大人も号泣!21世紀の名作アニメーション映画ランキング

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アニメーション映画といえば「子供向け」「内容が稚拙」と思われている方も多いのではないでしょうか。


確かにアニメーション映画というのはそういったイメージが付きがちですが、多くの有能なアニメーターが登場している昨今では「アニメ映画に思わず号泣してしまう大人」が続出。


もはやアニメ映画は子供だけのモノではなく、深いテーマや感動に裏付けられた大人も楽しめるジャンルになっているのです。


今回は21世紀に発表されたアニメから3つをランキング形式でピックアップ。


今をリアルに描く監督たちの趣深い世界をぜひ味わってください。





第1位:「おおかみこどもの雨と雪」

おおかみこどもの雨と雪(本編1枚+特典ディスクDVD1枚)

2000年代から主だった監督作品を発表しだした細田守。


彼が2012年に発表したこの「おおかみこどもの雨と雪」は公開後30日間で240万人の観客動員数を達成、大きなブームを巻き起こしました。


主人公は「おおかみ」と人間のハーフである雪と雨の姉弟。


序盤におおかみである父親を亡くしてしまい、母親・花との三人での暮らしが始まります。


勿論無邪気にふるまう子供たちとは裏腹に母親は苦労の連続。


田舎に引っ越し、慣れない農作業をしてなんとか生活をしていく中で子供たちは大きく成長し、「山でおおかみとして生きるか」あるいは「人間として街で生きていくか」の選択を迫られることになります。


物語は普段は人間の姿をして生きてきた父親と大学生の花の出会いから始まり、二人の子供の誕生から思春期に至るまでを描いているので、その様をずっと見てきた観客にとっては雨・雪の成長がいちいち胸を衝きます。


気が付けば二人がする選択を親目線で眺めている自分に気が付くでしょう。


子供を今育てている人だけではなく、かつて親からの愛情を受けていたことをすっかり忘れてしまっている、そんな今を生きる大人達の心の奥底を優しく刺激するハートフルな物語で、21世紀におけるアニメーション映画の最高傑作といえるでしょう。






第2位:「秒速5センチメートル」

秒速5センチメートル

続いてはこちらも号泣間違いなしの名作アニメ、「秒速5センチメートル」。


2007年に発表された本作は「桜花抄」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」の3連作で構成されていて、主人公・遠野貴樹とヒロイン・篠原明里の小学生~大人に至るまでの恋の様子が描かれています。


「桜花抄」では小学生ながらにお互いに惹かれあい、想い合ったまま転校で別れることになってしまう二人の切ない逢瀬が、「コスモナウト」ではさらに遠く離れてしまった貴樹と彼を想う少女・澄田花苗の切ない片想いのストーリーが展開されていきます。


深海誠の圧巻の描写力によって、道に舞う桜やしぶきをあげる海の波など、背景となる舞台装置が「切なさ」や「哀愁」といった思いを掻き立てます。


誰も同じ経験はしたことがないのに、なぜかノスタルジーを感じてしまうのはやはりこの監督の手腕があるからこそ。


ストーリーでは一貫して「距離」が意識され、転校による物理的な距離だけではなく、それに伴う二人の心同士の距離感が切にリアルさを帯びています。


タイトルにもなっている最後の「秒速5センチメートル」は大人になった二人の距離が描かれ、山崎まさよしが歌う「One more time,One more chance」という挿入歌とあいまって感動がゆっくりと最高潮に達していきます。


強く迫るのではない、静かで、でも確かに胸を打つ感動が味わえる作品です。


第3位:「言の葉の庭」

言の葉の庭

再び深海誠監督の作品がランクイン。


おおかみこどもの雨と雪が「親と子供」を、秒速5センチメートルが「少年と少女」の関係を対比させて描いているとしたら、本作は「大人になろうとしている少年と大人になれない女性」を見事に描き切った作品といえるでしょう。


主人公のタカオは高校生。


雨の日は学校をさぼって新宿御苑で自分の作りたい靴のデッサンをすることが習慣で、いつかは靴職人になりたいと願っています。


そこで偶然出会ったユキノは以前タカオの学校で教師をやっていた女性。


生徒からの嫌がらせで自信を無くし「大人になれない自分」を責めているユキノと、「早く大人にならなくては」と焦るタカオがそれぞれの道を探す姿を描いたもので、二人が抱える悩みは大人なら誰しもが味わってきた問題であるがゆえに強く物語に引き込まれます。


当然タカオは大人の世界を知っているはずの女性・ユキノに惹かれていき、彼女に合う靴を作ろうと考えます。


彼の真っすぐな姿が見る者の心を揺さぶり、それを正面から受け止めきれないでいるユキノの苦悩にもやはり心を打たれます。


子供から大人へという一本の軸に並ぶ二人が出会うある一点、最高潮のクライマックスは号泣必至。


将来を見つめる真剣な想い、相手を想う切なさ、そういった激しい感情を忘れがちになっている大人たちに「それで良いのか」と問いかける、まごうことなき名作です。


まとめ

いかがでしたでしょうか。


アニメーション映画とはいえ、そこには子供から大人まで様々な立場の人たちが悩み、格闘し、答えを出していく様が丁寧に描かれています。


実写映画で役者が抱えてしまう以前のイメージを排除できる分、アニメというのは純粋に私たちの心に感動をもたらしてくれるものなのかもしれません。


「最近泣いてないな」「ちょっと人生に疲れちゃったな」と思うあなたにはぜひ人生に立ち向かうキャラクター達の切なる思いに触れ、飽くまで「号泣」していただきたいです。







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