人間ドラマの深い戦争映画ランキング

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映画界でヒットする戦争映画といえば、勇敢な兵士が銃や乗り物で武装し、次々と敵をやっつけていく…というアクション要素の強いものが多い傾向があります。


しかし、中には戦闘シーンよりも、戦争という特殊な状態における人間ドラマを深く描いた作品も存在します。


今回はそのような映画の中で、筆者が感銘を受けた作品を紹介していきます。





第1位:「地獄の黙示録」

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原題は「Apocalypse Now」。


1979年公開のアメリカの映画です。


タイトルは知っている、という人はかなりいるのではないでしょうか。


ベトナム戦争において、米軍大尉の主人公は、かつて特殊部隊で優秀な戦果を挙げながらも軍を強引に離脱し、南アジアの奥深くに自身の「王国」を作った男を暗殺する命令を受け、数人の部下とともにボートで川を上り「王国」に向かいます。


この映画の特徴、それは、戦争という限界状況において「享楽」「狂気」が描かれていることです。


また戦争映画にしては珍しく、ボートで川を移動し道中で様々な人や出来事に遭遇するという、ロードムービーの形態を取っています。


前半にベトナム兵の村を攻撃する派手な戦闘シーンがありますが、それ以降はむしろだらだらと、ロードムービーとして様々な出会いが続くので、家族やカップルで楽しんで見られるような内容ではとてもありません。


しかも描かれるのは、爆撃とヘリによる奇襲の中サーフィンをする兵士や、プレイガールに群がる兵士の男たちの乱痴気騒ぎ、ドラム缶の燃料を引き換えにプレイガールを抱く主人公たちなど、どちらかというと男の本能全開のシーンです。


しかし、要所要所に組み入れられた主人公の独り言による回想や、映画全体に漂う「けだるい」雰囲気は、アメリカが当時抱えていた闇を鋭く描いてみます。


おすすめは、お酒を飲みながら一人でじっくりと鑑賞する見方です。


話が重いのでできれば、休日の前日の夜に見たほうがいいと思います(笑)



第2位:「戦場のピアニスト」

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原題は「The Pianist」2002年のフランス、ドイツ、ポーランド、イギリスの合作映画です。


タイトルの通り、第二次世界大戦時のヨーロッパ戦線における、一人のユダヤ人ピアニストが舞台です。


主人公は無力なピアニストであり、ユダヤ人としてナチスの迫害を受けゲットーに入れられたり、飢えた状態で戦闘に巻き込まれつつ瓦礫と化した都市をさまよいながらも、何とか生きながらえます。


この作品の良いところは、戦争の悲惨さとユダヤ人迫害の恐怖が一人の無力な市民の観点から描かれていることです。


一般市民のユダヤ人である一人の男性が運と周りの人の協力によって生き残っていき、全編通して第二次大戦時のヨーロッパの戦争風景を主人公の視点で見ることで、戦争の悲惨さをまさに体感することができます。


そして、この映画を見たあなたはきっと、こんな悲惨なことに巻き込まれたくない!と思い、一応は平和が保たれている今の日本の、さらなる平和の進歩を願うことでしょう。

第3位:「ブラックホーク・ダウン」

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原題は「Black Hawk Down」。


2001年のアメリカの戦争映画。


あの有名なリドリー・スコット氏が監督を務めています。


この映画は全編派手な戦闘シーンで構成されています。


アメリカの戦争映画によくある、英雄的でヒロイックな軍人というよりは、カジュアルで一般の青年に近い現代の軍人たちが戦いに巻き込まれていく様子が描かれます。


この映画の良いところは、ライフルやマシンガン、ロケットランチャーといった現代兵器による恐怖を、生身の兵士の観点から描いていることです。


破片が服の中に入り込んで熱い!ともがき苦しんだり、ロケットの爆発に巻き込まれて半身がなくなったり、銃弾を受けた兵士を麻酔なしで手術したり…と、「痛い」描写が盛りだくさんです。


多くの男たちが戦場に赴き、生き残ろうと必死に協力して戦う姿、想定外の連続で次第にぐだぐだになっていく戦況、そしてこの作品は敵が軍や兵士というよりは武装した一般市民なので、多くの市民と殺し合う悲惨さを体験することができます。


ただ難点をいうならば、群像劇に近いので次々と登場人物が入れ代わり、見る側としては混乱しやすい点があります。


筆者も、一人一人まではさすがに覚えきれずに見ています。


逆にいえば、戦争という一つの事象を多角的に見ることのできる映画です。

まとめ

以上、人間ドラマにスポットを当てた戦争ドラマを紹介していきました。


一人の市民や軍人の視点で見ていけば、いかに戦争という物事が悲惨で、繰り返さないよう努力するべきものなのか、が実感できると思います。


筆者はこれまで50本はゆうに超える戦争映画を見てきました。


レンタルビデオショップに行けば、この他にもまだタイトルも知られていないようなマイナーな戦争映画がたくさんあります。


もし見る映画に迷ったなら、ぜひ戦争映画コーナーを見てみてくださいね!