電子タバコの有害性とは?3大機種とVAPEについて分かっていること

iQOS(アイコス) ネイビー

電子タバコに乗り換えると健康被害が抑えられる…。

近未来的でおしゃれなフォルムも相まって、乗り換える人が増えています。

しかし実際のところ、電子タバコの安全性にはまだ疑問符が残っており、今後の検証が待たれます。

現在まで報告されている内容を踏まえて、3大機種とVAPEの特徴とともに、リスクに関する考察を進めていきます。



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IQOSとグローは「低リスクタバコではない」

よく知られている3つの電子タバコのなかで、IQOS(アイコス)は国内シェアの15%を占めています。

次点でグローですが、こちらはヨーロッパを中心に世界展開を始めるとのこと。

この2種類のタバコに共通するのは、「加熱式」という方式です。

有害性の解説の前に、加熱式の電子タバコの仕組みを述べていきます。

加熱式の電子タバコとは何か

コンビニで入手できるヒートスティックですが、この本質は紙巻きタバコと変わりません。

フィルターやタバコ葉の層も同様で、それぞれの純正機種に合うようにサイジングしてあります。

300度以上に急速加熱したプレートでヒートスティック内のタバコ葉をあたため、その力で煙を出す…というのが加熱式電子タバコの仕組みです。

燃焼していないためタール・ホルムアルデヒドなどの物質が8〜9割もカットできるといのことですが、依然としてタバコ葉による害には気を配る必要があります。

米国では販売許可が降りていない

IQOSの生産元は、米企業のフィリップモリス。

しかしその売り上げは、日本に局所集中しているしているとのことです。

なぜ本場の米国で売れないのか…それは至極単純で、2018年現在も国の認可が降りていないのです。

米国食品医薬品局(FDA)が有害性を指摘しており、販売許可を出していないというのが具体的事情です。

そもそも米国の医学会は、加熱式電子タバコには否定的。

その理由として、加熱式電子タバコを数年〜数十年連用した場合の臨床結果が出ていないからということが挙げられます。

2018年1月のFDAの報告によると、「IQOSの使用は健康被害のリスクを減らすものではなく、これまで紙巻きタバコであったリスクを別の方向へと向けるもの」だということ。

発ガン性化学物質であるホルムアルデヒドも検出されており、普及し始めたばかりの今はなんとも言えないというのが本音のようです。

ただし、加熱式電子タバコに対するムードは、ヨーロッパ諸国と米国で真っ二つに割れています。

ヨーロッパは加熱式電子タバコの普及を歓迎しており、環境にも十分に配慮できるとして受け入れ態勢を整えている状況です。

ヨーロッパメーカーのヒートスティック販売も、タバコマニアの間で期待されています。

リスクがあることを十分に理解した上で、タバコの味をしっかり楽しみたい人に加熱式電子タバコはおすすめできると言えます。



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プルームテックは「リスク低めで味重視」

プルームテック、は国内シェアが飛び抜けて低い機種です。

販売している都市が限られ、生産量も少ないことからも状況がうかがえます。

電子タバコのこれからを考える上で、プルームテックと他の電子タバコは仕組みの違いを押さえましょう。

正確にはリキッド式電子タバコ

プルームテックの「たばこカプセル」は、それ自体を加熱するわけではありません。

本体に装着するカートリッジ内のリキッドを気化させ、タバコ葉の層をくぐらせることでニコチンのアタック感を感じられるというものです。

熱を入れることで出やすいタール・ニコチンの量は、他2機種よりも低いというのがメリットです。

普及していない理由と有害性は無関係

生産元であるJTは、電子タバコの低リスク性を謳うのではなく、あくまでも味を追求するという姿勢をとっています。

世界のタバコメーカーの買収・資本提携を続けており、プルームテックについても何度かマイナーチェンジを繰り返して味の研究を惜しんでいないのが特筆すべき点です。

嫌煙ブームを受けて「あえて普及を促さない」という販売上の戦略であり、紙巻きタバコシリーズにリトルシガーリバイバルを起こすなど、変則的なアプローチが見られます。

2018年2月に、加熱式とプルームテック次世代機の両方を展開すると公表され、いよいよ本格的に味重視という売り込みを始めるのではないかと期待感を示す声も。

流通している他の電子タバコの有害性報告をどう受け止めるのか、注目の集まる機種です。

VAPE

原則としてニコチン・タールレスで、さまざまな味をつけたリキッドを気化させて楽しむ電子タバコです。

各国の薬事法を通過すれば販売できるため、タバコ税はかかりません。

ハリウッドスターに愛好家が多く、日本でもフレーバーを生産するメーカーが隆盛しています。

高濃度のホルムアルデヒドに注意

残念ながら、一部のVAPE機種で高濃度のホルムアルデヒドが検出されています。

しかしその報告はあとで修正され、「出力を強めすぎた時に限る」と述べられています。

爆煙を希求して無理な設定をするのは、絶対にやめましょう。

分かっていないことが多い

食品添加物であるプロピレングリコール(PG)・植物性グリセリン・水の3種で構成された煙であり、タバコ葉を使った電子タバコのような害は考えにくいのが目下のところです。

しかし、PGには異論が唱えられています。

「PGを呼吸器で取り込み続けた結果どうなるのか」という臨床結果はまだ出ておらず、人体への影響はほとんどわかっていません。

犬や猫の呼吸器には害を及ぼすと、一部では言われています。

VAPE愛好家でペットを飼育している人は、分煙を徹底しているとのこと。

また、消耗費であるコイルについてもさまざまな意見が唱えられています。

コイル内部にはコットンが入っており、これに染み込ませたリキッドを加熱により気化するという仕組みですが、コットンが燃えて炭化することがあります。

炭化したコットンには発ガン性があり、吸引するのは大変危険。

しかしVAPE初心者には、コットンの炭化はコゲ味がするまで分かりづらいのが実のところです。

そのため、知らず知らずのうちに有害物質を多量に吸い上げる可能性は否めません。

タバコに一手間かけることを楽しめるかた、使用法をしっかり学べるかたにVAPEはおすすめできます。

結局どれが安全なのか

絶対に安全と言い切れる電子タバコは存在しません。

味重視か・リスクはどのように指摘されているのか・コストはどのくらいかかるのかを総合的に判断して選ぶのが、上手な付き合い方と言えます。

健康第一で考えるとすれば、禁煙や電子タバコへの完全切り替えではなく、減煙するという考え方が最もよいと言われています。

タバコによる死亡リスクも、タバコだけが原因ではなく、他の生活習慣と相まって高くなるということを主張する医師もいるので、それも踏まえた上で方針を定めると良いでしょう。

これからより安全な機種・有害物質をカットして味わいを高めた機種が発売される可能性もあるので、各タバコメーカーの動向をチェックしておくのもポイントです。

まとめ

電子タバコは紙巻きタバコの有害性を完全に払拭するものではないこと、別の健康被害が懸念されること、この2点は必ず抑えておきましょう。

まだその歴史は浅いので、今持っている機種・これから乗り換えようとする機種にこだわらず、最新の情報を追いかけていく必要があります。

使い方は間違っていないか、体に違和感がないかなどをしっかりと確認しながら付き合うことが肝要です。