旅行にはキャリーバッグより普通のスーツケースが好みなわけ、体験談
今やスーツケースと言っても昔風の手提げのケースではなく、キャリーバッグが当たり前にスーツケースの主流となっています。
引き手がついて、重い荷物も楽々運べるキャリーバッグに比べると、昔風のスーツケースはどうも分が悪いようです。
しかし今でも専門店ではしっかり売られているわけで、購入者は途切れてはいません。
かくいう筆者も、実はキャリーバッグよりもスーツケース派なのです。
目次
スーツケースは憧れでもあった
子供の頃、スーツケースと言うのは格好のいい旅行用のバッグで、大人の持つものと言うイメージがありました。
まあ実際、旅行に行くのは大人でしたし、家族旅行でも荷物は親が持ってくれたのですから、当たり前の事ではありました。
それでも子供心に、普通のバッグより大きくて鍵もかかって、沢山荷物の入る旅行用のバッグは格好良さで憧れだったのです。
ちなみにこの旅行用のバッグがスーツケースと言う名前で定着したのは、それほど昔の事ではありません。
それまでは旅行鞄と呼ばれていましたし、長期旅行のお供にはトランクと言う化け物サイズのカバンが活躍していたのです。
まあこのトランクは、それこそ旅客船で世界一周などと言う、1か月クラスの長期旅行に使用するカバンでしたから、ある意味金持ちの持ち物と言った雰囲気でしたね。
自分では持ち上げるのは無理なので、当時いた赤帽さんに運んでもらうのが当たり前でした。
チップなど赤帽さんに渡すのは、これまたお金持ちの証拠と言う感じでちょっと別の世界の出来事のようでした。
しかし旅行鞄がスーツケースになった時には、これは何時か手の届く格好のいいカバンと言う認識で、何時か大人になったら手に入れようと決心したものでした。
素材も今のように多くは無く
今はそれこそ、軽量でしかも丈夫な素材の物が当たり前のように出ていますが、スーツケースがその名を広めた頃には、まだまだ素材自体も簡素なものでした。
ビニールの物がいわゆる、庶民の手に入る値段のスーツケースで、鍵は勿論ついていました。
革製の物もありましたが、こちらはやはりちょっとお金に余裕のある人の持ち物と言った感じで、自重もビニール製の物よりも重くその分丈夫でした。
旅行帰りで荷物が増えすぎて、カバンの蓋が締まり切らずに紐でくくる、等と言う事もありました。
今なら防犯面でとても出来ないことですが、まあいい時代だったと言っていいでしょう。
これにある時、海外製品から入ってきたスーツケースの素材が、あっという間にスーツケースの素材の常識を変えていきました。
サムソナイトの製品がそれです。
多少重いけれど、丈夫で多少の事では変形も壊れもせずに、形もしっかりキープ出来て中身も安心と言う、衝撃にも強い素材で出来たスーツケースでした。
新しいもの好きの筆者の父親が、早速これを購入したものです。
この新素材とこのメーカーのスーツケースは
それまで日本で販売されていたスーツケースの常識を覆すような、そんな製品が販売されたのですから、新しいものに目の無い人は早速飛びついたものです。
持ち手なども素晴らしく丈夫に出来ていましたし、多少の衝撃では壊れないと言う丈夫なボディは、一般的になってきた海外旅行にもフィットしました。
鍵もナンバーロックや普通の鍵の二重にかけられましたので、防犯の面でも進化したわけです。
ただしこの頃の通常のスーツケースに比べれば、お値段的にかなり高かったのと、自重の重さはやはり力の無い人には辛いものでした。
筆者の父親の購入したスーツケースは、筆者自身も使い倒しましたが、最後まで傷だらけになりながらも壊れることも無く頑張ってくれました。
シンプルなだけに逆に、丈夫でしっかりとした造りだったのでしょう。
内部の区分けなど便利な機能はあまりありませんでしたが、しっかりと荷物を守ってくれたものです。
その後使用したスーツケースは
父親の残してくれたスーツケースは、サイズの面で数週間の海外旅行にはいささか使用が難しく、筆者が初めて購入したスーツケースはキャスター付きのスーツケースでした。
2週間以上の旅のためのサイズで購入したので、キャスターで転がす場合でも本体の持ち手で充分かがまずに転がせたのです。
まあ背が低いのが幸いしたわけです。
これもまた、サムソナイトの製品でしたがまだ素材は軽量化されておらず、自重で7キロと言う結構重いスーツケースでした。
預け荷物の重量上限が20キロでしたので、正味入れられる荷物は13キロまでと言う事になります。
