失敗・後悔をしないスーツケースの選び方
ハンドバッグなら、たくさんの種類(数)を持っていることと思います。
ショッピングのさい、気に入ったものがあればすぐに購入、といった方が多いことでしょう。
そして、こうして豊富にハンドバッグを持っていたとしても、またお気に入りが見つかれば、新たな購入を考えることでしょう。
しかし、スーツケースに関しては、たくさんの種類を持っている方はいないのではないでしょうか?
あるいはスーツケースをこれから買おうと考えている方は、「とりあえず一つ買っておいて、いいのがあればまた買おう!」とは思ってはいないのではないでしょうか?
スーツケースは一つあればいい。
あっても大・小だ。
基本は一生ものって感じだ――だからこそ、その一つは使い勝手のいい、かつ丈夫でお洒落なものが欲しい。
そうお考えになる方が多いはずです。
そこでここでは、「どんなふうにスーツケースを選べばいいか」を紹介していこうと思います。
また、知って得するそんなスーツケースの豆知識も記載致しますので、どうか購入のさいのご参考にしてください。
目次
スーツケースを購入する時の失敗パターン
失敗パターン①切羽詰まった何となくの購入
来週は海外旅行、でもスーツケースがない、よし買おう、となると選べる時間がありません。
すると、「とりあえず」といった感覚で購入し、使いづらい、デザインもいまいちだ、と後悔してしまうパターンになります。
後々、どうしても気に入らない、あるいはすぐに駄目になった、等でまた購入し、結局お金を余分に使ってしまう――そんなことにならないために、いつかの旅行のために、スーツケースは余裕を持ってじっくりと選ぶことをおすすめします。
失敗パターン②一目惚れで購入
「うわ、可愛い!」と思って購入したものが洋服や靴なら問題ないのですが、スーツケースに限っては一目惚れ購入はおすすめできません。
おそらく一目惚れということならば、デザインだけで購入している可能性が高く、機能性を見ていないことでしょう。
もちろんデザインも大切ですが、スーツケースを持っている時間を考えてみてください。
ホテルに入ればホテルに起きっぱなしにするはずですし、ロッカーに預ける人もいるでしょう。
つまり、持って歩いている時間はそれほどではない、ということです。
可愛い、恰好いいデザインに越したことはないのはもちろんですが、あくまでもケースですから、荷物を運ぶことがメインですので、デザインだけで購入を決めるのは後悔する可能性が高いです。
失敗パターン③インターネットの評判だけで購入
ステマなどにより、「いい物が売れる」という方式はなくなっています。
悪くてもプロデュース力が長けていれば売れてしまうのです。
そして、どこを向いても同じバッグというのは、やはり嫌だと思いますし、空港で預けた荷物を見つけるのも同じスーツケースが多数あれば見つけにくいでしょう。
そして旅先で何らかのトラブルも想定できます。
もちろん、WEBの「ランキング上位」にはいいスーツケースもありますが、そのランキング、口コミのみで選ぶのは、失敗、後悔が待っている危険があります。
スーツケース購入に失敗しないためには
まずは自分の求めているものを明確にする
これは初めてスーツケースを買う人に多いのですが、「旅行」がメインになりすぎて、どんなスーツケースが自分は欲しいのか、求めているのか、よく分かっていないことが多いです。
「色は暗くもなく明るくもなく、大きさは荷物がそれなりに入って――」とゴールが、求めているものがあやふやだと、先に進めず、そしていざ購入し、「ちょっと大きかったかな」「何か違うな」といった事態にもなります。
まずは自分が欲しいものはどんなタイプか、どのぐらいの大きさを購入するか、それをはっきりと思い描きましょう。
重視しなければいけない点①キャスター(車輪)部分
上記でも書きましたが、デザインよりも機能性が重要なのがスーツケースです。
まずはその代名詞とも言えるキャスター(車輪)部分です。
基本的に手で持つことが困難な、つまりかなり重たいものを運ぶために作られたのがスーツケースです。
当然、キャスター部分にその重量(負荷)がかかります。
メーカー保証のないもの、他の言い方をするのならば一万円以下の安価過ぎるものは、このキャスター部分が弱い可能性が高いです。
摩擦によりタイヤがすぐに使い物にならなくなったり、耐久性がないがゆえに、何かしらの損傷が起こり、方向転換がしづらくなったりします。
冒頭でも述べたように、「スーツケースは一つあればいい」「一生もの」といったそういう感覚で購入を考えている方が多数いらっしゃると思いますので、「安いから」という理由だけで購入すれば、すぐに壊れ、また新たに購入を考えなくてはいけなくなるでしょう。
「このスーツケースでいろんなところに旅行に行ったなあ」と後々振り返ることができる、そんな丈夫なスーツケースを探してください。
重視しなければいけない点②強度・重量
強度はキャスターにつながるところもありますが、スーツケース本体の強度も重要です。
万が一倒してしまった時、ひび割れた、あるいはしまらなくなった、等の事態になれば、その旅行が行きにしろ帰りにしろ最悪です。
「大切に使うからいい」と言う方もおられるかもしれませんが、ずっと大事に大事にと気を配りながらの旅行はきっと疲れてしまうことでしょう。
「頑丈」「強い」を売りにしているメーカーは多数あります。
それほど、スーツケースにおいて強度は大切なのです。
次に重量です。
なるべく軽量のものを選びましょう。
ある程度有名メーカーになりますと、本当に軽いです。
キャスターが付いているから、重さは関係ないのでは?
