スーツケースを扱うときのマナーにはどんなものがある?注意したい4つのポイント
スーツケースは、適当に転がしたり、適当な置き方をしたりすると、思わぬ失敗をすることがあります。
誰かにぶつけてしまったり、やたらと場所をとったりしたことで、周囲から非難の目を向けられるような事態は、できれば避けたいものです。
そのためには、スーツケースを扱うときの基本的なマナーを覚えておくようにしましょう。
寝かせすぎない
スーツケースを引いて歩くときは、倒す角度に注意しなければなりません。
あまり寝かせた状態で引いていると、位置が後ろになりすぎることで、自分の視界からはみ出てしまいます。
そうなると、後ろの方で左右に揺れていても、気づくことができません。
スーツケースの状態がまったくわからないため、後ろを歩いている誰かにぶつかりそうになったとき、避けることもできなくなってしまうのです。
これはとても危険なので、引くときの角度を軽視してはいけません。
もし小さい子供にぶつかったりしたら、怪我をさせてしまうこともあります。
体の弱いお年寄りにぶつけたときも、転倒による骨折という事態につながる可能性があるのです。
そうした事故を防ぐためには、やたらと寝かせて引くのではなく、できるだけ立てたまま引くようにしてください。
スーツケースを立てた状態で引いていれば、自然と自分の体に近くなるため、その動きをしっかり把握することができます。
人にぶつかりそうなときは、素早く察知してよけることもできるのです。
適当に引いたりせず、周囲に迷惑のかからない引き方を心がけるようにしましょう。
ハンドルを短めに
スーツケースを寝かせすぎないように引くなら、ハンドルの長さをチェックすることが大切です。
長く伸ばしていると、立てたときに自分の腕の位置が高くなります。
ちょうどよい位置にして歩くためには、寝かせて後ろへ追いやるしかなくなってしまうのです。
他の人にぶつけないように歩くためには、ハンドルが少し短くなるように調整してください。
ハンドルが短いと、立てた状態で引いていても、腕が不自然に高い位置にならないため、きちんと自分の近くに寄せることができます。
前後の幅をギュッと縮めてスマートな状態にしておけば、他の人にぶつからない安全な移動が可能になるのです。
ハンドルの調整を忘れずに行い、事故をしっかり防いでいきましょう。
パーソナルゾーンに入る位置で
スーツケースを引くときは、自分のパーソナルゾーンも意識してみましょう。
パーソナルゾーンは、両腕を広げた丸い範囲のことです。
そこからはみ出さない位置にスーツケースを配置することができれば、人に迷惑をかけるような引き方を回避することができるのです。
ハンドルが長く、スーツケースを極端に倒した状態だと、パーソナルゾーンから大きくはみ出してしまうため、どうしても周囲の人にぶつかりやすくなります。
パーソナルゾーンの外に出てしまったものは、ぶつかりそうになっていても気がつかないことが多く、反応が遅れて事故を起こしてしまう可能性が高いのです。
スーツケースを安全に扱うなら、ハンドルを短くして、自分のパーソナルゾーンにしっかり入るようにしましょう。
劣化を防ぐためにも
スーツケースをあまり寝かせすぎないことは、劣化を防ぐことにもつながるため、大切に使って長持ちさせたいなら、常に意識しておきましょう。
倒しすぎた状態で引いていると、キャスターの付け根やボディの底などが、地面にガリガリと擦れることが多くなるのです。
アスファルトの上を転がすときなどは、スーツケースをすりおろしながら歩くような状態になるため、どうしても劣化が激しくなってしまいます。
そのような失敗を避けるためにも、角度には十分注意してください。
ハンドルを調整して立つようにしておけば、地面に触れてはいけない部分を守ることができるため、使うたびに余計なダメージを負うようなことはなくなります。
傾斜のある場所でハンドルを手放さない
スーツケースを引いて歩くときは、エスカレーターを利用することもあります。
そのような傾斜のある場所では、絶対にハンドルから手を放さないようにしてください。
エスカレーターに乗ったときは、「自分のそばにあるから大丈夫だろう」という油断から、つい手を放してしまうこともありますが、それはとても危険な行為です。
目を離した隙に、さっきまで立っていたはずのスーツケースが傾き、後ろへ滑り落ちてしまうことがあるのです。
これは、歩く人の振動があるときに起きやすい事故なので、エスカレーターを使うなら、確実に手で押さえておく必要があります。
エスカレーターは、基本的には立ち止まったまま利用するものですが、実際には歩いて通過する人もいます。
急いでいる人などは、空いている片側を早足に追い越したりするものですが、そのときの振動は、スーツケースのバランスを崩す原因になってしまうのです。
その点を考慮すれば、手を放したまま乗ることは避けなければなりません。
何が起こっても落ちないように、しっかり支えておくようにしましょう。
邪魔になる場所に置かない
スーツケースの扱いで注意が必要になるのは、引いて歩くときだけではありません。
電車やバスなどの公共交通機関を利用しているときも、周囲に迷惑をかけないよう、きちんとマナーを守らなければならないのです。
気をつけておきたいのは、スーツケースの置き場所です。
空いている席があったからといって、シートの上に乗せたりしてはいけません。
スーツケースやキャリーバッグといった荷物を持って乗るときは、適当に置くのではなく、網棚などの荷物専用スペースをきちんと利用すべきです。
スーツケースをシートに置いたことで、お年寄りが座るスペースを塞いだりしないように、正しい場所を選んでください。
床なら横倒しで
スーツケースを足元に置くしかないようなときは、普通に立てるより、横倒しにしておくのがおすすめです。
4輪のスーツケースを立てていると、勝手にコロコロ転がっていくことがあるので、常に気を張っていなければなりません。
しかし、横倒しにしておけばそのような事故は起きないため、安心して置いておくことができるのです。
隣に誰かが乗ったり降りたりしないような状況なら、足元に横倒しにしておくと、足を乗せることもできます。
つま先で浮かせてからスタート
スーツケースを扱うときは、電車やエレベーターなどから降りるときの注意点もあります。
慌てて降りようとすると、引っかかってうまく動かせなかったりするものですが、あまりもたついていると、後ろから来た人の足も止めてしまいます。
それほど人が多くないときならともかく、ひどく混雑しているときにそんなことをしていると、大変な迷惑になることもあるのです。
そのため、できるだけスムーズに動き始めることは、スーツケースを扱うときの重要なポイントになります。
もたもたせずにスッとスタートを切るためには、力任せに引っ張って動かそうとするのではなく、つま先で軽く蹴ってみてください。
蹴るというと少し行儀が悪いようですが、わずかに浮かせるようにすると、何かに引っかかったりせず、すんなりと動き出すことができるのです。
乱暴に蹴るのはよくありませんが、大きな音を立てないくらいの優しい力なら問題はありません。
うまくスタートして、人の流れを止めないようにしましょう。
まとめ
スーツケースは、旅行や仕事などで重宝される便利なアイテムですが、使い方を間違えると、とても迷惑なものになってしまいます。
誰かの邪魔をして怒られたり、強くぶつかったたことで大怪我をさせたりすることもあるので、扱いには十分注意しなければなりません。
ここで紹介したマナーを頭に入れ、周りの迷惑にならない正しい使い方をしていきましょう。