邦画にみる、歯がゆい女たちランキング

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嫌い、っていうわけではないし、とくに自分が害を受けたわけでないのですが、遠くから見ていると歯がゆくて歯がゆくてしょうがない女性っていませんか?そこは果敢に挑まないと乙女がすたるような場面において、あいまいに逃げてしまったり、本人は至って真剣なつもりなんだけど、冷静に見てみると自分に酔っているだけだったり。


今回はちょーと辛辣な目でそんな女性が登場する作品をランキング!



第1位:「裸の十九才」

裸の十九才 [DVD]

裸の19歳
言わずと知れた連続射殺魔永山則夫の半生を新藤兼人が監督、原田大二郎パイセンが主演。


ちょっと「なにそれ?」な演出が多くて、もしかして、すっごくひねくれたコメディなのか?と思いました。


例えば、今までの永山の悲惨な生い立ちを描写するシーンで、長姉が村の悪い連中に暴行されたため廃人になって家に帰ってくる、というエピソードがあるのですが、その芝居が揶揄でもなんでもなく幼稚園の学芸会みたいなの。


お目目をパチクリさせながら、手をバタバタしたり。


で、さらに永山が、東京に出てきてはじめて買った女が、なんだか志村けんがたまにやるおばあちゃん芸妓みたいな人だったり。


わたしにとっては、監督、それ本気?的シーンが少なくありませんでした。


ちょっとコミカルなんだもの。


さて、この作品においてわたしが歯がゆく思ったのは、乙羽信子演じる母と彼女の人間的な弱さ。


どんな境遇に置かれようとあんたがもう少ししっかりしてりゃ子はそこまで不幸になりますまい。


当時、教育を受けられなかったり社会のしくみに疎い女性って、そりゃあたくさんいたでしょうが、そういうことの結果として不幸になってしまうのではなくて、人として優先するものの順位がナチュラルにおかしいから周りを巻き込んで不幸にしてしまう感じのなのです。


ノーと言うべきところ、絶対譲っちゃダメなところをイマイチ把握していないというか、なんというか。


ああ、歯がゆい。






第2位:「やがて、春」

やがて…春 [VHS]

やがて、春
小学生のいじめ問題、またはそれを引き起こしてしまう現代の子供の心の孤独を描いた文部省推薦映画(確か)。


この映画、地味ながら役者はなかなか揃えていて、学年一の成績を持ち、美少女そして家はお金持ちといったパーフェクトなイジメグループのリーダー役に小学生時代の谷本重美(aka.小川範子)。


方言が抜けないせいでいじめの対象となってしまう山形からの転校生の少女、は、さておき、その母親役は我らがあき竹城(ex.クチャーズ)。


べつに説明せんでも勘のいい方ならお分かりだろうが父親はケーシー高峰です。


女子のイジメは精神的に、男子のイジメは肉体的にハードで、後者において一時的ではあるけれど植物状態の児童が出てしまったことからクラスのイジメが露呈したのですが、今回わたしがムカツいて、、、失敬。


歯がゆく思ったのは、そのクラスの担任の星野知子。


問題があると、泣きながら授業を放棄する系+学年主任的な男性教師にやたらと生徒との距離感について相談する系の新任女教師をみごとに演じていらっしゃいました。


そんなシーンはなかったけどさ。


なんであなたは、そんなに弱いのに、思慮が浅いのに、想像力に欠けるのに教師を志したのですか?と問い詰めたくなる演技は本当にリアルで鳥肌ものでした。


劇中では、悲劇のヒロインっぽい扱いだったけど。


第3位:「廃市」

廃市

おれがあいつで、あいつがおれで、でおなじみ「転校生」と同じく大林組の作品です。


小林聡美が、明るく健気な美少女として登場しています。


暗い、木々の緑が香ってきそうな印象的な名作です。


これはちょっと番外というか、なにが歯がゆいか、というと今まで書いてきたようなイジワルな理由ではなくて、わたしは小林さんのファンなんですが、「やっぱり猫が好き」においての知性的で風刺や皮肉が効いた現代的な女性のイメージが強かったから、この映画のロングヘアーの控えめなイメージで、なおかつ80年代の女の子特有の、なんていえばいいのか、あだち充のアニメのヒロインみたいな可愛らしい鼻にかかった喋り方が、歯がゆいというかくすぐったいのです。


さらに、そういったお芝居というかキャラクターを、ちょっとパロディー的に演じてふざける場面をその後ちょくちょく見かけるので、廃市においてのお芝居はどんな気持ちでしていたんだろうと、モヤモヤ。


ほんとのほんとは、もしかしてこんな感じの女性なのかな、と考えちゃいます。


女優に素顔なんてないのかも。


まとめ

週刊誌やワイドショーという媒体がなかなか死なないのは、結局人間という生き物はナンダカンダ言って、みんなで特定の人に対してムカついたり、モヤモヤするのが好きだからではなかろうかと思います。


今回、紹介させていただいた作品には、いろんなパターンのモヤモヤを感じさせる女性が登場いたします。


あなたも、あえて歯がゆい思い、してみませんか?




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