電子タバコiQOS(アイコス)の使い方と他社の電子タバコについて
iQOS(アイコス)は、フィリップ・モリスが販売している電子タバコで、日本国内の電子タバコの草分け的存在です。
iQOS(アイコス)は、最も早く市場投入されたため、大手タバコメーカーの販売するBAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)、JT(日本たばこ産業株式会社)の販売するグロー、プルームテックと比べ広く普及しています。
電子タバコの市場におけるiQOS(アイコス)のポジションと使い方、構造とライバルの電子タバコについて解説します。
電子タバコがタバコ会社に衝撃を与える
iQOS(アイコス)をきっかけに電子タバコに手を出した喫煙者の方、多かったのではないでしょうか?
日本国内ではこれまで主に紙巻たばこが広く普及していて、メビウス(元マイルドセブン)、セブンスターなど日本たばこ産業の販売する紙巻たばこが広く人気を博し、約60%の過半数のシェアを持ちそれを海外のフィリップ・モリスのマールボロやBAT(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)のケントやラッキーストライクが追いかけるというような市場の状況がありました。
嗜好品であるタバコは、消費者はタバコを一度吸いはじめるといくつか銘柄を渡り歩き、最後に気に入った銘柄を常習的に吸い続けるという消費行動をとります。
そのため、日本国内における紙巻きタバコのシェアから言えば、日本たばこ産業はかなり安定した状況にありました。
しかし、この電子タバコはたばこ産業全体にとって、ある意味で戦国時代の到来とも言えるような強烈な衝撃を与えました。
と、言うのも喫煙方法がこれまでの紙巻たばこによる喫煙から電子タバコに変わることで、新しいタバコブランドに手を出す消費者が増えると見られているからです。
既存の紙巻たばこと電子タバコの構造の解説
電子タバコは、ニコチンの摂取を煙の吸入から気体の吸引に変化させたもので喫煙の仕組みが全く違います。
既存の紙巻たばこであれば紙で巻かれフィルターを取り付けられたタバコにライターやマッチで火を点けて、燃焼した煙草の葉から気化するニコチンやタールなどを吸引していました。
つまり、直接的に点火された煙草の葉自体を燃料に火を燃焼させていたわけです、そのためヘビースモーカーの喫煙者などが短い時間で頻繁に煙を吸うと本来の理想的な燃焼温度よりも温度が上がり苦味やエグみが出てきます。
一方、電子タバコはあらかじめ精製した成分を封入した電子タバコ用のカートリッジをバッテリーを電源にした電熱で加熱して気化させます、これは燃焼と違いヘビースモーカーがせっかちに吸っても紙巻たばこのように燃焼温度が上がりませんし、また、燃焼していないので煙による苦味エグみも抑えられますそのため、構造的に美味しいタバコを吸える構造になっていると言えます。
ですから、紙巻きタバコと比べ電子タバコはヘビースモーカーにおすすめです。
また、葉を燃やさないため煙が出ず、周りの人へ煙で迷惑をかけることが減ります。
現在、電子タバコにはタバコの成分を封入したカートリッジタイプと液体そのものを使うリキッドタイプがあります。
iQOSを含む日本国内のタバコ大手3社の電子タバコの解説と比較
iQOS(フィリップ・モリス)は日本市場初の電子タバコ
日本国内で最も見かける電子タバコiQOS(フィリップ・モリス)は、大々的な広告と共に日本市場に投入された日本市場で最初の電子タバコです。
紙巻きたばこを半分に切り落としたようなタバコスティックという煙草の葉をペースト状にしたカートリッジをiQOSのホルダーに差し込んで吸うという仕組みになっています。
iQOSはスマホサイズの本体(iQOSポケットチャージャー)に充電用リチウムバッテリーが搭載されていて、普段はその本体にiQOSホルダーというタバコスティックの加熱部分の喫煙具を挿しておいて、喫煙するときにiQOSホルダーを取り出してホルダーにカートリッジを差し込んで使うという方式をとっています。
