ウォークマンにはどんな機能があるのか、どうやって自分にあったものを選べばよいのか
ソニーのウォークマンは携帯音楽プレーヤーのはしりとなったプレーヤーです。
AppleのiPodに押されていましたが現在ではデジタルオーディオプレーヤーとして様々な種類が発売されています。
それらの中から自分の目的にあった機種を選ぶにはどうすればよいか、最もおすすめな機種はどれかについてまとめてみました。
携帯音楽プレーヤーとウォークマン
現在発売されているウォークマンは、所謂dap(デジタルオーディオプレーヤー)になっていますが最初はカセットテープの再生専用機として登場しました。
ウォークマンが1979年に登場する以前には携帯音楽プレーヤーというものは存在していませんでした。
それ以前もいわゆるラジカセ(テープレコーダにラジオの機能が付いたもの)やテープレコーダーというものがあって、これを携帯できなくはなかったですが持ち運びには適さない大きさや重量を持っていました。
それを変えたのがウォークマンでした。
画期的だった再生専用機
発売当時、画期的だったことは録音機能がないという事でした。
もちろんそのサイズがカセットテープとほとんど変わらないほど小型という点も注目すべき点です。
しかしそれよりも当時録音機能を持たないものは売れないと考えられていたところに登場し、そして当時の常識をひっくり返したことが大きな驚きです。
もしこのウォークマンが発売されてなかったら携帯音楽プレーヤーの登場はずっと遅れていたでしょうし、今とは違った形になっていたかもしれません。
さまざまなウォークマン
さてウォークマンはその後、小型化がさらに進んだりラジオの機能も持ったものなど様々なものが登場する事になります。
再生する媒体もカセットテープだけではなく音楽データがデジタル化された媒体CD再生機、DATやMDウォークマンなども登場しました。
MDではかつて捨てた録音機能も持ちCDは「ゆったり音を聴く時」、MDは「いつでも、どこでも手軽に楽しむ」という使い分けを目指した商品でした。
ただ残念な事にDATやMDはあまり普及する事がありませんでした。
1999年にはソニーが開発した記録媒体メモリースティックを使って音楽配信サービスから得た音楽データを記録するというメモリースティックウォークマンが登場しています。
これは現在のdapにつながるものですが、dapが普及するきっかけとなったのはソニーではなく2001年のAppleのiPodの登場後の事でした。
その後ウォークマンはハードディスク内蔵タイプのものやワンセグ受信・録画・再生ができテレビ放送も楽しめるモデルが登場するなどの変遷をへて現在、音質やどんなシーンで使うかによって選べる様々なタイプが発売されています。
ウォークマンに保存される音楽データの話
現行機種のウォークマンにはハイレゾ音源に対応したものとそうでないものがあります。
ここでハイレゾ音源という言葉とウォオークマンをはじめとするdapで扱われる音楽データのファイル形式について説明しておきます。
音楽の音声データは時間に従って音の強度が連続的に変わるアナログデータです。
昔のカセットテープはこの音の強弱を磁気信号に変えて記録していたのですがdapやパソコンの音楽データ・ファイルではアナログ信号をデジタル化してさらにそのデジタル化した情報を様々な方法で「圧縮」して記録しています。
圧縮するのは、より多くのデータ(dapの場合ならより多くの曲)を保存するためです。
この圧縮方法には色々な手法があってそれぞれ一長一短があります。
MP3、WMA、AACやはFLAC、ALACというのは圧縮ファイルの形式名です。
最初の頃はMP3形式が使われそれを再生するプレーヤーがMP3プレーヤーと呼ばれていました。
PCやdapで保存するため圧縮前に音楽データを「デジタル化」しますが、これは次のように行います。
まず音声を連続した時間ではなく一定の間隔毎に記録します。
例えば1秒間に10回、つまり0.1秒ごとに音を記録するという具合です。
CDの場合は1秒間に4万4100回音を記録しますが、これは44.1kHzと周波数で表されサンプリング周波数と呼びます。
次に音の強弱も連続的な量ではなくある段階に区切って記録します。
