ロボット掃除機の仕組みから考える最適モデルを選ぶため気を付ける点

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ロボット掃除機は現在いろいろなメーカーから様々な価格のものが売られています。

沢山の種類があってどれを選べばよいのかわかりかねます。

高いものを買っておけば間違いがないと考えたいですが、高いものはオーバースペック過ぎて自分が使う部屋・環境ではせっかくの高機能・高性能が無駄になる恐れがあります。

ロボット掃除機の仕組みから、適切な機種の選び方を考えてみましょう。



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ロボット掃除機の仕組み

ロボット掃除機は自動的に部屋を掃除してくれる機械です。

普通の掃除機は人間が常に操作(持って)して部屋の中を動かしていかなければなりませんが、ロボット掃除機はそんな事をしなくても勝手に動きまわって掃除をして最後には元の場所に戻ってきて人が片付ける必要もありません。

しかし段差のあるところでは使えないし埃や塵は吸い取ってくれますが、使う前に部屋を片付けておく必要があります。

また当然掃除機内にたまった埃や塵を捨てなければなりませんが、そこは自動的にやってはくれません。

ロボット掃除機の仕組みから苦手な事、得意な事、なぜ同じロボット掃除機なのに価格が大きく違うものがこんなにたくさんあるのかについて考えていきましょう。

これを知る事で自分の家・用途におすすめなモデルを判断できるようになります。

まず考えるのは頭脳部分の仕組みです。

この種の掃除機にロボットとついているのは、プログラムによって様々な判断を行ってそれに基づいて行動しているところが単純な機械とは違うからです。

ただ現在は洗濯機やエアコンなどにもそのような機能が備わっているのに、こちらはロボット掃除機とかロボットエアコンとは呼びません。

不思議ですね。

ロボット掃除機は洗濯機などと違って自分で動きまわれるので、そこが生き物的に思えるからかもしれませんね。

実際ロボット掃除機に対してペットに抱くのと同じような感じをうける人もいるようです。



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頭脳部分の仕組み

ロボット掃除機は部屋の掃除を行う場合ただ闇雲に動き回っている訳ではありません。

部屋の地図を作ったりおおまかな状態を覚えていきながら掃除をするのですが、これには大きく分けて二つのタイプがあります。

行動規範型とSLAM

行動規範型といってランダムに動きまわって、壁や障害物に接近したりぶつかったり、よけたりを繰り返す事でおおまかな地図を作り上げるというやり方です。

効率的ではないので掃除に時間がかかりますが、掃除を繰り返す事でより効率的・効果的に掃除が出来るよう学習するプログラムが組み込んであり徐々に「かしこく」なっていくと言えます。

