ソイプロテインを初めて飲む方に知っておいてほしい4つのこと
ソイプロテインは大豆が原料のプロテインになります。
ホエイプロテインが開発される前は、プロテインといえばこのソイプロテインのことを示していました。
動物性タンパク質を含んでいるホエイプロテインやカゼインプロテインと違い、ソイプロテインは植物性タンパク質を含んでいます。
そのため、ソイプロテインには、他のプロテインとは違った性質があります。
性質の違いを知り、自分にとってソイプロテインは必要なものなのかどうか判断してみてください。
ソイプロテインとは
ソイプロテインは大豆が原料のプロテインになります。
では、具体的にソイプロテインはホエイプロテインやカゼインプロテインとどのような点が異なるのでしょうか。
ソイプロテインについて
ソイプロテインは、その名の通り大豆(ソイ)が原料のプロテインです。
その特徴は、含まれているタンパク質が植物性であるということです。
他のプロテインであるホエイプロテインやカゼインプロテインは牛乳から作られており、含まれているタンパク質は動物性になります。
現在ではプロテインの中で一般的に飲まれているのはホエイプロテインになります。
ですが、ホエイプロテインが開発される前には、プロテインといえばソイプロテインのことを指していました。
それがホエイプロテインの成分や吸収の速さのためにホエイプロテインが主流となってきました。
ですが、ソイプロテインには、唯一植物性のタンパク質を含んでいるからこそのメリットなどもあるのです。
そんなソイプロテインについてこれ以降詳しく紹介していきます。
ソイプロテインの種類
ソイプロテインは、その作り方によって3種類に分けることができます。
それぞれ性質や含まれるタンパク質の量も異なるので参考にしてみてください。
SPC
大豆から大豆油を取り除き、脱脂大豆を作り、そこから水に溶けるタンパク質ではないものを取り除いて作られたものになります。
この場合、SPC(濃縮大豆プロテイン)と呼ばれます。
この方法だと、大豆に含まれている炭水化物が残ってしまいます。
そのため、100g中に含まれるタンパク質は70g程度になります。
SPI
SPCから水を使ってさらに炭水化物を取り除き、沈殿した部分を乾燥させたものになります。
この場合、SPI(分離大豆プロテイン)と呼びます。
この処理によって、100g中に含まれるタンパク質は90g程度まで増加します。
一般的にソイプロテインとして販売されているのはほとんどがこのSPIになります。
大豆ペプチド
SPIにさらに酵素を働かせることで、アミノ酸の細かい繋がりまで分解したものになります。
すでに酵素により消化された状態にまでなっているので、摂取した際に胃腸への負担が少なくなります。
ですが、味に苦みが出てしまいます。
その苦みのために、販売されている場合には糖質を添加して味を調整しているものが多いです。
そのため、タンパク質含有量がSPIよりも少なくなり、高価になってしまいます。
ソイプロテインのメリット
ソイプロテインは、他のプロテインとは異なり唯一植物性タンパク質からできています。
そして、植物性タンパク質であるからこそのメリットがいくつかあります。
そのメリットについて紹介していきます。
心臓血管系への効果
食事を一部置き換えた場合に、心臓血管系の疾患への効果が見られる場合があります。
実際に食事に含まれるタンパク質をSPIに置き換えたところ、総コレステロールが減少したという結果があります。
この際に、特に悪玉コレステロールであるLDLと中性脂肪が減少し、善玉コレステロールであるHDLに関しては増加しました。
実際に米国食品医薬品庁(FDA)では、大豆タンパク質が冠状動脈疾患のリスクを減らすということで、健康強調表示として認めています。
そのため、この大豆タンパク質により作られているソイプロテインには心臓血管系の疾患に効果があるのです。
腹持ちがいい
ソイプロテインはホエイプロテインやカゼインプロテインと比べると消化するのに時間がかかります。
そのため長時間体内に留まるので、腹持ちがよくなります。
これは、ソイプロテインに含まれる大豆タンパク質はホエイプロテインなどに含まれる動物性タンパク質よりもアミノ酸結合とと呼ばれる結びつきが多いので、それを分解してほどき、吸収できる状態にするまでに時間がかかるためです。
