日本の警察官の活躍を描いた邦画ベスト3ランキング

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1990年代以降日本の推理小説界では警察小説といわれるジャンルで充実した作品群が続々登場して多くの読者を獲得しています。


従来の推理小説のような私立探偵や素人探偵が主人公の小説よりもリアリティが高く、警察内部の組織を綿密に取材調査してあり、一般市民から見るとかなり特殊な世界と感じられる警察機構と警察官の姿がサスペンスフルに描かれているからではないでしょうか。


そんな警察小説の映画化作品で見どころタップリな映画を紹介したいと思います。





第1位:「半落ち」(2004年)

半落ち
横山秀夫原作の小説は直木賞選考会でひと悶着あって横山が直木賞に絶縁宣言を出したいわくつきの作品。


しかし読者には支持されて様々なミステリー賞で首位を獲得したベストセラー小説です。


横山作品は元上毛新聞記者という経験と取材力で警察組織と警察官の心の揺れを丹念に描くことで定評があって、読者の評価も高い良作が多いのが特徴です。


ヒューマンドラマ系の警察小説です。


アルツハイマー病の妻(原田三枝子)を殺して自首した元県警警部梶聡一郎を寺尾聰が好演。


柔和な表情で静かな語り口が魅力です。


ひたむきに隠し続ける空白の2日の謎が知りたくなって観客は映画に引きずり込まれます。


ああ、この犯人やっぱりいい人だったんだと最後は納得できる演技です。


俗物的ですが、自分の保身に汲々とする植松弁護士役の國村隼と鈴木検察事務官役の田山涼成がいい感じです。


「そうだよなあ、理想ばかりじゃ食っていけないよね、ましてやあの年代だったら」と身につまされちゃう演技です。






第2位:「眠らない街〜新宿鮫〜」(1993年)

眠らない街
原作は大沢在昌を一躍ミステリー小説界の晴れ舞台に立たせた小説「新宿鮫」。


その後の警察小説の隆盛をもたらした一作と言っていいでしょう。


その後新宿鮫シリーズは10作以上刊行されます。


ハードボイルド路線の警察小説です。


新宿署の鮫島(真田広之)は国家公務員試験を通過して警察庁に入庁したキャリア警察官。


入庁後、警察庁警備部・警視庁公安部とエリート街道を進みますが、警察内部の重大な暗部の情報を入手したことから上層部から疎まれ現在は新宿署の防犯課という閑職にいます。


しかし暴力団からは恐れられると共に敬意を抱かれ鮫とよばれている存在。


警官が2人射殺され、銃の密造犯木津(奥田英二)を追う鮫島は逆に監禁されることに・・・。


真田広之が原作の鮫島像を忠実に演じています。


同性愛の犯罪者木津役を奥田英二が好演、監禁した鮫島をいたぶる場面がかなりねっとりした演技で雰囲気充分です。


鮫島の恋人晶役は田中美奈子。


もと不良のロックバンドボーカリストという設定、ショートカットで革ジャンの尖った女性役がはまってます。


第3位:「劇場版MOZU」(2015年)

劇場版MOZU
孤高の倉木公安警察官の戦いを描いて人気の逢坂剛原作の「百舌」シリーズの最終版。


TBSドラマで好評を得たのでその完結版として劇場版ができました。


警察内部の権力闘争といった社会派的要素を基盤に謎解き・アクション・ヒューマンドラマも加えたてんこ盛りの映画です。


それだけに原作小説を読んでない人はストーリーの展開を追うのに苦労するかも知れません。


倉木を演ずる西島秀俊がはまり役で、感情を抑えた演技がいいですね。


妻子を失って警察内部をはじめ誰も信用できない孤高の公安警察官の雰囲気がよく出ています。


それにしても公安警察官ってつらい職業だなと感じさせてくれます。


倉木に反発と共感を覚える大杉刑事役は香川照之、下積み刑事で清濁併せ呑むガラッパチ刑事が似合っています。


他には北野武が犯罪者集団の影の大物ダルマ役、お公家様顔の小日向文世がとらえどころのない津城警視正役を演じています。


倉木に思いを寄せる明星美希役の真木よう子がかわいいです。


まとめ

推理小説を下敷きとした映画で名探偵を主役としたものは1970年代の金田一耕助シリーズが角川映画からでてけっこうヒットしましたが、それ以降はあまりめぼしいものは無いですよね。


あってもお子様向けのアニメの「名探偵コナン」シリーズとかだけ。


そんな状況のなかでも警察官を中心に据えた映画は一定程度の成果を出しているといっていいんではないでしょうか。







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