アンチヒーローに惚れろ!奇妙な探偵がでてくる邦画ランキング
邦画には探偵が出てくる映画が沢山あります。
例えば、「八つ墓村」の金田一耕助。
はたまた、「黒蜥蜴」の明智小五郎、「天河伝説殺人事件」の浅見光彦。
「名探偵コナン」の江戸川コナン。
そして最近では「探偵はBARにいる」の俺などが有名です。
今回はまだメジャーではない、ちょっと変わった趣向の探偵映画を紹介します。
まだ知られぬ日本のアンチヒーローの姿をご覧ください。
第1位:「悪夢探偵」

日本が産んだ鬼才、塚本晋也のホラーミステリ映画です。
他人の夢の中に入る特殊能力をもつ主人公影沼京一(松田龍平)。
いつも「いやだ、いやだ」といって他人の夢の中に入っていき、事件を解決できずに、金銭をもらい生、活しています。
主人公は夢の中に入っても人を救えないとわかってしまっているのです。
しかし、それでもいやいやながらも、警察の協力要請に従います。
この話はあまり救いがありません。
無意識を傷つけられるという事がどの様なことなのか、という事を考えさせられる映画です。
探偵である主人公に相対する犯人像も悲しすぎます。
互いに理解しえないところで生活をしている人間が夢という無意識を知ることが出来るという事がなんと恐ろしい事なのだろうか。
まさしく悪夢であり、自らを傷つけることでしか、理解しえない人間の謎を解決しようとして、夢の中にいやいやながらも入り込む主人公は、ちょっとカッコイイな、などと思ってしまうのです。
悪夢探偵2もあります。
第2位:「CURE」

日本のホラー映画界の重鎮、黒沢清監督の傑作サスペンス映画です。
奇妙な猟奇殺人事件が起こり、刑事の高部(役所広司)が捜査をするうちに物語は二転三転していきます。
家族の問題や、犯罪はどの様に証明されていくのか、などの問題も描いています。
しかし、多くの問題は解決しません。
ラストシーンは一体何を描きたいのか、と考えさせられる映画です。
記憶障害というジャンルでほぼ完ぺきなサスペンス映画を作り上げた黒澤明監督に脱帽です。
同じような猟奇殺人を扱った映画にはデヴィット・フィンチャー監督の「セブン」、記憶障害を扱った映画にはクリストファー・ノーラン監督の「メメント」があります。
しかし、「CURE」の映画は悪の問題が解決されていません。
犯人の奇妙な存在感がたまらない作品です。
精神分析やオカルトを題材にしたミステリ映画は多いですが、とても怖くて、面白いです。
スカッとせずにずっと怖さをひきずる感覚がとても心地よいです。
第3位:「鍵泥棒のメソッド」

映像と言葉で叙述トリックを繰り広げる魔術師、内田けんじ監督のユーモアミステリ映画です。
売れない役者の桜井武史(堺雅人)とプロの殺し屋山崎信一郎(香川照之)そして、雑誌の編集長の水嶋香苗(広末涼子)。
この一人に男の思い付きで、三人の主人公の三つ巴劇が起こります。
勘違いに勘違いを重ねながら、一つのストーリーにまとまっていくストーリーテラーぶりがとても楽しいです。
売れない役者の堺雅人さんのダメ男っぷりや、雑誌編集長の広末涼子さんのヘンテコな愛すべき人間ぶり、そして、なんといってもプロの殺し屋役の香川照之さん。
香川照之さんの演技がとても良いです。
この人の生真面目演技をみるだけでも見る価値はあると思います。
それにしても、プロの殺し屋とはそういう意味だったのか、と考えさせられる映画です。
ユーモア色がとても強いですが、生きていれば何かいいことがあるかも知れないと思わせてくれる映画です。
三人の主人公の繰り広げるおかしな物語は必見です。
まとめ
今回はまだあまり知られていないミステリ邦画を紹介してみました。
今回選んだ三作品のほかにもまだまだ知られていない良質なミステリ邦画はあると思いますので、興味がある作品に出会えたら、是非、ご覧になってみて下さい。
しかし、今回紹介した探偵たちで、有名になりそうな探偵はいなさそうです。
私としては悪夢探偵3を見たいです。