紙巻たばこ以上に加熱している電子タバコとはつまりなんなの
長い歴史を持ち、強力なブランドを持っているタバコ会社、今その業界で変化が起きています。
それが電子タバコです。
これまで愛煙家たちが吸っていた紙巻たばこが誕生したのは19世紀中頃、歴史上のイベントではナイチンゲールが看護婦として活躍していたクリミア戦争の頃のことで、それ以降、タバコはそれまでの葉巻やパイプタバコ、そして口の中で噛むことでニコチンを摂取する噛みタバコよりも手軽で携帯性の高い喫煙方法として普及し、男女問わず大勢の人たちの最も手軽な嗜好品の一つとして、君臨し続け、世界中のタバコ会社は巨大企業になり、政府に多額の納税をしている産業でもあります。
電子タバコは、これまで安定的な需要のあったタバコ業界を一新する恐れのある、キラーコンテンツになりうる、タバコ界の最新商品です。
電子タバコとはなにか
まずは電子タバコの構造について
電子タバコのしくみ
これまでタバコは、基本的には紙巻きたばこ、パイプ、葉巻、噛みタバコであっても、どれも煙草の葉を燃やした煙を吸ったり噛み潰したりすることで、ニコチンを摂取するもので、基本的には「タバコの葉」からどうニコチンを取り入れるか?
という方法上の違い、葉っぱの切り方の違いの問題でした。
しかし、電子タバコが違うのは、これまでのような乾燥した煙草の葉以外にも液体からニコチンを摂取することができるという点です。
これは、体に外のない溶媒の液体の中に香料とニコチンを添加したもので、それを電池の電気で加熱して吸うもので、言うなればニコチンを含む液体を温め蒸発させているというようなものです。
これは、通常のタバコの葉を燃やしニコチンを吸うことから、ニコチンの含まれた液体からの気体を吸うと変化したことになります。
電子タバコは葉を燃やさないので煙を発生させません、そのため、既存のタバコと違い、匂いも少ないのがポイントです。
電子タバコの種類
電子タバコは既存の「煙草の葉」をとした加熱部分の熱で温めて、そこから上がる揮発性物質であるニコチンを吸うものと、ニコチンと香料の含まれた液体を電池をエネルギー源とした加熱部分で加熱して吸うものがあります。
煙草の葉を乾燥させる電子たばこでは、日本では、すでにアメリカの世界最大のタバコメーカーである、アルトリアグループの1部門である、マールボロで有名なフィリップモリスが、iQOS(アイコス)と名付け、2015年9月に販売を開始していて、コンビニや駅売店などで、買うことが可能です。
日本の誇る世界第3位のJTは、2017年に、首都である東京と、日本国内で新商品に対する購買意欲の高い都市である福岡県で、プルームテック(PloomTECH)を投入し2018年は順次全国展開しています。
そして、気になる世界第3位のBATは、glo (グロー)を2017年10月からそれまでの3都市から日本の全国市場に投入しました。
興味深いことに、この大手3社の市場投入した電子タバコはすべて、乾燥した葉を加熱して気化させるタイプのものです。
そして、日本では液体を温める液体式はまだマイナーな存在です。
電子タバコはタバコの世界の最終決戦
タバコ市場は、政府の規制強化や健康志向の高まりで、先進国では衰退産業です。
その一方で、中毒性のあるタバコは定期的な購入需要があるため、他のクッキーやジュースを売るような商売に比べると、消費者は忠誠心を持っているのではないかと思えるほど、好きなブランドを買い続けます。
タバコ業界は、寡占化された業界で、アメリカのアルトリアグループ、イギリスのBAT(British American TobaCCo Plc)、そして日本のJT(日本たばこ産業)がしのぎを削っています。
これまでの紙巻たばこでは、ブランドの買収や、新興市場への進出が、企業の成長のエンジンでしたが、電子タバコは「喫煙方法の革新」によって、消費者が新しいブランドのタバコを吸い始めるまたとない機会になる可能性が高く、タバコ会社にとってはライバルのシェアを崩すまたとない機会なのです。
ですから、前述の大手3社にとってはタバコ業界の最終決戦であるといえるのです。
電子タバコの大手3社のそれぞれの電子タバコの特徴
大手3社の商品の使用感や、メリット・デメリットは以下のようになっています。
iQOS(フィリップモリス)のいいとこ悪いとこ
アイコスは、フィリップ・モリスの電子タバコで、日本で最も早く発売された電子タバコです。
構造的には加熱式たばこで、タバコの葉をペースト状にしたものを加熱します。
本体はスマホほどの角が丸い丸みを帯びた直方体で、本体に電池が内蔵されて充電機能があります。
