不倫は文化だと言ってもおかしくない洋画ベスト10ランキング
目次
第10位 「ひまわり」
戦争から帰らない男を待ち続ける女。
外国の地まで訪ねていくと、男には新しい家庭があったというメロドラマです。
出来心とか浮気とか、そういう軽はずみなところは一切ありませんが、結果的には奥さんを裏切ることになっていますから、不倫ですよね。
戦争の産んだ悲劇ということです。
広大なひまわり畑の光景とヘンリー・マンシーニのテーマ音楽が頭から離れません。
第9位 「イノセンス」
巨匠中の巨匠、ルキノ・ビスコンティの遺作です。
ビスコンティの作品はどうもよくわからないとおっしゃる方でも、これは大丈夫。
でもこの作品、評論家の皆さんの評価はいまひとつ。
テーマが不倫だったのがいけないのでしょうか。
まあ、不倫を描いただけといえば、たしかにそうなのです。
キリスト教や貴族の没落のことを深く考えなくてもいいのが、楽と言えば楽なのですが。
第8位 「カイロの紫のバラ」
満たされない夫婦生活。
ストレス解消との手段として、映画の世界にのめにこんでいく主婦。
それだけだったらよくある話なのですが、ウディ・アレン監督の考えることは違いますね。
映画の主役俳優がスクリーンから飛び出して主婦の浮気の相手になるのです。
ウディ・アレンの初期の作品は、才気だけではなくみずみずしさがありますね。
ロマンティックな作品です。
第7位 「ライアンの娘」
「逢引き」のデヴィット・リーンが監督した、もうひとつの不倫映画が「ライアンの娘」です。
これはただの不倫映画ではなく、壮大な人間ドラマ。
独立戦争前のアイルランドの一寒村が舞台になっているので、身近な不倫話ではありません。
人間とは何か、生きるとは何かということまで考えたい人向けの作品です。
第6位 「チャタレー夫人の恋人」
愛と性は切っても切り離せないものですから、不倫映画なら性のこともきちんと描くべきだと思います。
きちんと描けばおかしなことにはならない、そういうことがとてもよくわかるのが、この作品。
イギリスBBCが制作したドラマを映画に再編集したものですが、とてもよくできています。
監督は奇才ケンラッセル。
性は精神を開放してくれるものですね。
第5位 「アンナ・カレーニナ」
原作はもちろん文豪トルストイの長編小説。
「幸せな家族はみな同じだけと、不幸な家族にはそれぞれの形がある」という冒頭の一文が有名ですね。
何度も映画化されていますが、いちばんよくできているのはヴィヴィアン・リーがアンナを演じた1948年版です。
最新のものはキーラ・ナイトレイとジュード・ロウの2012年版になりますが、舞台演出をとり入れたところがちょっと鼻につきますね。
第4位 「隣の女」
もし、あなたの元カレ、元カノジョが既婚者になって隣に引っ越してきたらどうしますか?
そんなの気にしないという人はいないですよね。
毎日毎日、気になって気になって・・いやあ、考えただけで汗がでてくる映画です。
まあ描き方によってはコメディにもなるのですが、この映画はシリアスで重たい不倫ものになっています。
監督は巨匠フランソワ・トリュフォー。
濃密な不倫ものですね。
ラストが衝撃ですよ。
第3位 「恋に落ちて」
基本「逢引き」のリメイクなのですが、設定もストーリーも大きく変わっているので、これは独立した一本として見たほうがいいかも。
いちばんの違いはラスト。
お別れするのが美しいのか、再会するのが美しいのか・・見る人の判断におまかせします。
演技派のデ・ニーロとメリル・ストリープが肩の力を抜いて、恋に落ちる大人をさらっと演じています。
いや、なんでもできる演技力があるから、こういう普通の人風の演技ができるのかな。
第2位 「男と女」
ダヴァダヴァダァ、ダヴァダヴァダァというフランシス・レイのテーマ音楽でおなじみ、フランスを代表する不倫映画の傑作です。
ストーリーはシンプル。
これは頭で理解する映画ではなくて、感じる映画ですね。
ジャン・ルイ・トランティニヤンとアヌーク・エーメがすばらしい。
手持ちのカメラが縦横無尽に動いて、恋に落ちた男と女の見せる一瞬の表情を生き生きと写し取っていきます。
第1位 「逢引き」
不倫映画のクラシックで永遠のマスターピースです。
平凡な主婦と勤務医の許されない恋。
別れのシーンが泣かせます。
ベストテン圏外の不倫映画の佳作「ウィークエンド・ラヴ」では、不倫中の主人公2人がこの映画を鑑賞して泣いてしまうというシーンがあります。
不倫している人が手本にしたくなるような、100パーセントの不倫映画。
デヴィット・リーン監督の繊細な心理描写が素晴らしいです。
まとめ
不倫がいいとか、悪いとか、そういう判断はひとまず置いておいて、これらの映画を観てくださいね。
厳しい状況に置かれた人間、そういう見方でいいと思います。
そこで何を選択し、何をあきらめるのか・・。
人間というのはなんて愚かで、純粋で、不器用な生き物なのでしょうか。
でもそういうところが愛おしいですね。