という意見もあるでしょうが、いざ旅に出ると、階段、段差、等で、一瞬だけスーツケースを持ち上げる場面が多数あります。
そのさい、できるだけ軽いものを選んでおけば、本当に移動が楽になります。
「同じ荷物を運ぶのに、こんなに重さが違うなんて」とそう驚けるスーツケースを選びましょう。
重視しなければいけない点③鍵付
国内旅行しかしない、だから治安的な問題もない――そういう方にもできれば鍵付をおすすめ致します。
絶対に海外(治安に不安がある場所)に旅行はしない、ということであっても、備えあれば憂いなしです。
どこに行こうとある程度の緊張感であり、身構えは必要だと考えます。
国内旅行においても気分転換をお考えでしたら、なおのこと、スーツケース(荷物)で気を使うようなことはしたくはないでしょう。
鍵があれば安全ですし、少なくとも鍵付のスーツケースを持っているだけで、目に見えない小さなバリアみたいなものを張れると言い切れます。
まとめ
①自分の求めているものを明確にする(素材・大きさ)。
②キャスター部分に注目する。
③強度・重量に注目する。
④鍵付のものを選ぶ。
さらに自分の欲しい(求めているスーツケース)を明確にするノウハウ
大きさについてのノウハウ
「 S ・ M ・L 」 といった表記で選ぶのは、おすすめしません。
メーカーによってその定義が違うので、そうやって選択すると失敗につながります。
3辺(縦・横・高さ)の長さ、プラス入る容量で決めましょう。
ワンポイント
もしANA や JAL の機内に持ち込めるサイズのものをお探しの方は、100 席以上の飛行機ならばで 「 縦 + 横 + 高さ 」 の長さの合計が 115 センチ 以内、100 席未満の飛行機であれば、合計 100 センチ 以内、と定められています。
重さはどちらも 10 kg 以内です。
(キャスター・持ち手部分含む)また、もし荷物を預けるのであれば、ANAエコノミークラスだと23キロ(×2)までとなっております。
JAL国内線ですと、20キロまでとなっております。
つまりそれ以上だと別途超過手数料が発生します。
そして、上記でも述べたように、ここでも、「スーツケースは軽量」のほうがいいということが分かります。
スーツケース自体が重ければ、その分、この上限重量にすぐに達してしまうからです。
素材についてのノウハウ
まずスーツケースにはソフトケースとハードケースタイプあります。
ソフトケースとはナイロンなどの布製で作られたもので、良い点はとても軽い、安い、ことです。
ですが、旅行、というイメージより、出張、というイメージのほうが強いでしょう。
完全防水は難しく、例え少々値段が張っても、ハードケースをおすすめします。
(もちろん出張でお使いならば、ソフトケースもありです)そのハードケースですが、素材は大きく分けて四つあります。
①ポリカーボネート( 強化プラスチック )
②ABS樹脂(強化プラスチック)
③ポリカーボネート+ABS樹脂
④ジュラルミン(アルミニウム合金)
まずポリカーボネートですが、雨に強く、強度もあり大変軽いです。
まさにいたれりつくせりの素材なのですが、若干高いこと、また、「軽い(薄い)=へこみやすい」なので、荷物の中を過剰に気にされる方は悩むところでしょう。
次にABS樹脂ですがポリカーボネートが主流になる前に活躍していた素材です。
雨にも強く、衝撃に対しても強いです。
(強さでいえばABS樹脂も充分強いですが、ポリカーボネートの上になります)分厚く、へこまないのが利点なのですが、それに伴い、「重い」というネックもあります。
そしてポリカーボネート+ABS樹脂ですが、上記に2素材の混合です。
100パーセントポリカーボネートに強さ、軽さは劣りますが、比較的安価で展開されています。
最後にジュラルミンです。
耐久性もあり、使えば使い込むほど味が出て、そして恰好いいという夢のような素材ですが、はっきり言ってセレブクラスの高価な品です(八万以上が相場です)。
もし金銭的に余裕があり、ジュラルミンをお選び予定でしたら、空港で知らない人に振り返られるような、そんな素晴らしい一品を選んでください。
ワンポイント
例えばポリカーボネート100%という表記であっても、比較的手を出しやすい安価なものと高価なものがあります(激安メーカーと一流メーカー)。
「素材が同じなら安いほうを」ときっと考えることでしょうが、一流メーカーのものは、細かい部分が本当に違います。
しっかりと見極めて購入を決めてください。
とは言ってももちろん、激安メーカーにもいいものはあります。
ですが、先にも述べたように口コミに左右されるのは危険ですので、それに頼らず、ご自身の目で細かい部分をチェックしながら決めましょう。
もし口コミを参考にするにしても、「届きました!
