BCAAという言葉を初めて知った人に向けて、BCAAについて知ってほしい4つのこと
みなさんはBCAAという言葉を聞いたことがありますか。
積極的に運動をしているような方は聞いたことがあるかもしれません。
このBCAAですが、本気で運動している人だけではなく、体の筋肉が衰えないようにちょっとした運動をしようという人にもおすすめのものなんです。
このBCAAという物について、その性質や効果を紹介していきます。
BCAAとは
BCAAは、栄養素であるアミノ酸になります。
では、このBCAAとはいったいどのような栄養素なのでしょうか。
なぜ、これほどまでに注目され、摂取することを推奨されるのでしょうか。
BCAAってどんなもの
BCAAは、アミノ酸の中でも、必須アミノ酸と呼ばれるものに分類されます。
この必須アミノ酸とは、タンパク質をつくるアミノ酸の中でも、特に人間の体内では十分な量を合成できないため、食事などから摂取しなければならないもののことを言います。
この必須アミノ酸の中でも、バリン、ロイシン、イソロイシンと呼ばれる3つのアミノ酸は筋肉のエネルギー代謝や合成において重要な働きをしています。
そのため、筋肉へ働かせるために特別に摂取することがあるのです。
この3つのアミノ酸は、分岐する構造を持っています。
そのため特別に、BCAA(Branched Chain Amino Acid)もしくは分岐鎖アミノ酸と呼ばれています。
一概にBCAAといっても、この3種類をバランスよく摂取しなければ、それぞれの効果が落ちてしまったり、体重が増加してしまったりなどの悪影響も出てきます。
バリン
バリンは主に筋肉の代謝で利用されます。
タンパク質の合成や肝機能の向上、血液中の窒素バランス調整といった役割をしています。
日常的に摂取するような食品に含まれているため、健康的な食生活を送っている場合には不足することは少ないです。
ですが、他の2つが不足してしまうと、その働きが弱まってしまいます。
ロイシン
ロイシンには、タンパク質の合成や肝機能の向上、筋肉強化といった役割があります。
バリンと同様、幅広い食品に含まれているので、不足することは少ないです。
イソロイシン
成長促進や血管の拡張、肝機能の強化、筋肉強化、神経の働きのサポート、疲労回復などと幅広い役割を果たしてくれています。
他の2つに比べて含まれている食品が少ないので、摂取には注意が必要です。
BCAAの効果
私たちの体に対してアミノ酸はタンパク質を作ったりするだけではなく、他にもさまざまな恩恵を与えてくれています。
その中でも特にBCAAは、特に筋肉や持久力に対して影響を与えてくれます。
具体的にその効果を紹介していきます。
筋肉への働き
BCAAには、摂取すると筋肉を生成するタンパク質が合成されるのを促進させる効果があります。
特に、若い人に比べて筋肉がつきにくくなってしまったような方は、摂取することによって若い人と同じように筋肉を生成しやすい体内環境にすることができます。
また、筋肉が分解されてしまうのを抑制する効果もあります。
怪我などで運動できずに休んでいる際に、通常であれば筋肉量が減少していきます。
けれども、BCAAを摂取することで、筋肉の分解が抑制され、筋肉の衰えをゆっくりにすることができます。
そのため、怪我の際には無理に運動するのではなく、BCAAを摂取しながら体を休めることができます。
持久力のアップ
運動の際には、炭水化物や脂肪だけでなくアミノ酸もエネルギーとして使われています。
BCAAはエネルギーになりやすい性質をもっているので、体内のグリコーゲンがなくなってしまった時に効果的に使われます。
また、BCAAがエネルギーになる際には脂肪を燃焼させることで、より高いエネルギーが得られるようにしています。
体脂肪の燃焼
先に書いたように、BCAAには、エネルギーとして使われる際に脂肪を燃焼させる働きがあります。
また、過剰な食欲を抑える効果もあるため、体脂肪の原因となる余分な食事も抑えることができます。
BCAAの摂取について
運動など筋肉を使った後に働いてくれるBCAAですが、どのタイミングで摂取すればよいのでしょうか。
同じようにトレーニング時などに飲むプロテインと同じなのでしょうか。
また、その際の飲み方や量などに注意点はあるのでしょうか。
BCAAの摂取について解説していきます。
