神様はいつもそばに、カミサマアニメベスト3

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日本は八百万の神様がおわす国。


本来日本人にとっての神様とは、キリスト教の絶対神のように遠い存在ではなく、いつも身近にいる存在でした。


そんな日本人が受け継いできた神様観が表れたアニメ作品はいくつかありますが、その中でも「友達のような神様」が登場する身構えずに気楽に見られる「カミサマアニメ」を3作ご紹介しようと思います。





第1位:「かみちゅ!」

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タイトルのかみちゅとは「かみさまの中学生」という意味。


主人公の中学2年生・一橋ゆりえちゃんがある日突然神様になってしまうという物語です。


この作品の舞台は尾道市がモデルとなった架空の街。


でも実際の風景は尾道市そのものです。


作中の時代は明確にはされていませんが、様々な状況証拠から1985年前後だと推測できます。


だから、その時代に中学生・高校生だった年代の人にはかなり刺さる内容です。


筆者もその当時高校1年生でした。


見ているとその時代を思い出させるような懐かしいものがいろいろ出てきます。


この作品には、いわゆる付喪神や妖怪が出てくるのですが、神様と妖怪の境界があやふやなのもいかにも日本的。


付喪神は人間にみえず、ゆりえ様にだけ見えて、会話もできます。


10月だけ出雲の中学に転校しなければならないというのもおもしろいですね。


ゆりえ様は神様になったけれど、中身は普通の中学生の女の子のまま。


だから恋だってします。


ゆりえ様のピュアな恋物語もまたこの作品の見所の一つ。


筆者個人的に特におすすめなのが第8話『時の河を越えて』。


ゆりえ様が戦艦大和の魂が呉の港に戻ってくるのを手助けするという話です。





第2位:「猫神やおよろず」

猫神やおよろず

姿が見える八百万の神様たちが、人間と普通に暮らしている世界の物語です。


主人公の猫神・繭様は骨董店に居候しているニートな神様。


外見は猫耳少女です。


典型的な萌えアニメではあるんですが、日本人と神様とのかかわり合いを目に見える形に表現した作品です。


それはOP曲『神サマといっしょ』の「なんでもおしゃべりしてきた一番目の友達」という歌詞にも強く表れています。


ちなみにこの『神サマといっしょ』は堀江由衣さんと戸松遥さんがデュエットした貴重な曲です。


私はこの作品をもっとたくさんの日本人に見てほしい。


この作品で、「神様のおかげさま」と感謝して、神様と人間はもちつもたれつだという日本人が失っていっている気持ちを思い出してほしいです。


もちろん純粋にアニメ作品としてもおすすめ。


放送当時はあまり人気が出ませんでしたが、のんきな癒し系の日常作品で、今放送したらきっと受けるのではないかと思います。


あと、微妙に百合要素があるのもいいですね。

第3位:「かんなぎ」

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主人公の高校生・御厨仁が、伐採されたご神木から少女の姿をした精霊の像を掘り出すと、そこに産土神のナギ様が降りてきて人間の姿となります。


なんやかんやで仁とナギ様は一つ屋根の下で暮らすことになり、街に現れる「ケガレ」をナギ様が払ったり、仁が見た目は美少女のナギ様にドキドキしたりします。


形があるとそこに魂が宿るというのも日本的な感覚だと思います。


神様がケガレを払ってくれるおかげで人間が健やかに生きることができるというのは、神道の根幹をなす考え方です。


原作はナギ様の正体や仁との関わりについてちょっと重い話になったりしますが、アニメのほうはギャグ要素が強く、特に第十幕『カラオケ戦士 マイク貴子』でのスタッフの悪ノリはいい意味で徹底されていてよかったです。


ナギ様のCV・戸松遥さんが歌うED曲『産巣日の時』は、神道に伝わる「大祓」を題にとり、神様がケガレを払えば罪は消え、豊穣で安らかに生きられることを歌ったまるで祝詞のようなとても美しい曲で、私は発売と同時に即買いました。

まとめ

本来日本の神道というのは説教臭いものではなく、自然を畏れ敬い、感謝するというものでした。


近年、宗教というと変に身構える人が多いのは、カルト宗教やテロ組織のせいだと思われますが、古来より日本に伝わる素朴な信仰はそのような人を不幸にするものとは一線を画します。


そんな日本人的な心性を忘れかけている人も多いとは思いますが、ここに挙げたアニメを見て、思い出してもらえたらなと願います。







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