おすすめはアイコスです。はデザイン性に優れていて、タバコスティックをホルダーという持つ部分の中にあるブレードという部分に挿して吸うのですが、このホルダーという持つ部分がまるで、小型の葉巻のようなサイズ感と、デザインで、ブルーやレッドやカモフラ柄などカラーバリエーションもあり、フィリップモリスの商売の上手さが小憎らしいです。
また、アイコススキンという着せ替えカバーや、通販などではスマホケースのようにアイコス用のケースも販売されています。
取り扱い店舗が多く、タバコスティックが入手しやすいのが嬉しいポイントで、難点はアイコスの本体にホルダーを差し込むことで、充電するのですが、あまりにも左右対称のデザインで。
溝とかわかりやすい目印もないので、なのでたまによそ見しながらいじっていて、逆に入れると、ホルダーにハマり、抜き取れなくなります。
それが難点です。
また、ホルダーは一度吸うごとに清掃が必要です。
アイコス本体はUSBで充電できます。
アイコスは特徴として、一度使い始めれば、約6分間使用可能ですが、14回吸い込めば、停止してしまいます。
つまり、頻繁に吸い込む人はアイコスだとすぐ吸い終わってしまいます。
グロー(BAT)のいいとこ悪いとこ
グローはBATの電子タバコで、カートリッジはネオスティックと呼びます。
グローは、アイコスと違い、本体とバッテリーが一体なので、使い方にもよりますが約30本分を吸うことができその点がメリットです。
また、カラーバリエーションもあり、いずれもメタリック風のカラーになっています。
大きさは男性の手に収まるくらいの大きさで、形はすこし下の方にすぼまっていて握りやすくなっています。
グローは3分間ほど吸うことができ、これは、葉巻たばこの喫煙時間とだいたい同じです。
また、おすすめポイントはアイコスよりも掃除が楽という点でです。
プルームテック(日本たばこ産業)のいいとこ悪いとこ
プルームテックは日本タバコ産業が送り出した、電子タバコ界における日本代表です。
形はキャップの付いたマーカーペンのようで、タバコカプセルをはめて喫煙します。
プルームテックもアイコスと同じく、USB充電です、そしてアイコスと比べ優れている点は連続喫煙性の高さで、タバコカプセル5本分吸うことができ、面白いことに、棒型の本体を充電器に挿して充電する形を取っている。
その為プルームテックがおすすめなのがアイコスやグローよりも構造的に安価で、初期費用が安くつくのが良いポイントだといえる。
また、アイコスより細いが、くわえタバコができるほどの軽さではありません。
プルームテックはアイコスやグローと違いほぼ無臭なのもいいポイントです。
ニコチンのない電子タバコ
電子タバコにはニコチンの添加されていない物もあり、それは主に液体のリキッドタイプと言われています。
それらは主に嗜好品として、ニコチンやタールが入っていない、フルーツ味やコーヒー味のような味が添加されているもので、禁煙グッズや、嗜好品として人気が出てきています。
リキッドタイプの電子タバコ
チョコ、バニラ、コーヒー、コーラ、オレンジ、メロン、これだけ聞くとまるでかき氷の様に思えますが、電子タバコでは、こういう味を楽しめる様になっています。
健康志向の電子タバコ
リキッドを気化させるという構造があることから、電子タバコにはなんと、ビタミンを添加したものまであります。
聞かさせて口から吸うことで、ビタミンが取れ美容に効くというわけです。
また、香料を添加して、香りを楽しむというものもあります。
電子たばこの今後について
ニコチンのあるなしにかかわらず、電子タバコは今後まだまだ成長する市場として見られています。
これまでの喫煙者だけでなく、嗜好品としてのビタミンを含んだ電子たばこや、香料を含んだものが、今も続々新製品が生まれているからです。
禁煙への手助けにも電子タバコ
ニコチンの入っていない電子タバコを吸い、禁煙しようとする人たちが現れています。
ニコチンを吸うという習慣を、単に電子タバコを吸うという習慣に切り替えることで禁煙しようというものです。
電子タバコの規制
電子タバコは、体に良い、悪いという議論が世界中であり、規制している国もこれから規制を検討している国もあります。
その為、海外旅行に行く場合は電子タバコを持ち込んでいい国か前もって確認することが必要です。
まとめ
日本でもたくさんの有名なタバコブランドを販売しているアメリカのフィリップモリス、イギリスのBAT、日本のJT、これらの会社は実は世界でもしのぎを削っています。
電子タバコは、吸い方を変えるだけでなくタバコ業界の未来をも変える力を持っています。
そして、喫煙者は、それを選ぶ力があります。
単に電子タバコを新製品と考えず、興味を持って今後を見守ると、面白い物が見えると思います。
また、喫煙の方法の変化のはずの電子タバコは液体を気化して吸うという新しい可能性を有しています。
電子タバコは今後ますます目を話せない存在です。