タイミング
BCAAは、摂取してから30分~60分ほどすると血中濃度が最大となり、効果が最も現れるようになります。
そしてその後ゆっくりと減少していき、2時間ほどすると元の状態に戻ります。
そのため、運動の前に摂取しておくのがおすすめです。
特に長時間の運動やエネルギー消費の激しいような強い運動を行う場合には、体内のエネルギーが不足してしまい、エネルギーを得るために筋肉を分解し始めてしまいます。
そのため、それを防ぐために事前に摂取し、血中のBCAA濃度が高まってから運動を始めるのがおすすめです。
同様の理由で長時間の運動を行う際には、運動中にも可能ならば最低でも60分程度以内に摂取することで、体内のBCAAの濃度をキープすることができます。
量
運動などを気にしない場合には、普段の食事から摂取できる分で十分なので特に摂取する必要はありません。
筋肉などへの効果を期待する場合には、それ以上の量の摂取が必要となります。
筋肉への効果を与えたい場合には、目安としてはその人の体重1kgに対して0.1gとなります。
そのため、体重50kgの人の場合は5g、体重75kgの人は7.5gとなります。
ですが、これより少なくても、摂取した分は効果が表れるので、必ずこれだけの量摂取しなければならない、というわけではありません。
飲み方
BCAAを飲む際には、水やジュースであれば自由に飲んで構いません。
ですが、プロテインとは違い、牛乳で飲むことは推奨されていません。
牛乳にはトリプトファンが含まれています。
BCAAはこのトリプトファンと相性が良くないのです。
そのため、BCAAを摂取する際にはトリプトファンが含まれていないもので飲みましょう。
BCAAを摂取できる食べ物
食べ物からBCAAを摂取しようと思った際に、どのようなものを食べるとよいのでしょうか。
どれだけ食べれば必要な量摂取することができるのでしょうか。
また、運動などを意識した際には、どんなものを食べれば、より効率的にBCAAを取り入れることができるのでしょうか。
BCAAを食事から摂取する際の注意点
BCAAは3つのアミノ酸の総称になります。
体内に取り入れる際には、この3つの内取りやすいものを摂取すればよいというわけではなく、3つをバランスよく摂取する必要があります。
理想的な比率は、バリン:ロイシン:イソロイシンが1:2:1だと言われています。
これは、理想的な栄養である母乳や、BCAAを含んでいる食品をもとにしています。
3つの摂取のバランスが崩れてしまうと、それぞれの働きが弱まってしまったり、体重の減少などの悪影響が出てきてしまったりします。
特にイソロイシンは、他の2つに比べて多量に含まれている食品が限られてしまうので、注意が必要です。
BCAAを多く含む食品
BCAAを多く含む食品としては、以下のようなものがあります。
●豆腐などの大豆製品
●牛肉・豚肉・鶏肉といいた肉類
●マグロなどの魚類
●チーズ・牛乳などの乳製品
全体的にタンパク質が豊富な食品がBCAAもたくさん含んでいる傾向にあります。
特にマグロの赤身はBCAAが豊富に含まれており、100gあたりバリンが1400mg、ロイシンが2100mg、イソロイシンが1300mgで合計4800mgも含まれています。
まとめ
BCAAは運動の際には役に立つ栄養素です。
ですが、タンパク質であるプロテインとは違い、そのもととなるアミノ酸であるために、同様に摂取すればよいというわけではありません。
より効果的に作用させるために、意識しながら摂取する必要があります。
ですが、必要な人にとっては非常に重要な役割を果たす栄養素です。
効率よく摂取し、よりよい効果を得られるようにしてください。
参考URL・参考文献・根拠など
https://www.nipponrika.co.jp/amino/detail01/
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/bcaa/about/
https://www.weider-jp.com/protein/columns/detail/?id=55&category=health
https://www.dnszone.jp/
https://www.terumo.co.jp/consumer/products/foods/supply/index.html