蒼井優が出演している邦画ベスト3
蒼井優は独特の雰囲気を纏っている女優です。
なので演技が固まりがちだと思うのに実に多彩な顔を見せてくれます。
その蒼井優が出演している邦画、必ずしも主演とは限りませんがその中から私の印象に強く残っている作品をランキングにさせていただきました。
TVでもCMでもよく顔を見る蒼井優ですがその優しく大人しい雰囲気は彼女の魅力を最大限にまで惹き出してくれていると思います。
第1位:「東京家族」
山田洋次監督のリメイク作品です。
最初は人情ものの映画だからなぁと思って見始めたのですが、そこは天下の山田洋次監督。
あっという間に惹き込まれてしまいました。
どこにでもいる家族たちの話です。
だからこそ親しみを感じて親近感を感じるのかもしれません。
自分の親なのに、会合をするのに邪魔だからと高いホテルに行かせて、そんなところに行ってもどうしたらいいのか分からないのに帰ってきたら邪魔者扱いされて、まるで会いに来たのが悪いみたいな言い方をされたら悲しいのに、文句も言わずに子供のためにできる事をするのは親の愛だと思いました。
そして会いに行った次男のところで結婚を考えている彼女、蒼井優演じる紀子に会って嬉しいと思う母の気持ち。
私は子供を持った事がないのでその気持ちは分かりませんが親の愛が偉大だというのは伝わってきます。
そしてこの作品の一番のおすすめどころはラスト手前。
母のとみこが倒れて家族が集まったところです。
皆に見守られて死んでいく中でまだ家族でない紀子の心情を無言の中の演技でやりきった蒼井優は絶対に見てほしいです。
そして父が一人で住む事になった島に皆で行った時のシーン、父からありがとう、と言われたあのワンシーンでジワッときました。
この感情を一気にもってくるところは山田洋次ならではだと思います。
第2位:「フラガール」
常盤ハワイアンセンターを設立するまでの実話を映画化した作品です。
主演は松雪泰子なのですが私はこの時、最初から蒼井優に目を惹かれていました。
この時から演技が光っていたのだと思います。
そしてこの映画にしずちゃんが出ていたのにも驚きました。
この映画は冒頭から中盤までの話も目が離せませんがやはり一番の見どころはラストの舞台で踊るシーンです。
舞台で踊る女の子たちの迫力は凄いです。
フラダンスはのんびりとした踊りのイメージが強いですが、映画のフラダンスは激しかったです。
腰もずっと振っていないといけないし足の動きも腕の上げ下ろしも大きくてこんなにすごい動きをあんな涼しい顔をして踊っているのだと思うと感心してしまいます。
そしてソロで踊るシーンも画面に顔を近付けて見てしまいました。
そのくらいに格好いい踊りでした。
最後は少し引いて舞台全部が見えるようになって全員で動きを合わせて踊っているのは迫力が半端ないです。
女の子ばかりのフラダンスなのに音も動きも早くて部隊を見ているような感覚に陥りました。
ラストのダンスシーンだけでも見る価値はあると思います。
第3位:「蟲師」
一風変わった映画です。
元は漫画だったものを実写化したものだと後から知りました。
主演はオダギリジョー演じるギンコで蒼井優は淡幽という儚い役どころです。
最初に見た時はまたこういう役なんだなと思っていましたが、誰かに護られていないと生きていけないような雰囲気を持ちながら実は護っている強い役を見事に演じていたと思います。
この作品は人によっては気持ち悪い、と思う人もいるかもしれません。
確かに蟲がぞわぞわと画面を這い回るのは気持ちのいいものではありません。
でも皆がその役に合っていて違和感なく見る事ができました。
ギンコも少しボソボソとしたしゃべり方をしているはずなのに通る声をしているので気持ちがよかったし、淡幽を助けようと必死になっているところなんかは恋しているのかなと想像を募らせたりもしました。
実際に頼って危険な状態になったのはギンコに責任があると思っても不思議ではなくそれでも助かった淡幽はギンコの無事を心配してと互いに依存しあっているような関係にも見えました。
そういう曖昧なところが見え隠れする方が見る人を楽しませてくれると思います。
大きな動きの少ない役だけに蒼井優の才能が発揮された作品になっていると思います。
まとめ
どの作品も独特の雰囲気を放っている役ばかりです。
そしてどこでも全く違う顔を見せるのは役者としての力で素晴らしいと思えました。
賛否両論あると思いますが、私はこの蒼井優という役者の演技が好きです。
時にコメディのような役もこなしシリアスで涙を誘う役もする。
それは簡単なようでいて難しい事で、それをやれる蒼井優の今後もいろいろな作品で是非見てみたいと思えました。