このように強弱を一定間隔毎に区切るやり方を量子ビット化と呼びます。
例えば音の最高強度が1の場合、10段階に区切って記録するとこの場合音の強度が0.12でも0.15でも同じ段階の音として記録される事になります。
したがってこの段階を細かく区切るほど元の音を正確に記録する事が出来ます。
CDの場合は2の16乗 = 655,636個に区切って記録しており、これを16bitに区切ると表します。
サンプリング周波数や量子ビット化の数値が大きい程、元の音声を正確に記録する事が出来ますが大きければ記録する情報量は大きくなりdapやPCに保存できる曲数は少なくなります。
ハイレゾ音源というのはCDの場合の「44.1kHz / 16bit」やDATの基準「48kHz / 16bit」より高いサンプリング周波数・高い量子化ビット数の音源データの事をいいます。
ウォークマンなどではこのハイレゾ音源に対応したモデルがありより高音質の音楽を楽しむ事が出来るようになっています。
どんなウォークマンがあるの、おすすめのモデルはどれ
現在生産されているウォークマンにはWM1、ZX、A、SそしてWシリーズがあります。
大雑把に分けてWM1、ZXシリーズが高級機種、Aシリーズが中級機種、Sシリーズが初心者におすすめのエントリーモデルになります。
ウォークマンにはデジタルノイズキャンセリング機能という周囲の騒音をカットする機能があります。
これを用いると電車やバスの中でもボリュームを上げなくても音楽に集中できるので音漏れを心配する事がありません。
ウォークマンにはハイレゾ音源対応のものがありますが自分はそのような音源を持っていないので無関係と思う人もいるでしょう。
ところがウォークマンにはDSEE HX機能というデジタル化によるデータの欠損を補完してハイレゾ相当の高解像度音源にアップスケーリングする機能があります。
これを使うと非ハイレゾ音源でもハイレゾ相当の高音質を楽しむ事ができます。
この機能を使うには対応ヘッドホンも必要な事に注意してください。
デジタルノイズキャンセリング機能とDSEE HX機能はすべてのウォークマンに備わっている訳ではありません。
それを以下で説明します。
入門用ウォークマン
Sシリーズは最も安価で価格はオープン価格ですがソニーストアでは一万円台になっています。
そのかわりハイレゾ音源には対応していないし当然DSEE HX機能もありません。
ノイズキャンセリング機能はあるのですが付属のイヤホンはこの機能に未対応なので別売りのイヤホンやヘッドホンを購入する必要があります。
このシリーズの上位機種にはスピーカが付属しています。
機能面で落ちるところがありますが小型音楽プレーヤー入門機種としてはおすすめです。
Aシリーズはソニーストアでは2万円台で購入でき安価ですがSシリーズと異なってハイレゾ音源に対応していてDSEE HX機能も搭載しています。
その他にノイズの軽減機能なども盛り込まれていますので音質もそこそこ楽しめしかも安いので最初からAシリーズを購入してもよいかもしれません。
さらにmicroSDカードが使えるのでデータサイズの大きいハイレゾ音源を扱う時にこれは利点になります。
高機能ウォークマン
WM1シリーズは最高機種で値段も30万近くになります。
ZXシリーズはそれに比べると廉価ですがそれでも7万円前後です。
音質に徹底的に拘る人に向けた製品といえます。
特別音にこだわらないのであればAシリーズが多くの人におすすめできます。
他社のプレーヤーと比べてどう
SシリーズのライバルとしてiPodが考えられるのですがiPodは現在iPod touchのみ製造されていて縮小傾向が見られます。
またソニー独自のノイズキャンセリング機能やDSEE HX機能などで他のメーカーに対して優位に立っていると言えるでしょう。
まとめ
ソニーのウォークマンの概要と現在発売中のモデルの特徴を見てきました。
ソニー独自の機能について紹介し入門用のAシリーズがコストパフォーマンス的に見て最も多くの人におすすめできるという結論に達しました。
とにかく携帯音楽プレーヤーが欲しいという人はSシリーズ、また音質に特にこだわりのある人には高機能機種のWM1やZXシリーズという選択もあります。