どこか不器用な生き方をしていしまう女性が美しい邦画ベスト3ランキング

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映画のヒロインというのは、いろんなパターンがあると思うのです、例えば「悲劇のヒロイン」や「スーパーな活躍をするヒロイン」とかいろんなパターンがあると思います。


今回は、不器用だけど一所懸命にいきている主人公が派手な自己主張をするのではないですが、その生き方と併せて「何となくだけどしっかりと美しい」映画を選んでみました。





第1位:「繕い裁つ人」

繕い裁つ人
三島有紀子監督の作品で主演は中谷美紀さんです。


とにかく全編を通して、中谷美紀さん演じる市江は全編を通じて激しい演技等はなくある意味淡々と進んでいくのですが、その何気ないストーリー展開のなかで女性の美しさが内面からにじみ出てくるような映画です。


主人公の市江は、小さな洋裁店の2代目で、町の人たちに慕われていた偉大な祖母の影響下から抜け出ることができなくて、ただただ毎日丁寧に洋服の手直しや少しの新作だけを作っていきていっているのですが、それがいくつかの出会いを通して、自分らしい洋服づくりを自分に許していくというお話です。


自分らしい洋服づくりといっても、決してカリスマデザイナーとかそんなのではなくて、その洋服を着る人の人生を長い間ゆっくり包み込むような洋服をつくっていくのです。


そのストーリーをそのまま表現したような美しさを中谷美紀さんが出してくれています。


自分の中の葛藤も決して外にだすことなくその洋服作りのように丁寧に生きていき、そして、新たな自分の人生へ踏み出すにしてもいつもどおりに生きていく、そんな美しさが描かれています。






第2位:「幸せのパン」

幸せのパン
これも三島由紀子さんの監督作品です。


主演は原田知世さんで、それによりそうようにさせるのが大泉洋さんです。


物語は北海道が舞台なのですが、原田知世さん演じるりえと大泉洋さん演じる尚は、パン屋とペンションを営んでいます。


尚が作るパンにりえが美味しコーヒーを淹れたり心が温まるかのような料理を作っています。


そこを訪れる人たちを通じて、りえと尚の2人も大切なものにであう、気付くというお話です。


りえは都会での無理に笑わなければいけないような生活や家族を失ったこと等に疲れ果てていたのですが、そんなりえに尚が静かに寄り添うように生きていくのです。


そんなある種不幸な部分を背負っていてもりえと尚は決して、周りのせいにしたり、嘆いたり悔やんだり恨んだりすることなく、毎日毎日、心を込めたパンやコーヒーや料理をつくることで過ごしていく姿がとても心に沁みてきます。


そして店を訪れる人たちのために心を込めたしかし決して押しつけがましくない「もてなし」をしていきます。


そんな生き方をしている女性をこれまた押しつけがましくなく原田知世さんが演じてくれています。


第3位:「小さいおうち」

小さいおうち
これは、山田洋次監督の作品で、黒木華さんが主演です。


第二次大戦の頃を描いた作品で、地方から女中としてででてきた黒木華さん演じる主人公のタキが、奉公先の小さいおうちで繰り広げられる物語を回想シーンとして、孫に知らせるという映画です。


タキの奉公する家の奥様時子を演じるのは松たか子さんで、この映画では珍しくちょっとダメな部分もある女性を演じています。


物語は平和に暮らしていた小さいおうちに戦争の影とともにやってきた主人の部下がもたらした出来事とそれに心を痛めるタキがとる行動がメインになるのですが、今では考えられないような地方から都会に奉公にでてきて、女中としてその家のために人生を捧げていくという女性の姿が描かれています。


そんな人生のなかでも、静かにしかし強く生きていく女性の姿を黒木華さんの演技の特徴でもある抑え目な感情表現で演じてくれています。


今から考えると不幸な時代の不幸な境遇なかでも淡々といきていく姿というのは現在では賞賛はされないのかもしれませんが、やはり「美しい」と感じてしまいます。


まとめ

それぞにの映画に共通する人物像は、自分の不幸や境遇を嘆いたりすることなく、毎日を懸命にそして丁寧に生きている女性達です。


現状を打破して「なんとかしよう。」と力を振り絞るって頑張るというのも「頑張り」であり「強さ」だと思いますが、いろんなものをありのままにうけいれつつ自分のできることを丁寧に丁寧にしていきていくというのも「頑張り」であり「強さ」だと思います。


私はむしろ、後者の方に心が惹かれます。


そんな女性像を美しく描いた作品を紹介させていただきました。







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