恰好いい(あるいは可愛い)」「写真通りでした!」の使用前の口コミではなく、使用後の口コミの方の意見を参考にしましょう。
加えて言うのなら、誉めすぎているものは少々信用度に欠けますので、「良い点・悪い点」を書いてある方のコメントに着目するのが良いでしょう
キャスターについてのノウハウ
キャスターの重要性は先に書きましたので、ここではタイプです。
四輪タイプと二輪タイプがあります。
四輪タイプは立てたまま転がせることができますが(自由に方向転換)、二輪タイプは持ち上げることが多くなります。
おそらく、小型タイプに二輪が多いのはこのためでしょう。
じゃあ四輪タイプがいいな、と思うところでしょうが、二輪タイプは坂道、電車などにおいてそのまま置ける(動かない)という良い部分があります。
四輪タイプにブレーキ付があるものもありますが、その手間がかからない。
そして、二輪タイプのほうが引きやすいです。
斜めになって周りの人の迷惑になる、という意見もちらほら聞きますが。
使い勝手、車輪への負担、移動のしやすさ、とまさに求めているものはどっちか、という話になるのですが、知って購入するのと知らないで購入するのとでは、大きな差がありますので、頭の隅に置いておいてください。
ワンポイント
キャスターのタイヤは、「軟質タイプ」と「硬質タイプ」があります。
これに関しては断言できますが、「硬質タイプ」が良いです。
とても頑丈です。
「一度で駄目になった」とそんなスーツケースを選ばないように注意しましょう。
他、お役立ちのノウハウ
より、「欲しいものを明確にする」ために、いくつかスーツケースのタイプをお伝えします。
まずは「フレームタイプ」と「ファスナータイプ」です。
「フレームタイプ」とは、ファスナーが無く、機械式のレバーなどでロックするタイプです(セキュリティが高い)。
「ファスナータイプ」はそのタイプ名の通り、ファスナーで開けるタイプです(海外旅行においては少々不向きかもしれませんが、使い勝手は大変いいです)。
そしてファスナータイプはとても軽いので、小旅行目的ならおすすめです。
そしてもう一点、ハンドバッグと違い、スーツケースは当然肩にかけることはできません。
つまり、持ち手部分がとても大切ということです。
運びやすい、持ちやすい、そんなハンドル(グリップ部分)を選んでください。
ワンポイント
スーツケースをお調べになれば、「TSAロック」というものを見かけると思います。
これはアメリカ運輸保安局で正式に採用している鍵のことです。
アメリカでは入国のさい、空港職員が保安上のためケースを開けて確認するのですが、TSAロックは職員がマスターキーを所持しているため、鍵をかけたままで預けることができます(鍵を壊されることがない)。
そして「インナーフラット」。
これは内側が平らになっているスーツケースのことです。
伸縮するハンドルに対し、当然折りたたまれる鞘(さや)の部分が存在します。
この鞘の部分がスーツケースの内側に出っ張り、平らになっていないのです。
この部分を解消するために登場したのがインナーフラットタイプのスーツケースです。
外側に盛り上がるような形状にすることによって、出っ張りをなくす構造になっています(鞘をなくす構造なのではなく、内側か外側かの違いです)。
スーツケースの有名ブランド
最後にスーツケースの有名ブランドをいくつか挙げておきます。
安価ではない製品が多いのですが、その分、とても良い品ばかりなので、ご参考にしてくださればと思います。
①RIMOWA(リモワ)
②Samsonite(サムソナイト)
③プロテカ(ACE(エース)
④GLOBE – TROTTER.(グローブトロッター)
⑤SUNCO(サンコー)
⑥Antler(アントラー)
⑦siffler(シフレ)
(もちろん上記で紹介していないスーツケースを扱っているブランドで、良質のものはあります)
まとめ
このようにスーツケース選びはとても難しく、しかしその反面、いろいろと考えながら選ぶ楽しさやわくわく感もあるのが事実です(どんなものがいいかなと。
これもいいな、あれもいいなと)。
じっくりと時間をかけて慎重に選んでいただき、最高の旅のパートナーを見つけていただければと思います。
良いスーツケースと、良い旅を。