ウォークマンと言われたらどのタイプを頭に描きますか

ウォークマン

SONY Hi-MD ウォークマン MZ-RH1 S

ウォークマンと言えば、ある意味音楽プレイヤーの革命でした。

それまでは家でしか楽しむことの出来なかった音楽を、外でも気軽に楽しめるようになったのです。

発売当初これを持っているのは、進んでいる若者の証拠と言う感じでしたね。

今や初期ウォークマン、カセットウォークマンの販売も終了になりましたが、どんな歴史があったかを振り返ってみましょう。




音楽を聴くということは

今や街中にもどこにも、音楽は溢れかえっています。

家でも電車の中でも、気軽に自分だけの音楽を楽しむことが出来るようになりました。

しかし少し前。

1970年台までは音楽というもの、家でラジオやテレビにオーディオ、もしくは演奏会で聴くしか無かったのです。

またその当時、家でオーディオセットを所持しているのは、一部の音楽ファン程度だったことも忘れてはなりません。

まだまだ、経済は上向きと言っても、一般庶民の暮らしには贅沢品である音楽は、あまり浸透していなかったのです。

テレビで歌謡番組を楽しんだり、ラジオの歌番組を楽しむのが、一般的でした。

あくまで屋内で楽しむものだったのです。

それがウォークマンの登場で、大きく変化しました。




カセットテープ以前

カセットテープ自体を知らない、と言う世代も増えてきた昨今です。

オープンテープの存在は、もう歴史に埋もれてしまったかもしれません。

多分一部のマニアはまだ、オープンデッキを持っているかもしれません。

かくいう筆者も実は、近年まで所持していました。

流石に使わなくなったので、近所の博物館に寄付したのも事実です。

テープのリールのサイズも2種類あって、普通のデッキだと小さな物は使えなく、大きいサイズのテープを使うにはちょっとした専門機が必要でした。

なのでオープンリールデッキを持っていると言うのは、ちょっとした自慢でもあったのです。

当時のラジオやテレビで使用していたのも、このオープンテープでした。

編集するのに手でできるのも、魅力的でしたね。

音の間を詰めたい時や、邪魔な場所を消したい時には、その部分をハサミで切ってしまい、その後つなぎ合わせたものです。

これをいかにうまく、継ぎ目なくやるかがちょっとした職人芸だったのです。

このオープンテープ、それまではレコードしか無かった音楽の録音媒体に、大きく革命をもたらしたことは、言うまでもありません。

カセットテープの登場

しかしこのオープンテープ、結構持ち運びに不便でした。

また置き場所もかなり取りました。

そんな時代に、カセットテープが登場したのです。

このカセットのおかげで、録音時間も長くなりしかも収納場所も少なく済むようになりました。

編集はできなくなったものの、テープの劣化や取扱による音の劣化も防げるようになりました。

なのであっという間にこのカセットテープは、市場に広がっていったのです。

小型化は日本のお家芸というのを、まさに表現した製品と言っていいでしょう。

カセットウォークマンの登場

音を録音できる媒体が小さくなれば、それを再生する機器も小さくすることが可能です。

なので家のデッキなどのセットも、大きく変化しました。

またこの当時ダブルデッキなどの登場で、カセットからカセットに直接音を録音することも可能になりました。

レコードを持っていない人が、その曲を持っている人にカセット同士で録音を依頼することも、可能になったのです。

音楽がそれまで以上に生活に染み込んできたことは、言うまでもありませんね。

丁度国内外に多くのミュージシャンのヒット曲がでていた時期だったことも手伝って、音楽は広がりを見せていったのです。

カセットウォークマンの登場

録音媒体が小さくなり、結果再生機器も小型化しました。

持ち歩けるサイズになったのも、当然かも知れません。

ウォークマン以前も持ち歩けないことは無かった

ウォークマンの名前で初代が販売されたのが、1979年です。

この初代機はまだ、ウォークマンのロゴはついていませんでした。

