“イイ真ん中分け”出してる!邦画ランキングベスト3

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全国津々浦々の断崖絶壁を撮影し、その中の選りすぐりのモノに対して「イイ崖出してる!」と評していたのは、かの有名なみうらじゅん氏でありますが、それと同じ文法でわたしは古い映像(主に高度経済成長の頃)に登場するロングヘアの女性の、あの時代特有の真ん中分けをみると「イイ分け目出してる!」と思わずつぶやいてしまうのです。


と、いうことで今回はそんな「イイ分け目」が堪能できる邦画のランキングを紹介しちゃいます。


みなさんにも、分け目のおすそ分けです。





第1位:「夏の妹」

夏の妹 [DVD]

「そうよ、スータン」「だめよ、スータン」と映画鑑賞後に誰もがスータンこと主役の素直子(すなおこ。


演じているのは栗田ひろみ)を呼ぶ、桃子先生(演じるのはりりィ)の声マネをしたくなること請け合い。


さてこの映画は返還前の沖縄を舞台に繰り広げられる恋のさや当てと見せかけてアメリカ、日本、そして本土と琉球の関係性がテーマだったりするのですが、それはさておき、イイ分け目出しているのは主演の二人。


リリィの脱色された(もしかしたら地毛があんな色?)栗色の真ん中分けと、映画の中でのキャラ通り(生まれたまんまのバカ正直)の、つやつやでまっすぐ、段をいれるような小細工をしてない栗田ひろみの黒髪真ん中分けロングヘアー。


髪型ってファション同様その人の“外見”を構成する一部ですが、被服より仕草に近いというか地の部分が出やすい部門なんじゃあないかと思います。


だからリリィのちょっと加工されたような無造作なロングヘアーは自分を一番セクシーに見せる方法を知っている女のそれだし(役柄もそう)、引き換え栗田ひろみの真ん中分けは、他人の分までおやつのドーナツを食べそうな(そんなシーンないけど)無邪気で素直な女の子の髪形として至極妥当な気がします。






第2位:「旅の重さ」

旅の重さ

本題と関係ないのですが、まず言いたいこと。


この作品に出演している若いころの三國連太郎がちゃんと佐藤浩市にそっくりで安心しました。


はい、本題。


身持ちの悪い母の下を離れて女子高生の高橋洋子は放浪の旅へ出ます。


この高橋洋子の黒髪の真ん中分けが不自然にサラサラではなく、若い汗と埃と、それから当時のシャンプーの香り(エメロンか花王フェザー、もしくはメリットだな。


で、リンスはお湯でといて使うタイプのやつ)が混在してそうな当時の若者のリアルなべたつき具合なのです。


途中旅の一座に同行して、そこの姉さま方(確か、横山リエとレオナルド熊の嫁さん)と海で水浴びしたり、ひとりで民宿に泊まるシーン以外入浴らしい入浴はしていなかったから、まあそうなるわな。


放浪姿が学校の体操服っていうのもなんだかリアリティがあって、当時の十代の放浪は、シャワー、冷暖房完備の漫喫を拠点とした今の十代のプチ家出的な出奔とは違った、ストイックでお遍路に近い精神への旅だったんだなぁと思います。


どっちもダメだけど。


第3位:「バージンブルース」

バージンブルース

野坂昭如ちゃんのテーマソングにのって、何がどう間違えればあんなにエロくて若くてかわいい予備校生(秋吉久美子)がギトギトして情けないジジィ、長門博之(津川さんですらないんだもの。

)と心中まがいの顛末に陥るのか?が描かれる作品。


知らないおじさんと知らない場所へ(温泉街とか)旅をすれば夜にはホームシックになってうまいこと行くのかしら?さて、この作品での秋吉久美子は横にぴっちり分けた髪をピンで押さえています。


ぴっちり分ける、きっちり止める、という選択肢はゆるふわ・こなれ感がキーワードの昨今では考えられない選択肢なんでしょうね。


また、資生堂のポスター前に立つシーンが確かあったのだけれど、ポスターのモデルのメイク(チークきつめ、眉は細めのアーチ型、もちろんつけまつげ着用)と秋吉久美子のお化粧のしてなさ加減(ドーランぬりっぱなし、口紅もなんか肌色)が対照的でした。


今じゃ読者モデルなんて人たちがいて、雑誌やCMの世界と日常生活とのボーダーはなくなりつつありますが、この時代はまるで違う世界だったのかな、と時代を感じた一瞬でした。


まとめ

いかがです?ぱっつん前髪もいいけど(ところで最近よく聞くバングってなんですか?)思わず衝動的に前髪を伸ばして真ん中から分けてみたくなったでしょう?だけど、どうもこの髪型は大変顔だちや輪郭を選ぶようで、あまり特徴が無い薄い顔(化粧が映えるような)か非の打ちどころのない完璧な美女じゃないと現代には通用にしない感じが。


わたしも黒髪真ん中分けにチャレンジしてあえなく撃沈しました。


桜散る。


まあ、そのイモくささがレトロ風味に昇華できればこちらのモノです。


がんばってみっか。






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