iQOSホルダーはちょうど太めのボールペンくらいのサイズで、手に馴染む樹脂で外側がコーティングされています、このiQOSホルダーにブレードというカートリッジの差込部があり、そこにカートリッジを差し込んでスイッチを入れて温度が上昇しニコチンが気化し始めたら喫煙します。
注意点は掃除についてで、iQOSは1回ごとの使用後にホルダーを清掃することを薦めています、清掃の方法はホルダーから喫煙済のタバコスティックを抜き出し、内部をティッシュで拭います。
また、ホルダー自体も分解清掃できます。
iQOSの本体はコンセント以外にもUSB端子でも充電できるようになっており、ノートパソコンなどUSB端子があればどこでも充電できます。
iQOSは充電状態や使用状況をランプの点滅で表示していて、使用時にはiQOSホルダーにカートリッジを差し込んでiQOSホルダーのボタンを押し喫煙します。
一度吸い始めたカートリッジは約6分間加熱が持続しますが、14回吸い込めば自動的に停止してしまいます、これは電子タバコの成分がなくなる回数であるからです。
iQOSは1本毎に充電を必要とし、充電時間は約5分前後でそのためヘビースモーカーにはキツイかもしれません。
glo(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ)は整備性と連続使用に優れる電子タバコ
近未来的なメタリックのカラーと曲線美を持つグローは、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパンの販売する電子タバコで、iQOSと同じくタバコの葉を加工したペーストのカートリッジを用いた電子タバコで、ブリティッシュ・アメリカン・タバコはカートリッジをネオスティックと呼んでいます。
メタリックの本体は握りやすく作られていてメタリックのカラーはいくつかバリエーションがあります。
iQOSとgloが違うポイントは喫煙後の清掃が簡単なところと強力なバッテリーが喫煙ホルダーに内蔵されているため、連続で30本喫煙できるという点です。
これはヘビースモーカーにはとても大きなメリットでおすすめポイントです。
なぜかというとiQOSは1本毎に充電が必要で充電には約5分が必要だからです。
また、整備性が優れていてgloは底が貫通式になっていて詰まったゴミを取り出しやすくできています。
デメリットは本体が強力なバッテリーを内蔵しているので重いという点です。
あえて本体とホルダーを分けたiQOSとの設計思想の違いがgloにはあります。
プルームテック(日本たばこ産業)は細身でスマート
プルームテックはJTの販売している電子タバコで、後発の電子タバコであるためiQOSと比較すると使用者が感じられる大きなメリットを持っています。
プルームテックがiQOSと比べて優れているポイントは、1万円近くするiQOSの本体と比べ3000円で買える本体のイニシャルコストの安さです。
iQOSは本体が8980円(税込み)であり、気軽に始めるには割高であるにもかかわらず、プルームテックは税込みで3000円で販売されており、始めやすいというのが大きな利点になっています。
電子タバコのカートリッジをJTはたばこカプセルと名付けていて、プルームテックでは連続で5本分喫煙できます。
プルームテックはコストパフォーマンスに優れた電子タバコでおすすめです。
その他の電子タバコ
電子タバコで、既存のニコチン摂取以外の目的で使用できないかという考え方に基づき、コーヒーやバニラなどの香料を混ぜたニコチンの含まれない電子タバコや、ビタミンを口腔から摂取できる電子タバコというようなものも販売されています。
まとめ
電子タバコはタバコ会社にとっては取り組まなくてはいけない新しい宿題であり、禁煙を推進するような社会の変化の中で紙巻たばこのシェアを失っていくトレンドのなかで生き残る為にできる数少ないチャレンジの一つであると言えます。
喫煙者は先進国では減少傾向にあり、タバコ会社はタバコの販売量減少の中で新しい成長領域を探し続けていました、電子タバコは喫煙者にとってもタバコ会社にとっても興味深い商品であると言えます。