ウォークマンに特徴的な機能ノイズキャンセリングとDSEE-HX機能とは何ですか

ウォークマン

ウォークマンシリーズは元祖携帯音楽プレーヤーとしてトップの地位を占めていましたがその後iPodなどデジタル携帯音楽プレーヤーの後塵を拝してきました。

しかし現在はdap(デジタル音楽プレーヤー)として復活し元々ソニーの持つ高い音楽に対する技術もあってかつての勢いを取り戻してきました。

ウォークマンには他のdapと違うどんな技術が使われているのでしょうか。




ウォークマンシリーズについて

ウォークマンは携帯音楽プレーヤーの先駆けです。

最初に発売されたウォークマンはカセットテープを再生させて音楽を聴くという物でした。

再生専用機という特徴

ウォークマンは再生専用機ですが、当時はテープレコーダやラジカセなど録音機能があるのが当然で再生専用では売れないと考えられていました。

ですがウォークマンの成功はその常識をひっくり返しました。

ウォークマンの目的はどこでも音楽を聴けるようにする事でした。

そのためには録音機能は不要ですから、それをとってしまえば小型化がすすめられ携帯に便利という考えが成功したわけです。

その後のウォークマン

その後ウォークマンは更なる小型化がすすめられラジオ機能が付いたものやカセットテープからCDやMDなど媒体を変えた様々なものが発売されました。

ただしMDやその他にソニーが力を入れていたDATはあまり普及しませんでした。

ソニーはメモリースティックという記録媒体を開発して1999年にはこれを使ったメモリースティックウォークマンを発売しています。

これは現在のdapに似ていますがハードウェア面のみならず音楽配信サービスから得た音楽データをメモリースティックに記録するという音楽の販売方法でも現在につながるやり方を生み出しています。

ただしメモリースティックウォークマンはやはり余り普及せず現在のdapやmp3プレーヤーなどのデジタル携帯音楽プレーヤーの市場を作り出したのは2001年のAppleのiPodの登場によるものでした。

しかし現在ウォークマンシリーズはdapとして様々な種類のものが発売されています。




ウォークマンシリーズのタイプとおおすすめ

現在発売されているウォークマンは以下のようになっています。

  • WM1シリーズ
  • ZXシリーズ
  • Aシリーズ
  • Sシリーズ
  • Wシリーズ

価格はWM1シリーズが最も高く30万近くになりZXで7万円前後となっています。

一方Sシリーズは1万円前後で購入する事ができます。

WM1、ZXが高級機種、Aシリーズが中級機種でSシリーズが初心者におすすめのモデルという分類ができます。

WM1シリーズは音に徹底的に拘る人のためのモデルといえZXはそれを少し廉価にしたモデルです。

Sシリーズは廉価ですがAシリーズ以上のモデルが対応しているハイレゾ音源に対応していません。

以上から考えてコストパフォーマンス的に最も多くの人におすすめできるのはAシリーズになります。

一方Wシリーズは他の機種と異なり運動しながらなどの場面で使うのに向いているモデルです。

各モデルの価格の違いはついている機能や内蔵メモリ容量などメモリ関係によるものです。

ウォークマンにはノイズキャンセリング機能という周囲の騒音を低減する機能やDSEE HX機能という非ハイレゾ音源をハイレゾ相当にアップグレードする機能があるのですが、これらが機種によってついていたり付かなかったりします。

ウォークマンに特徴的なこれらの機能について説明します。

ノイズキャンセリングの仕組み

ウォークマンのノイズキャンセリング機能は周りの騒音が多い所でも音楽が良く聞こえるようにする仕組みです。

まずヘッドホンやイヤホンに内蔵されているマイクが周囲の音を拾います。

ウォークマンのノイズキャンセリング回路が集めた音の波形や大きさなど分析します。

調べた音と逆位相の音を発生させて元の音とこれを重ねる事で元の音(周囲の騒音)を打ち消します。

音は空気の振動でそれは時間によって大きさの変わる波として表す事が出来ますが、逆位相の音とはこの波の形を反転させたものです。

この機能は低い周波数帯のノイズを打ち消すので高い周波数の音には効果がなくすべての騒音を消す事が出来るわけではありません。

ノイズキャンセリング機能を使うのに必要な物

この機能を使うにはノイズキャンセリング回路を搭載したウォークマンが必要です。

全てのウォークマンにこの機能があるわけではないので注意してください。

具体的にはAシリーズとSシリーズが対応機種です。

またウォークマン本体には周囲の音を拾う機能(マイクなど)はないので(機能付きウォークマンに)付属のヘッドホンまたはノイズキャンセリング対応のヘッドホンが必要です。

ただしSシリーズに付属のイヤホンはこの機能に対応していないのでSシリーズで使うためには別にヘッドホンやイヤホンを購入する必要があります。

注意点として使う時にはイヤーピースを耳にしっかりとフィットさせる必要があります。

また状況によっては効果が感じられない場合や逆に騒音が大きくなると感じる場合があるので、そういった場合はノイズキャンセリング機能をオフにする事が出来ます。

機能をオフにする方法や操作は機種によって異なるので各機種の取り扱い説明書やヘルプガイドで確かめてください。

DSEE HX機能の仕組み

この機能を説明するためにはハイレゾ音源とは何かを説明する必要があります。

ハイレゾ音源の説明

デジタル音楽プレーヤーでは音を記録する時本来アナログである音をデジタル化して記録します。

音は時間とともにその強弱が変化していく信号ですが時間も音の強弱も一定の間隔毎に区切って飛び飛びの値に変換します。

これが音のデジタル化です。

時間の方は一秒間に何等分するかで表し単位はヘルツでこれをサンプリング周波数と呼びます。

サンプリング周波数が100ヘルツだとすると1秒間を100等分して0.01秒毎に音を記録しますという意味です。

一方音の強度を区切る方は量子ビット化といいます。

単位はビットで例え4ビットなら2の4乗 = 16段階に音の強弱を区切って記録するという意味になります。

CD音源の場合、サンプリング周波数が44.1kHz(=44,100ヘルツ)で16ビット(=2の16乗 = 65,536段階)で強度が記録されています。

ハイレゾ音源とはサンプリング周波数と量子ビット数がCD音源より高いものをいいますが通常24bit/96kHzや24bit/192kHzの物を指します。

このようにデジタル化した音声をそのまま記録すると記憶容量が大きくなるので圧縮されて小さなデータ量に変換して記録します。

DSEE HXとは何

先に説明した圧縮では高音域や、音の消える際の微小な音などが無視されます。

またサンプリング周波数以上の周波数帯や量子ビット化された段階より細かい音の変化は当然記録されません。

こうした音を前後の音のデータなどを元に推測して非ハイレゾ音源をハイレゾ相当の音質に補正する技術が開発されました。

ソニー以外でも様々な方法でこの補正技術が開発されていますがソニーが開発してウォークマン(の一部のモデル)に搭載されている補正技術がDSEE HXです。

DSEE HXでは音源のサンプリング周波数を176.4kHzまで量子ビット数を24ビットまで補正してより高い周波数の音、より細かな音の変化を再現しています。

まとめ

現在のウォークマンシリーズはデジタル携帯音楽プレーヤーとして多種類のモデルが発売されています。

それらは非常に高価なものから安価なものまであり目的に合わせて選ぶ事が必要です。

この価格は記憶容量の他、使用できる機能によって差がついてきます。

そのうちウォークマンに特徴的なノイズキャンセリング機能とDSEE-HX機能という音質向上機能について説明しました。






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