芸術性が高く何処か悲しいジブリ邦画ベスト3
私はジブリ映画の紹介をしようと思います。
ジブリ映画は子供向けの邦画に思われがちですが、10~30回くらい同じ作品を見ていると普通は気づきにくい芸術性などにも気づけておすすめです。
流石に30回も観るのは大変ですが、2~3回くらい同じ作品を見るとわかる事もあると思います。
どちらかというと抽象的な部分を取り上げるので、人によっては感じ方が違うかもしれません。
第1位:「千と千尋の神隠し」
まず、いきなり後半の話になりますが、主人公の千がカオナシと一緒に電車に乗るシーンがあるのです。
かなり長く尺を取って描かれているシーンなのですが、これと言ったセリフなどもないのですね。
しかし、そのシーンで流れるBGMがピアノの旋律で作られており、どことなく悲しい雰囲気に作られているのです。
セリフがほぼないまま、カオナシと電車に乗り続けるのですが、電車の窓から見える景色がおぼろげな風景というか、何処か現実離れした部分があるというか・・・例えば、漢字ばかりの看板が窓から見えるシーンがあるのですが、何を書かれているのかよくわからないのに、なんだか複雑な気分になってしまうのです。
恐らく、ピアノのBGMの効果がかなり大きいと思われますが、次々と列車が駅に止まるシーンなどもあり、そのシーンでは黒い影のような姿をした人間(?)が切符を切って降りていきます。
皆、無言で下車していくのですが、その後姿がとても悲しいのです・・・。
後半に行けば行くほど、ものがなしく後ろ髪をひかれるシーンが多いので後半までしっかり観る事をおすすめします。
第2位:「天空の城ラピュタ」
なんと言ってもおすすめ出来るシーンは「パズーがムスカから貰った金貨を捨てようとするが、思いとどまりポケットにしまうシーン」ですね!
パズーはシータを助けに行ったのに、シータがパズーの身を守るために嘘をついてパズーを帰してしまうんですね。
その際に金貨をいくつかムスカから貰うのですが、パズーとしてはそんな金貨は貰いたくないと!!
でもパズーはどちらかというと貧しい生活を送っていて、(恐らくラピュタの世界でも)金貨を手に入れる機会なんて滅多にない事なんだろうと思います。
なのでパズーは金貨を捨てきれずに、ポケットにしまってしまうのですね・・・。
最初は地面に投げ捨てようとするのですが、腕を震わせてポケットにしまうまでのシーンは、ファンタジーあふれるラピュタの世界の中でもかなり考える部分があるシーンだと感じています。
それとパズーが龍の巣の中で一瞬お父さんに出会うシーンもおすすめできますね!!
お父さんに出会ったパズーは何かを叫んでいるのですが、あえて声が聞こえないようになっているのです。
恐らく「おとーさーん!!」みたいに言っていると思うのですが、無音の中でパズーが父の幻影に向かって叫ぶシーンは芸術的だと思います。
第3位:「となりのトトロ」
まず、風景が古い映画なのにものすごく作りこまれている事ですね!
日本の古い風景が細々と描かれていて、とても懐かしい印象を受けます。
そうそう、メイが迷子になってサツキが探しに行くシーンがあるのですが、その中で私が好きなシーンは「近所のおばあちゃんがメイの靴に似た靴を溜池で見つけるが、メイの靴ではなかった」というところです。
おばあちゃんはサツキに対して「こ、これだよぉ・・・」と声を震わせながら問いかけるのですが、サツキが「メイんじゃない・・・」となんとも言えない口調で言うのです。
サツキは走ってきたので、そこまで余裕がある返答は出来なかったかもしれないのですが、おばあちゃんがサツキの返答を聞いて体の力が抜けてしまって呆然とするシーンは目が離せません。
その後、周りのおじさんたちが「おーい、ばあちゃんの勘違いだとよ!」「違う場所も探すか・・・」とぶつぶつ言っているのも、地味ながら作りこまれているポイントだと思います。
まとめ
芸術性とリアリティをところどころに盛り込んだ、ジブリ映画は私が子供の頃からずっと見続けている映画です。
今でも人におすすめする時は、まずジブリ映画をおすすめしてしまいますね!
子供から大人まで楽しめて、更に大人になってから子供の頃に見たジブリ映画を見ると、また違った部分に気づけるというのはとても良いと思います。