まだまだバリアフリーが進んでいなかった時代でしたので、かなり持ち上げるのは厳しかったです。
加えてこれだと、1週間くらいの旅行にはさすがに大きすぎ、重すぎ、かさばり過ぎだったのもまた事実です。
海外で購入した安物のスーツケース
海外滞在が長いと、里帰りなども年に1回は行うことになります。
その時にこの大きなスーツケースではさすがに、中身も大してないのに重いだけと言う問題が起きてきました。
なので一つ安いスーツケースを購入しようと思って、現地でビニール張りのスーツケースを購入しました。
紐が付いていて、対角線上にあるキャスターを転がせると言う、簡単仕様のキャリーバッグと言った感じの物でした。
まあ安物だったので、早晩このキャスターは壊れてしまいましたが、スーツケースとしての使用には差しさわりがありませんでした。
と言うより、スーツケースとしてはこのビニールの安物、本当に使いやすかったのです。
何しろ軽いと言うのが一番の特徴でした。
自重が軽くて、持ち手に指1本ひっかけて持ち上げることが出来るくらい、軽かったのです。
旅行の移動がかなり楽になったのは、言うまでもありません。
高価で無いのが逆にいい方に働いたのか
鍵は一応、おもちゃのようなものが付属していました。
それはまあ利用していましたが、面倒なので他に何か防犯はしていませんでした。
非常に危険に思えるかもしれませんが、10年以上このスーツケースを持って移動を繰り返していましたが、1回もトラブルはありませんでした。
あまりに安物に見えたので、貴重品は入っていないと思われてのことかもしれません。
ある意味、究極の防犯になるかもしれませんね。
最後の辺りでは表の生地が破れたので、ガムテープを貼っていたほどの貧乏主張でしたから、まあそれもありだったのかなと今でも思っています。
軽くて安物で、適当に補修して10年持ってくれたこのスーツケース、本当に壊れるまで使用しました。
そしてこのスーツケースのおかげで、一時キャリーバッグに行きかけていた気持ちが、普通のスーツケースに戻ってきたのです。
普通のスーツケースは便利ですよ
簡単に荷物を運べるように見えるキャリーバッグと、一々荷物を手で持たなくてはいけないスーツケース。
それでもやはり、筆者はスーツケース派なのです。
何と言っても自重が軽い
同じ素材ならどうあっても、普通のスーツケースの方が自重が軽いことになります。
キャスターや持ち手の分、キャリーバッグの自重はどうしても重くなりますから、これは自明の理ですね。
キャリーバッグでも持ち上げることが皆無と言うわけではありませんから、だったら最初から持ち上げる覚悟をしておける方が、面倒がないと思うのです。
アレンジが可能だと言う事
キャリーバッグはそのまま使うのが当たり前のものです。
勿論物によっては、背中に背負えるようにリュック紐がセットされているものもあります。
持ち上げれば普通のバッグとも言えます。
しかしこういた機能のせいで、自重も増えているのです。
対してスーツケースなら、普段は普通に手持ちで、どうしても辛ければカートを使用して、背負いたいなら紐を使ってと、ケース自体には負担無しにアレンジが出来るのです。
最初から提供されているアレンジよりも、自分で工夫したい人にはおすすめですね。
買い物をし過ぎないで済む
スーパーで買い物する時に言われることですが、カートは使用しないほうが節約のためにもいいそうです。
カートを使っていると、買い物し過ぎても重さを感じませんので、レジが終わって袋に詰めた後に後悔することがある、と言う事ですね。
同じことがスーツケースにも言えます。
普通のスーツケースだと、手で持っていくと言う前提がありますので、自然に不要な買い物やお土産の買い過ぎにストップがかかります。
しかし転がせる便利なキャリーバッグだと、歯止めがかからずにと言う事が、ままあると言う事です。
買い物などのし過ぎに注意したい人にも、普通のスーツケースはおすすめですよ。
まとめ
筆者の場合子供の頃の、スーツケースに対するあこがれが今でも残っていて、普通のスーツケースに執着しているのかもしれません。
しかしそれを割り引いても、かなり手持ちのスーツケースは便利です。
旅行用のスーツケースを片手で下げて、と言う格好良さも勿論ありますし、今世間で問題視されているキャリーバッグの使用法による事故からも無縁でいられます。
もう一度、通常のスーツケースに目を向けてみるのは如何でしょうか。