もう一方はSLAMといわれる機能を組み込んだものです。

SLAMとは、Simultaneous Localization and Mappingの略で「同時に位置確認と地図化」という意味です。

これはレーザーを発信して物や壁に反射して帰ってきたレーザー光を計測する事で全体の地図を最初に作ってから動くというものです。

レーザーだけでなくカメラを使って周りを認識・計測するものもあります。

なおカメラはレーザーを使う物に比べて部屋が暗いと役に立たないなど不利な点もあります。

価格の違いの理由

ロボット掃除機はレーザーを発信して自らが回転する事であらゆる方向にレーザーを発射して360度全方向の情報を集めます。

このやり方のおかげで一つのレーザーだけで計測を行う事が出来ます。

通常レーザーを使って物をスキャンするレーザースキャナーは多数のレーザーを持ちそれを可動させる事で計測を行う装置ですが、多数のレーザーを使うため高価になります。

ロボット掃除機では搭載するレーザーが一台ですむので普通のスキャナーより安くすみます。

それでもレーザーの発信・受信装置や全体を見るカメラなどを搭載する事で行動規範型に比べて高価になります。

その代わり掃除が済んだエリアとそうでないエリアがすぐわかり短時間で効率的な掃除ができます。

例えばルンバは元々は行動規範型で作られていますが、最高価格モデルのルンバ900シリーズにはレーザーセンサーや搭載カメラで地図を作る機能が搭載されています。

ただしSLAM型も全体の地図を作って終わりではなく、作った地図を元に部屋を走行して細かいところは行動規範型と同じような仕組みで学習していきます。

こういった仕組みやSLAMが高価になる事を考えると、あまり大きな部屋でない限りは行動規範型AIを積んだ比較的安価な掃除機で十分だと言えます。

一般の家庭のそれほど大きくない部屋であればSLAMなど高機能を搭載していないものが価格など考えておすすめです。

搭載センサーについて

ロボット掃除機は壁や障害物への衝突を避けたり、段差のあるところで落ちたりしないように自分の周りを認識するためのセンサーが必要です。

ここではどのようなセンサーが何の目的で搭載されているかについて説明します。

どんなセンサーを搭載しているか

壁や障害物への接触を避けるために周囲にそれらがある事を検知する必要があります。

この目的で赤外線センサーが搭載されています。

赤外線を発射して壁や障害物などに衝突して帰ってきた赤外線を受信して帰ってくるまでにかかった時間から距離を測ることができます。

このセンサーは安価な事から多くの掃除機に搭載されていますが黒いものは赤外線を吸収し反射しないので認識する事ができません。

ロボット掃除機にでは落下防止用に赤外線センサーが本体下部に複数ついていますが、黒いマットの上に来るとこの理由から段差と誤認識して止まってしまいます。

これはロボット掃除機の弱点の一つでロボット掃除機を使う所では黒い物・マットなどは置かないようにする必要があります。

掃除機にはモデルによって超音波センサーやSLAM型のようにレーザースキャナーを積むものもあります。

超音波センサーは細くて丸い物は検知しにくいという弱点がある一方で障害物を早く検知できるという強みを持ちます。

また衝突時に備えてバンパーを持つモデルがありますが、このバンパーに接触センサーを付けたものもあります。

以上のように各センサーには得意な点、不得意な点があり複数のタイプのセンサーを搭載する事で弱点を補いあう事ができます。

ただし多くのセンサーを積む程、高価になるため積めるセンサーに限りがあるわけです。

センサーで何を見るのか

センサーは壁・障害物を認識するために使われます。

また段差などを認識する事で落下防止のために使われます。

ロボット掃除機では床のごみを見るためのセンサーはついていません。

ただし「床面検知センサー」を搭載した機種では床の種類を判別してごみをとるための回転ブラシの回転や吸引力を調節する事ができブラシが床やカーペットを傷つける事を防ぐ事ができます。

またごみは見えていませんが、音を検知するセンサーでごみが掃除機に吸引される音を検知する事でごみの状況を判断して吸引力を増したりします。

ごみを吸引する仕組み

ロボット掃除機は回転する床ブラシでごみをかきあつめて回転するパワーブラシで集めたごみを掻き出して掃除機内のダストカップにごみを貯めるというのが基本的な仕組みです。

普通の掃除機と違ってごみを吸い込む(吸引する)ものではありませんでした。

ただし例えばルンバ700シリーズ以降では掃除機内を真空にしてパワーブラシで巻き込んだごみを吸引するようになっています。

それ以前のルンバ500シリーズではパワーブラシでは吸引せず別に密着ワイパー型吸引口と呼ばれるものが別にあって、こちらでブラシで取り損ねた細かいごみを吸引する仕組みになっていました。

ごみを掻き出すパワーブラシですがブラシなので髪の毛などが絡むので後で掃除する時大変面倒です。

このブラシがローラーになっているものがあります(ルンバ800シリーズなど)。

ペットの毛や髪の毛などが多く落ちている場所を掃除するためには、ここがローラーになったものを選ぶのがおすすめです。

他に壁際や部屋の角などのごみを前に掻き出すサイドブラシを持つものがあります。

現在発売されているロボット掃除機では、サイドブラシと床ブラシを持ち、ローラー・ブラシでかきかこむのと吸引を組み合わせたタイプが最も多くなっています。

ゴミ捨ての仕組み

吸い込んだごみはダストカップにあつめられます。

ダストカップの先にはフィルターがあって吸い込んだ空気がここから出ていきます。

ダストカップとフィルターは外してカップ内にたまったごみを捨てます。

このごみ捨て部分でも機種によって手入れが少なくて済むものと、そうでないものがあります。

この点がなるべく簡単になる機種をえらびましょう。

まとめ

ロボット掃除機の価格を決めている要因としては、どのように掃除する場所を認識するかに関するプログラム部分と、そのために積んでいるセンサーが最も大きいです。

高価なものでも部屋の大きさやレイアウトによってはせっかくの高性能がいかせないので、その点を考えて選ぶ必要があります。

ロボット掃除機に積まれているセンサーの種類や数によっても価格が変わりますが、センサーには得手不得手があるので自分の使おうとする場所に最適な物を選ぶ事が肝心です。

ごみを吸引する部分でも部屋によってはブラシ型でなくローラーが最適な場合もあります。

これらの点をよく考えて最適なロボット掃除機を選んでください。