しかしこれ以前にも、かなり小型のデッキが販売されていましたので、筆者も結構外に持ち歩いていました。

電池とコンセントの両用が出来る機体だと、これが外部のどこか屋内で使用する場合かなり便利だったのです。

しかし正直この時代の再生機器は、小型とは言えそれなりの重さがありました。

そこそこかさばるのに加えて、荷物が重くなるので運ぶのには結構根性が必要だったのです。

ウォークマン初代機の登場に

ウォークマンの初代機が登場した時に誰もが驚いたのが、その小ささと重量でした。

勿論今の時代のデジタル音楽機器利用者にとっては、かさばるし重いと言われてしまうでしょう。

しかし当時は本当に革命としか言えないサイズと重さだったのです。

これのおかげで、外に出ていても音楽を楽しめる事になったのです。

ありがたいことに小型化は進み、ほとんどカセットサイズのウォークマンまで登場したのですから、あっという間に広がっていったのも無理はありません。

CDウォークマンの時代

カセットテープの場合、これはいわゆるアナログの音楽媒体です。

しかし時代はデジタルにと移行していきました。

CDの登場です。

コンパクトディスクの名の通り、ディスクに大きな容量の音楽を録音できるのです。

これもまたあっという間に、世間に広がっていきました。

そしてCDウォークマンも登場します。

サイズとしては、カセットよりもCDは大きいので結果、ウォークマンもサイズ的には大きくなってしまいました。

しかしその分、録音された音楽の容量も大きいので、しかも音がクリアだということで人気が出たのです。

アナログ人間の筆者は、音がどうしても金属的に聴こえるのでデジタル録音、実はあまり好きではありません。

特にこの当時のデジタルは、まだデジタルの冷たさを感じましたので、CDウォークマンは購入が少し遅れましたね。

確かに音質がクリアで聴きやすかったのですが、最大の問題は音飛びでした。

普通に歩いていても機種によっては音が飛ぶので、開発も苦労したと聞きます。

MDウォークマンに移行

CDの場合、音楽の容量はともかくサイズの問題は存在します。

なので開発されたのがMD、ミニディスクです。

これも若い人はもう知らない人、増えているでしょう。

名前の通りサイズが小さなディスクです。

それにCDと同じ容量の録音ができるので、ウォークマンにはぴったりでした。

音飛びについても、CDよりは安心して使用ができるので筆者も愛用したのです。

サイズも、MD本体の一回り大きな程度でしたから、ポケットに簡単に収まってくれました。

しかしこのMD、寿命は意外と短かったのです。

原因は、メモリーでの音楽データ保存でした。

もともとサイズを小さくがメインの理由での開発だったので、それよりも小さなメモリータイプの登場で、必要が減ってしまったのですね。

現在のウォークマンは

そして今日、ウォークマンだけでなく音楽はデジタル全盛期です。

パソコンの普及によるメモリーカードの使い勝手の良さが、音楽再生にも影響を与えたのですね。

しかもデジタル音の欠点であった、金属的な感覚もだんだんと軽減されてきました。

メモリーでの再生なので、何しろ再生機のサイズも最初になっています。

勿論重量も、本当に昔のウォークマンの比ではありません。

まあ問題としては、音量の良さに酔ってしまって、周囲への音漏れが多くなったということかもしれません。

実際この音漏れについては、ウォークマン登場の頃からの問題でもあるのです。

自分では持っているのに気づかない程の小ささと軽量、音楽の良さを極限まで再現してくれるウォークマンです。

音質が良くなってきた分、周囲に気遣いできない人にはこのウォークマン、おすすめできないかもしれませんね。

まとめ

ウォークマンの歴史はすなわち、世界の音楽の歴史でもあります。

レコードからオープンリールテープへ、カセットテープへとの移行もありました。

そしてデジタル化の波で、CDからMDへと進んでいったのです。

現在ではメモリーデータ使用のウォークマンが多数販売されて人気を誇っています。

でもあの、アナログの単純なカセットウォークマンの音、今でも思い出す筆者なのです。






ウォークマン