ハイレゾ対応ウォークマンはなぜ音が良いのか?音質に差が出る4つの理由

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ソニー SONY ウォークマン Aシリーズ 16GB NW-A55 : Bluetooth microSD対応 ハイレゾ対応 最大45時間連続再生 2018年モデル ペールゴールド NW-A55 N

デジタルオーディオプレーヤーの分野ではiPodが人気を集めてきましたが、音質を求める人の間ではSONYのウォークマンが根強い人気です。

中でもウォークマンのハイレゾ対応機種は、CDの音質にさえ満足しないほど音にうるさい人にも高い評価を得てきました。

ハイレゾ対応ウォークマンはどうしてこれだけ音が良いのか、その理由を4つの観点から解説します。




ハイレゾへの対応力が高いウォークマンシリーズ

最近ではスマートフォンで手軽に音楽を聴けるようになったせいか、iPod人気にも陰りが出てきたと言われています。

逆に一時期はiPodに押されていたウォークマンの再評価が進み、デジタルオーディオプレーヤーの市場で盛り返しつつある状況です。

近年になってウォークマンの人気が再び高まっている理由の1つとして、ハイレゾ再生への対応力の高さがあげられます。

iPodは現時点でまだハイレゾ音質での再生に単体では対応していませんが、ウォークマンにはハイレゾ対応機種が豊富にラインナップされているのです。

CDを上回る音質と言われるハイレゾの音源は、e-onkyo musicやmoraなど配信サイトも増えて活況を呈しています。

人によってはハイレゾとCDの音質の違いがわからないとも言われていますが、聴く人が聴けば違いは明らかです。

CDより原音に近いハイレゾの音質

CDの音質は元の音源をデジタル化する際の規格に縛りがあるため、記録できる周波数帯域が最高22.05kHzに制限されます。

CDの音質は量子化ビット数も16bitにとどまり、ダイナミックレンジは65,536段階しかありません。

CDを上回る規格を総称したハイレゾは48kHz以上の高周波数帯域を記録できる上に、量子化ビット数も24bit以上を可能にしています。

それだけ音を精細にデジタル化して記録できるため、ハイレゾはCDよりも原音に近い音質を味わうことができるのです。

テレビの分野でも従来のフルハイビジョンと比べて解像度が4倍となる4K放送が話題を集めていますが、ハイレゾは音楽版の4Kや8Kに相当します。




CD音質もハイレゾ相当に高音質化

moraなどの配信サイトを通じてダウンロードできるハイレゾの音源も以前より増えているとは言え、そうした配信サイトに聴きたい曲がないという人もいます。

iTunesなど一般の配信サイトでダウンロードできる楽曲やCDから録音した曲の方が、ハイレゾ音源より選択肢が多いのは事実です。

それらの音源は前述のような理由でハイレゾよりも音質が低いとは言え、補完技術を使えば高音質化が可能になってきます。

4K対応テレビの中にもメーカーの独自技術を利用することで、従来のハイビジョン画質を4K相当画質にアップスケーリングできる機種は少なくありません。

画素補間された映像は本物の4K映像ではありませんが、擬似的に4K解像度まで高められ、ハイビジョンよりも高画質に再生されます。

SONYは同様の技術を音楽再生向けに開発しているため、CD音質の音源でもハイレゾ対応ウォークマンを使えばハイレゾ相当の音質で再生できるようになるのです。

圧縮音源の高音域補完技術を拡張

ウォークマンに使われているDSEEという音質向上技術は、SONY製のスマートフォンにも採用されています。

SONYが独自に開発したDSEEは、もともとはMP3のような圧縮音源で失われた高域の波形を推測して演算処理し補完する技術でした。

このDSEEをさらに拡張したDSEE HXはCDの音質をハイレゾ音質にまで向上させる技術で、多くのハイレゾ対応ウォークマンに実装されています。

そうした機種でDSEE HXを有効にすると、CD音質のサンプリング周波数44.1kHzが補完技術によってハイレゾ相当の192kHzへと拡張されるのです。

