運動時の筋肉に重要な影響を与えるBCAAの基礎知識や摂り入れ方

BCAA

現在では、パーソナルジムの流行などによる美ボディを目指す女性の増加を始めとし、普段からランニングを行ったり、サイクリング通勤をしたいと日常生活の中に運動を取り入れている方も多くなっています。

それに伴い、プロテインやサプリメントなど運動サポート商品も様々なメーカーから発売されていますし、目的に応じた注目成分も数多くあります。

その中でも、BCAAも運動する上で注目を集めている成分となっており、この記事ではBCAAに着目した情報を紹介していきます。




BCAAの基礎知識や期待できる効果について

BCAAという呼び名に馴染みがない方もいると思いますし、聞いたことはあるけど何のことだか分からないという方も少なくないと思います。

実際に、日常的な生活の中においてはBCAAの重要性はそこまで高くありませんし、毎日の食事である程度は摂取することができますので、特に意識する必要はないのですが、健康作りのために運動したり筋力トレーニングを行う場合にはBCAAが重要な役割を担っています。

これらを踏まえまして、ここからはBCAAに関する基礎知識や期待できる効果について紹介していきます。

人の体とBCAAの関係性

人が生きていく上で必要なものは、必須アミノ酸を必ず摂取しなければなりません。

そんな必須アミノ酸の中でも、ロイシン、イソロイシン、バリンの3種類の必須アミノ酸は筋肉の合成やエネルギー代謝に深い関わりがあるとされています。

このロイシン、イソロイシン、バリンといった3種類は、枝分かれしているような分子の構造をしているため、Branched Chain Amino Acid(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれており、この言葉の頭文字をとった略語がBCAAとなっています。

また、筋タンパク質中に非常に多く含まれていることから、筋にとって非常に重要となっているアミノ酸となり、近年ではさらに注目を集めています。

BCAAを摂取することによる運動関連で期待される効果

BCAAを摂取することによって運動時に期待できる効果は、筋力トレーニングと持久運動能力の両方に関連する効果に期待が持てます。

筋力トレーニングに関連する効果は、筋タンパク質合成の促進や筋タンパク質分解の抑制、筋損傷の軽減などがあり、これらの効果によってトレーニング効果を向上させてくれると考えられています。

また、持久運動能力に関連する効果については、筋肉中のグリコーゲンの節約や乳酸生産の抑制などの効果があり、持久系の運動時に筋肉疲労によるパフォーマンス低下を軽減してくれる効果に期待が持てます。

従って、BCAAは限定された運動だけに作用するのではなく、筋力トレーニングやランニングなど性質の異なる幅広い運動による筋肉に対して効果を発揮してくれます。




BCAAが多く含まれている食品や摂取のタイミング

BCAAを意識して積極的に摂取しようとするシチュエーションは、運動のために取ることを意識しているケースが多いと思うのですが、そのためにはどんな商品にBCAAが多く含まれているのかという情報は知っておきたいと思いますし、運動の効率化を図るために摂取するタイミングや摂取する方法なども最適なものを選びたいところです。

そこで、ここからはBCAAが多く含まれている主な食品や摂取するタイミング、摂取する方法などについて紹介していきます。

BCAAが多く含まれている主な食品

食事にてBCAAを摂取しようと考えた場合は、肉や魚、卵、乳製品、大豆製品などが効率よく摂取することができ、これら複数のタンパク質源を上手く組み合わせることによって偏ることなく摂取することができます。

そのためには、個々の食品のBCAA含有量などをチェックする必要がありますので、その目安として下記に食品中のBCAA、バリン、ロイシン、イソロイシンの含有量の早見表を掲載します。

●商品中のBCAA、バリン、ロイシン、イソロイシンの含有量

  • 商品名:BCAA(mg):バリン:ロイシン:イソロイシン
  • 赤身まぐろ刺身(8切れ):4800:1400:2100:1300
  • カツオ:4300:1300:1100:1900
  • あじ(中1匹):3760:1100:960:1700
  • 生サンマ(中1匹):3650:1100:1600:950
  • 鶏肉(むね):4300:1200:1900:1200
  • 鶏肉(もも):3290:910:1500:880
  • 牛肉(サーロイン):2360:650:1100:610
  • 卵(1個約50g):2610:830:1100:680
  • 納豆(1パック):1305:415:550:340
  • 木綿豆腐(4/1丁):1210:330:560:320
  • 牛乳(200ml):1360:400:620:340
  • チーズ(20g):1020:320:460:240

運動のためにBCAAを摂取するおすすめのタイミング

運動のためにBCAAを摂取する場合は、運動の種類によって摂取するタイミングは異なっており、運動前に摂取した方がいい場合と運動後に摂取した方がいい場合があります。

まずはランニングやウォーキングなど長時間体を動かす場合ですが、これらの運動をすることによって糖質からのエネルギーの供給が枯渇してしまうと、他にエネルギー源を求めようと筋肉の分解が進みやすくなるため、血液中のBCAAの含有量を増やしておくことがおすすめとなっています。

そのため、ランニングやウォーキングなど長時間の運動を行う場合は、運動前にBCAAを摂取するのがおすすめのタイミングです。

また、筋肉トレーニングなどは筋肉の修復が鍵となっており、トレーニング直後にタンパク質を補給することによって筋タンパク質の合成率をより向上させると考えられていますので、そういった運動の場合は運動後にBCAAを摂取するのがおすすめのタイミングとなっています。

BCAAの摂り入れ方

長時間の運動や筋力トレーニングを効果的に行うために運動の前後でBCAAを摂取する意味合いについては上記で紹介しましたが、それを食事だけで補うのは準備が大変ですし、ランニング前の食事は腹痛の原因に繋がってしまう場合がありますので、そんな時に役立つのがBCAAが配合されたサプリメントやプロテインとなっており、運動の性質に合わせて摂取するタイミングも合わせやすくなります。

その例として一つの商品を紹介すると、ウイダーから発売されているリカバリーパワープロテインにはBCAAが豊富に含まれているホエイタンパク質が使われており、1回分でロイシンの含有量は800mgとなっていますので、より手軽なタイミングで良質のタンパク質を摂取することができます。

このような商品以外にも、タンパク質特化タイプやバランスよく栄養素が配合されているタイプなどメーカーや個々の商品によって性質が異なっていますし、必須アミノ酸はBCAAばかりを多く摂取すればいいというけではなく、他の必須アミノ酸も含めてバランスよく摂ることが推奨されていますので、食事や他のサプリメントと上手く組み合わせてBCAA配合の運動サポート商品を上手く活用することで様々な部分で効率化を図ることができます。

まとめ

運動の前後でBCAAを摂取する意味については紹介した通りなのですが、運動量やBCAAを含む栄養素の摂取は適度なバランスが重要となっており、過剰な運動や偏った栄養素の摂取は逆効果になってしまう可能性がありますので、一つの情報に固執することなく柔軟な考え方で自分にあった効率的な方法で運動を楽しんでください。






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