大豆タンパク質
ソイプロテインには、植物性の大豆タンパク質を摂取するためのものになります。
この大豆タンパク質には、特有の効果があります。
大豆タンパク質に含まれているイソフラボンは、生活習慣の乱れによる不調などを良い状態に導く効果があります。
ソイプロテインのデメリット
ソイプロテインのメリットについて紹介しましたが、当然ほかのプロテインと比べてデメリットも存在します。
メリットとデメリットを比べて、自分にほしい性能のものを選びましょう。
消化・吸収が遅い
ソイプロテインは、アミノ酸結合が多いため、消化されるまでに時間がかかってしまいます。
大豆ペプチドの状態ではこのアミノ酸結合がすでに分解されているので消化は早く行われますが、現在販売されているソイプロテインはほとんどがその前段階のSPIです。
そのため、多くのソイプロテインで消化に時間がかかります。
そして、消化に時間がかかるということは、摂取してから体内に吸収するまでに時間がかかってしまうということです。
そのため、摂取してから筋肉の修復に使用されるまでに時間が必要です。
運動後、筋肉の修復のためにプロテインを摂取する場合には、ホエイプロテインやカゼインプロテイン、もしくはソイプロテインの内大豆ペプチドによるものを摂取する必要があります。
成分
ソイプロテインに含まれるイソフラボンについては少しメリットでも触れましたが、これがデメリットになってしまうという人もいます。
イソフラボンは女性ホルモンと似た作用を持っています。
そのため、イソフラボンの摂取により、ホルモンバランスが崩れ、生理不順などの不調が表れる場合もあります。
また大豆には、ゴイトロゲンと呼ばれる物質が含まれています。
これは甲状腺機能に影響を与えるため、長期間多量に摂取すると甲状腺腫大や甲状腺機能の低下といった症状がみられる場合があります。
苦みがある
大豆タンパク質を酵素で処理することで、ペプチドと呼ばれる苦み成分が発生してしまいます。
そのため、牛乳から作られるホエイプロテインやカゼインプロテインよりも独特な風味が強くなってしまいます。
ソイプロテインが向いている人
ソイプロテインには、ホエイプロテインやカゼインプロテインには含まれいない特有の成分があります。
そのため、ソイプロテインが特に向いている人を紹介します。
ダイエット中の人
ダイエットしている人にとって、ソイプロテインの腹持ちの良さは魅力的でしょう。
トレーニングなどをしてすぐに筋肉を修復したいという人にとってはデメリットとなってしまいますが、ダイエット中の方は間食などが抑えられ、吸収すると筋肉のもとにもなってくれるソイプロテインはうれしいでしょう。
更年期の女性
更年期の女性に起こりがちなホルモンバランスの乱れによる身体的・精神的な不調にも良い影響があります。
これは、女性ホルモンの低下によるものであるとされています。
ソイプロテインに含まれているイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があります。
そのため、減ってしまった女性ホルモンの代わりにサポートしてくれるのです。
まとめ
ソイプロテインは同じくプロテインと呼ばれるホエイプロテインとは異なる作用もあります。
そのため、現在主流なのはホエイプロテインですが、さまざまな面から見ると、どちらが優れているとは一概には言い切れません。
そのため、現在自分がどのような目的でプロテインを飲んでいるのか、どうしてプロテインを飲もうと思っているのかによって自分に合ったプロテインを選んでください。
参考URL・参考文献・根拠など
https://www.weider-jp.com/protein/columns/detail/?id=13&category=beauty
http://physiqueonline.jp/health_care/page6617.html
https://www.weider-jp.com/protein/columns/detail/?id=41&category=health
https://www.fpa.or.jp/johocenter/yakuji-main/_1635.html?mode=0&classId=16&blockId=39444&dbMode=article&search