量子化ビット数も16bitから24bit相当に拡張されるため、ダイナミックレンジが大きく広がります。

AIを使って高音域の補完処理を実行する最新のウォークマンでは、CDや圧縮音源の音質向上もさらに高精度です。

ハイレゾの音質をさらに強化するS-Master HXの技術

ウォークマンシリーズにはこの他にもSONYの開発したS-Masterという独自技術が採用され、高音質化に寄与しています。

S-Masterはウォークマンのアンプ部処理を完全デジタル化することで、音質劣化を徹底的に防ぐ仕組みです。

より原音に近い音を再現できるS-Masterはノイズ除去能力と小型化にも優れ、クリアな音質とコンパクトなボディ実現として結実しました。

ハイレゾ対応ウォークマンにはこのS-Masterを改良したS-Master HXが採用され、ハイレゾ音源に対応した音質改良回路が内蔵されています。

アンプの信号処理を完全デジタル化することで原音に迫る

アンプ部の役割は単に音を増幅するものと思いがちですが、内部では想像以上に複雑な処理が行われているものです。

従来のアンプはD/Aコンバーターからアナログアンプを通すことで、デジタル信号をアナログ信号に変換し出力する構造が一般的でした。

S-Masterを使ったアンプはアナログアンプ部分をなくし、D/Aコンバーターを内蔵した完全デジタルのパワーアンプから直接アナログ出力する仕組みです。

余分な処理を省くことで微細な音信号でも忠実に増幅できるようになったため、原音に迫る音質を再現することが可能になりました。

そうすることで微細なノイズまで増幅されてしまう弊害に対しても、S-Masterの技術でノイズが徹底的に除去されます。

ポータブルヘッドホンアンプを使った音質向上方法

ウォークマンに限らずデジタルオーディオプレーヤーの音質を向上させるには、音の出口となるヘッドホンやイヤホンを替えるのが最も効果的です。

据え置き型のオーディオシステムでも、同様に音の出口となるスピーカーは音質への影響力が最も大きいと言われてきました。

そのためウォークマンを愛用している人の中にも、付属のヘッドホンやイヤホン高性能タイプの製品と交換することで音質改善を図っている例が少なくありません。

ただしこの方法だとヘッドホンのインピーダンスが変わる関係で、音量が物足りなくなったと感じるケースも考えられます。

デジタルオーディオプレーヤーのヘッドホンを高性能タイプと交換した場合に音量不足が生じるのは、アンプ部のパワー不足が主な原因です。

そうした問題もポータブルヘッドホンアンプを導入すれば解決できます。

専用のデジタル出力ケーブルを通じてウォークマンと接続したヘッドホンアンプにヘッドホンをつなげば、音が増幅される上に音質の面でもメリットがあります。

ZX300以上のクラスはポタアンなしでもパワーは十分

ポタアンを間に入れることによってパワーが増強されウォークマンの音質も如実に向上しますが、持ち運ぶ機器が1つ増えるため携帯性の犠牲が避けられません。

ハイレゾ対応ウォークマンでもアンプのパワーは機種によって差がありますので、携帯性を犠牲にしないで音質を向上させたい人は上位機種が有力な選択肢となってきます。

ウォークマンの中でもZX300以上のクラスはポタアンが不要なほどアンプ部がパワフルに作られているため、ヘッドホンを交換しても音量不足を感じることはありません。

そうした拡張性と基本的な音質のバランスに優れたZX300は、音に徹底してこだわりたい人におすすめのウォークマンです。

まとめ

音楽再生以外の付加機能ではiPodの方が便利な面もありますが、ウォークマンは音質の面で圧倒的な強みを持っています。

中でもZX300に代表されるハイレゾ対応ウォークマンは、原音に迫る高音質を味わうのに最適化された技術が凝縮された製品です。

ハイレゾ対応とDSEE HX・S-Master HXといった技術に加えてアンプ部のパワーも強力なウォークマンZX300以上の機種は、音質に妥協しない人を満足させるだけの魅力を秘めています。






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