ニューウェーブ時代劇映画邦画ランキング
昔は多くつくられた時代劇映画ですが、2000年代になり、殆ど作られなくなりました。
代わりに、新しい趣向を凝らしたニューウェーブ時代劇映画が撮影されるようになりました。
時代劇専門の監督ではなく、色々な作品をつくる監督による、新しい観客の為の映画が出てきました。
面白い映画があります。
興味があるかたはご覧ください。
第1位:「たそがれ清兵衛」

日本の喜劇映画の第一人者、山田洋二監督の時代劇映画です。
現代の感性を時代劇の中に取り入れた、藤沢周平の短篇小説「たそがれ清兵衛」をもとに作り上げた傑作時代劇です。
日々の暮らしの追われるサラリーマン井口清兵衛(真田広之)。
母の面倒を看るためにいつもたそがれ時には家に帰宅する毎日です。
或る時上司に引きこもりでありながら、一刀流の使い手、余吾善右衛門(田中泯)を粛正せよと命令が出ます。
清兵衛はなんと、剣に秀でた達人だったのです。
しかし、武士の魂である刀は売ってしまっていた。
竹光で話し合いを申し出る清兵衛。
果たしてどうなるのか。
この作品は色々な見方が出来るまさしく名作といってよい作品です。
そして、田中泯が演じる男の凄惨な美しさが目をひきます。
二人が対峙して、戦う時の見っともなさが胸を打ちます。
生活に疲れ果てた男たちが尚も戦い続ける姿の無様さに心打たれます。
生活すること、働くこと、生きることを問い直したくなる逸品です。
第2位:「真夜中の弥二さん喜多さん」
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TV脚本から役者、舞台演出、果ては映画監督まで、稀代の才人、宮藤官九郎監督のコメディー時代劇です。
原作はしりあがり寿さんの漫画「真夜中の弥二さん喜多さん」です。
男同士ながら深く愛し合っている弥二さん喜多さんの自分探しの果てしない道中を、何でもありの世界観で描く、とてつもない物語です。
「リヤルなものはあらずや」とつぶやき、全ての救いをもとめてお伊勢さまに会いに行くことにした、弥二さん喜多さんの二人組。
途中の関所でのシュール過ぎる試練。
困難が困難だけに哄笑がとまらない作品だが、余りの哲学的命題に、見終わったあとに寒気がしてくるのです。
愛の深みにはまった二人が幾らもがこうとも、救いははじめから愛だけしかないのだろう。
ただ、大きく足を鳴らして手をたたこう。
人生は祝祭である。
フェデリコ・フェリーニの「81/2(はっかにぶんのいち)」の最後の祝祭のサークルが最後のシーンとだぶる。
漫画の方も傑作なので良かったら読んでみてください。
漫画は続編の「弥次喜多inDEEP」もあります。
第3位:「あずみ」
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ハリウッドも認めるアクション映画監督、北村龍平監督。
小山ゆうの漫画を原作にした「あずみ」はリアリズムをほとんど排除したアクションながら、主要な登場人物がほとんどいなくなるという、バトルロワイアルの趣向を持たせた残酷時代劇映画です。
爺(原田芳雄)に育てられた刺客のあずみ(上戸彩)。
他に9人の仲間が最初に殺し合いをさせられ5人に減ります。
そして爺の使命で暗殺の旅に出ます。
次々と仲間を失っていくあずみ。
そして、ついに時代劇史上初の200人斬りを決行します。
途中で出てくる、最強の刺客、最上美女丸(オダギリジョー)があっけなく殺されるシーンは、最期の殺陣を盛り上げる効果があります。
上戸彩の細腕でこれだけの人間を殺せるとは思えません。
ゲームの様な爽快感。
この映画がのちの、映画「るろうに剣心」を生んだのでしょう。
オダギリジョーがいい味をだしています。
「あずみ2DeathorLove」では初めに死んだなち(小栗旬)が出てくるので、興味のある方はご覧ください。
まとめ
今回は幅広い作風が見える、ニッチなジャンルである時代劇映画にスポットを当ててみました。
「たそがれ清兵衛」のリアリズム、「真夜中の弥二さん喜多さん」のファンタジー、「あずみ」のアクション。
最近は時代劇映画は余り作られなくなっているらしいです。
時代劇はお金がかかるのです。
これらの作品以外にも沢山の作品が出ていますので、興味のある方は見てみてください。