが、従来型の紙巻きたばこ・加熱式電子タバコそれぞれの利用者の体内蓄積量を測定したところ、ほぼ同量が検出されたそうです。
これについて、電子タバコ関係者は「電子化によりチェーンスモークしやすくなり、喫煙量がかえって増えてしまうことが原因なのではないか」と指摘しています。
つぎに化学物質を含んだ煙ですが、加熱式電子タバコは、そもそも副流煙を出しません。
ここで問題となるのは、呼気に含まれる有害物質です。
副流煙内の有害物質として有名なのがアセトアルデヒド・フォルムアルデヒド(それぞれ発ガン性があるとされているもの)。
紙巻きたばこの副流煙・加熱式電子タバコの呼気を比較すると、アセトアルデヒドについては2〜8倍・フォルムアルデヒドについては約20%、後者のほうが多いとのデータが発表されています。
ニコチン依存
ニコチンが体内に蓄積されるのは48時間で、頻繁に摂取するほど依存性は上がると言われています。
これまでも述べてきましたが、電子タバコは「連続して吸いやすい」という特徴を持つため、ついつい手を伸ばしがち。
前項の日本呼吸器学会の見解中にはなかったものの、チェーンスモークを繰り返すことで返って依存してしまうのではないか?
という考え方も存在します。
加熱式電子タバコとの付き合い方
これまで述べてきたことを踏まえると、健康被害が気になる方は、加熱式電子タバコへの移行と並行して、吸いすぎない努力も必要になります。
それでは、何か他の「より身体に優しいタバコ」はないものでしょうか。
VAPEの身体への影響は「なし」
コンビニでも販売されるようになったため、”ベイプ”という単語を目にする機会も増えてきました。
VAPEとは、リキッド(精製水と味付きグリセリンを配合したもの)を蒸気化して吸うものです。
ニコチンを含まないため喉越しの再現が難しく、葉巻(シガー)や水タバコのように、肺にためずに”ふかして”喫煙するものとなります。
加熱するための本体・消耗品となるリキッドが必要となるのですが、国内で本体を生産しているメーカーはほぼ存在せず、まだまだ浸透していません。
ところが先日、科学雑誌「ネイチャー」上で、”VAPEによる健康への悪影響は全くない”という衝撃的な見解が示されました。
3年以上に渡ってVAPEを使用し続けた被験者(平均年齢29歳)を対象に調査したところ、血圧・肺機能・体重を含む8項目において正常域であったとのことです。
10年前にVAPEが創始された頃は、リキッド内に発ガン性物質が含まれていた…などという騒動もありましたが、主力生産国が日本となったこと・欧米諸国でも薬事法に基づく厳しい審査が課せられたことで、正規品の安全性は保証されていると言える状態です。
減煙のコツ
さて、最後になりますが、減煙・禁煙のコツをお伝えします。
多くの禁煙外来で指導しているのは、「まず一度、タバコを手放してみること」。
体内のニコチンは48時間でなくなるため、タバコを完全に絶ってから2日目以降の気分変化がポイントになります。
どうしてもイライラする・抑うつ気分が出るという場合に備えて、加熱式電子タバコを用意しておくのが良いでしょう。
医師によっては薬の処方をする場合もありますが、これは「向精神薬」という種のものになり、タバコ以上の依存性があります。
また、タバコを減らすときは、食べる量が増えてしまい・体重が増加するケースがほとんどです。
ステビアで甘みをつけたハーブティなどで食欲を抑える・食べすぎた場合はサプリメントで胃もたれや栄養バランスなどを整えるのがおすすめです。
VAPEには”期待しすぎない”
続いて、VAPEに興味のあるかたへの提案になります。
健康被害がまったくないことと引き換えに、「いざ乗り換えてみると失望してしまった」という人も少なくありません。
理由としては、やはり「紙巻きたばことは違う吸い方」にあります。
継続できないと本末転倒なので、まずは電子タバコ専門店などで、おすすめの機種・吸い方・試煙をじっくりとしましょう。
電子タバコチェーンとしては店舗数最大の“VAPE STUDIO”、都内であればシーシャ(水タバコ)カフェチェーンの”チルイングループ”などでも試すことができます。
タバコとしての性質をきちんと理解した上で乗り換えるのが、失敗しないVAPE乗り換えのコツとなります。
まとめ
増税が決定している加熱式タバコ3機種を比較すると、シェア以外の優劣はありません。
健康被害を懸念するのであれば、自分に合った味わい・取り回しのよさ・吸いすぎないための心がけがポイントになります。
いま勢いのあるVAPE業界では、安全性を保ちながら紙巻きたばこの完全代替品となり得るための性能・味わいが追求されつつあります。
安易に乗り換える前に、それぞれの電子タバコの特色・有害性を抑えておく必要があります。