楽しい旅のお供スーツケース選びの3つのポイント
旅行前のスーツケース選びはワクワクして楽しいものです。
初めての長期旅行ならなおさら、そのワクワク感も大きいでしょう。
旅の大事なお供となるスーツケース。
選び方を失敗するとせっかく楽しいはずの旅行も台無しになってしまいます。
好みのデザインや色を見つけるのも大切ですが、それ以上にスーツケースの性能を見極めることも重要です。
スーツケース売り場へ行くと、色とりどりのスーツケースが並んでいます。
どれも立派で素敵に見えます。
つい、色やデザインで選んでしまいがちですが、同じように見えても実は大きな違いがあることも少なくないスーツケース。
”衣類や身の回り品を運ぶだけだからどれも同じ”ではないのです。
使い勝手が悪いといちいちストレスになってしまったり、旅の途中で壊れてしまっては旅の妨げにもなりかねません。
旅のお供には納得のいく1台を連れて行きましょう。
スーツケースは大きく「ソフトスーツケース」と「ハードスーツケース」の2種類に分けられます。
文字通り「ソフトスーツケース」はボディが柔らかいスーツケースで、「ハードスーツケース」はボディが硬いスーツケースです。
ソフトスーツケースのボティには混紡樹脂のEVAやナイロンといった布が使用されています。
ハードスーツケースの場合にはABSやポリカーボネートなどのプラスチック樹脂、アルミニウム合金のジュラルミン、ポリプロピレンを何層にも重ねたカーヴと呼ばれる素材などが使われています。
従来は、軽量性を求める人はソフトスーツケース、耐衝撃性を重視する人はハードスーツケースという選択の仕方が多かったようです。
最近はソフトスーツケースはより頑丈に、ハードスーツケースはより軽量に作られるようになり、両者の差がなくなってきているといわれています。
ソフトスーツケースよりも需要が高く種類も豊富なハードスーツケースについて調べてみました。
素材
ハードスーツケースに使用されている主な素材は、プラスチック樹脂、ジュラルミン、カーヴの3つです。
プラスチック樹脂
最も一般的なハードスーツケースの素材はABSとポリカーボネートです。
以前はABSのスーツケースが主流だったようですが、最近ではより耐衝撃性の高いポリカーボネートのものが増えているようです。
ABSもポリカーボネートも耐衝撃性、難燃性、耐熱性に優れた素材です。
ポリカーボネートのほうがABSよりも若干重量があるものの、高い耐衝撃性を保ったまま薄く加工できるという特徴があります。
そのため同じ重量で比較した場合にはポリカーボネートのほうがより薄くて頑丈なスーツケースになるということです。
薄くて軽くて頑丈と三拍子揃ったポリカーボネートにも欠点があります。
厚みがないためにペコペコとへこんでしまうという点です。
へこんでも壊れないなら問題ないと思う人もいるかもしれませんが、実際に使用してみると大変な問題になることがあります。
へこんでもスーツケースは壊れませんが、へこみによって中の荷物にダメージが生じてしまうことがあるのです。
旅行の場合、荷物の大半が衣類なのでそう問題にはならないかもしれませんし、スーツケースが破れて中身が飛び出してしまうよりはマシかもしれません。
けれど、中身によっては留意すべき欠点となるでしょう。
ペコペコとしたへこみがきになる場合には、重量は重くても厚みのあるABSがおすすめです。
ABSとポリカーボネートの両方が使われたスーツケースも作られているようです。
価格的にはABSよりもポリカーボネートのほうが高額です。
中にはポリカーボネート100%でも安価なものもあるようですが、不純物が混じったりして強度が落ちたものもあるようです。
信頼できるメーカー品を選ぶのがおすすめです。
金属
ジュラルミンは軽量のアルミニウム合金です。
金属ですからその強度はいうまでもありません。
金属だから重いと思いきやそんなこともありません。
金属だから丈夫なのに薄くて軽いのがジュラルミンのスーツケースです。
「それなら迷わずジュラルミンのを買おう!」と思うところですが、大変高額なのが難点です。
カーヴ
カーヴはポリプロピレンを何層にも重ねたもので、有名なアメリカの大手、サムソナイト製のスーツケースのみに使用されています。
ポリカーボネート同様、軽量で頑丈ですがペコペコとへこみます。
価格も含めて総合的に考えた場合、スーツケースの素材としては、ポリカーボネートがおすすめといえそうです。
開閉部分
スーツケースを開け閉めするときの開閉部分にも2種類あります。
ファスナーで開け閉めする「ファスナータイプ」と機械式のレバーなどで開け閉めする「フレームタイプ」です。
フレームタイプは金属製のフレームの重量があるためファスナータイプよりも重くなってしまいます。
少しでも軽いものをとファスナータイプを選択する人も多いようですが、ファスナー部分から雨水などが侵入することがあったり、ナイフで切ってしまえば簡単に開けられてしまう心配があります。
海外などへ行く場合には、重くてもフレームタイプのほうが防犯の面でも安心かもしれません。
フレームの材質
フレームには、マグネシウム、アルミニウム、スチールなどが使用されています。
マグネシウムが最も丈夫で軽量ですが、価格が高いというのが難点です。
逆にスチールは安価ですが重くなってしまいます。
価格と丈夫さの点からアルミニウムが使用される場合が多いようです。
フレームの形
フレームには、ボディの表面とほぼ変わらない位置にあるものと、溝のようにへこんでいるものとがあります。
溝が深いもののほうが頑丈ということです。
フレームが太いとその分重量も増してしまいますが、フレームが弱いと歪みが生じやすく、スーツケースの開閉ができなくなってしまうことがあります。
適度な太さがあり、溝の深いものがおすすめです。
キャスター
スーツケースを選ぶときには見た目などばかり気にしてあまり重要視されないキャスターですが、最も重要なパーツのひとつといえます。
キャスターのサイズは大きめのものがよいといわれます。
回転数が少なくなるために摩擦を受けにくく消耗しにくいそうです。
また、大きめのほうが引く力も少なく済むそうです。
材質には軟質樹脂と硬質樹脂の2種類あります。
軟質樹脂のほうが摩耗や劣化が激しいもののクッション性や操作性に優れているそうです。
荷物を転がすときに思うように転がせないのは非常にストレスです。
購入の際にはお店の人に許可をいただいて、操作性を試してみるのもよいでしょう。
キャスター以外にもロックや内装の収納部分など、スーツケースによって様々な違いがあります。
実際に使うときのことを頭の中でシミュレーションしながら、使いやすさなどを考えて選ぶことがおすすめです。
どれも同じに見えて自分では判断できないことも多いはずです。
疑問やわからないことは遠慮なくお店の人に質問したり実際に操作させてもらったりして、納得のできる1台を購入しましょう。
これから何年もの間旅のお供となるスーツケースです。
楽しい思い出をたくさん詰め込めるように、失敗のないものを選びましょう。
まとめ
全体にいえることは、価格と品質は比例しているということです。
価格の高いメーカー品は品質も保証されています。
同じように見えるものでも安価なものには劣悪品が多いようです。
そう何度も使用するものではないかもしれませんが、スーツケースの購入は旅行費用の一部と考えて、ある程度の価格のものを選んでおくのが無難といえます。
お気に入りのスーツケースでこれからの旅を楽しみましょう!