高齢者の生活をアクティブに! キャリーバッグで安全な歩行をサポートしよう
「健康寿命」という言葉をよく耳にするようになりました。
ますます進む高齢社会の中で、どれだけ自力で日々の生活を営めるか・楽しめるか、ということが注目されています。
健康寿命を伸ばすためには、体力の維持が重要。
そのためには、ウォーキングなど、日々体を動かすことが求められますが、体力的な不安はつきものです。
今回はそんな高齢者のサポート役という視点で、キャリーバッグを見ていきましょう。
足腰が不安な高齢者にこそ外出の機会を
キャリーバッグというと、旅行だったり出張だったり、アクティブなイメージがつきもの。
それだけに、若者や働き盛り世代が主に使うようにも思えます。
しかし、高齢者にこそ、キャリーバッグを使って欲しいメリットがあるのです。
高齢になると、足腰に不安ができ、あるいは転倒のリスクなどから、外出や運動を避けてしまうようになる人もいるでしょう。
しかし、その結果家にずっといるような生活を続けていると、筋肉も骨も衰えていくばかりで、将来的には寝たきり生活になってしまう恐れもあります。
それを避けるためには、普段から歩いたり、筋肉を刺激するような生活を心がけるべきでしょう。
とはいっても、やはり歩くのに不安がつきまとうのは精神的にもいいものではありません。
なら、それを解消してあげればいいのです。
そこで役に立つのがキャリーバッグ。
それも、高齢者が使いやすいよう、工夫されたものならよりおすすめできます。
高齢者におすすめできるキャリーバッグにはどんな特徴があるのか、どんなものを選べばよいのか、見ていきましょう。
自分がどのくらい歩けるかで選ぶ物が違う
まず大前提として、今回想定するのは、「自分で歩くことは可能だけど、補助的に杖などがあればもっと安心できる」くらいの高齢者の方です。
何か物が無ければ自分で歩くことができない、というレベルの方はシルバーカーなどの歩行補助器を使用するべきです。
今回紹介するようなキャリーバッグに比べると大きさや重さでは上になってしまいますが、それだけに耐荷重の上限や安定性で大きな違いがあります。
ご自身の、あるいはプレゼントを想定しているのであれば贈る相手の状態をよく考えて、適切な製品を選んでください。
どんなキャリーバッグを選べばいい?
通常、キャリーバッグと聞いて頭に浮かぶのは、駅や空港で見かけるような、それなりの収容量がある大き目のものではないでしょうか。
それを傾けるようにして歩きながら引っ張り、4つあるキャスターの進行方向の前2つだけを使って移動。
ゆっくり移動する時には、自分の横に置いて4つのキャスターを使って動かす、こんなところでしょう。
しかし、今回注目したいのは、高齢者が普段使い出来るようなキャリーバッグ。
見た目や使い方に共通点もある一方で、それならではの違いもありますよ。
軽量・コンパクト
用途が旅行や出張ではなく、日常の買い物や友人との交流のためであるなら、キャリーバッグ自体はそれほどの大きさを必要とはしません。
むしろ大きくなればなるほど重さも増していくので、体力に不安の残る高齢者にとっては避けたいところ。
出来るだけ軽量であることに越したことはありません。
コンパクトであることも気にかけたいポイントのひとつです。
旅行用などのキャリーバッグの場合、必要な時以外はしまっておくのが普通です。
それなりに場所を取るものですからね。
しかし、普段使いをするとなると、例えば玄関先や車庫など、すぐに使えるような場所に保管しておくことになるでしょう。
その際、あまりに大きいものだと動線の邪魔になったり、見た目にもごちゃごちゃした印象を与えてしまいます。
ちょっとした隙間などに収納しやすく、さっと取り出せるような手軽さも、毎日ストレスを感じること無く使う上で大切なことです。
体重を預けられる剛性
健康な若い人であっても、長旅の移動で疲れた際に、持ち運んでいるキャリーバッグに体を預けて休んでいる、なんて光景を目にします。
高齢者であるなら、よりそうした役割を求める場面が多くなると思います。
もちろん、上で述べたように、体重のほとんどを常に預けるような状態ならシルバーカーなどを利用するべきです。
が、そうでなくても、安全性の基準のひとつとして、ぜひ製品の耐荷重をチェックしてみてください。
耐荷重が大きければ大きいほど、剛性が高く、より安心して使えることになります。
その他、材質や生産国、あるいは利用している人のレビューなどを参考に選ぶとよいでしょう。
さらに確実なのは、実物を手に取ることです。
機会は少ないかもしれませんが、介護用品を扱うお店なら、お試し用の展示品があるかもしれません。
使いやすい機能
キャリーバッグは付属のキャスターを使って移動させるもの。
それだけに万が一滑りすぎてしまった場合や、傾斜のある場面での使用には不安が残ります。
若い人であれば多少は力づくで制御出来ますが、高齢者はそうもいきません。
となると欲しいのがキャスター部分を強制的にストップさせるようなブレーキですよね。
もちろん、高齢者向けのキャリーバッグにはブレーキ機能がある製品が多くありますよ。
ただ、そのブレーキの形状も製品によって違います。
ブレーキがあれば何でもいいわけではなく、どれだけ使いやすいかが重要です。
他にも、急な雨にも対応できる傘用のホルダーがついていたり、常時キャスターを動かなくさせる機能など、それぞれ違う特徴を備えています。
よく行くお店や散歩のルートを把握し、ぴったりの物を選べるといいですね。
デザイン
機能に重点が置かれ、デザインが犠牲になってしまうことは珍しくありません。
確かに、気に入るかどうか、好みかどうかは性能には影響しません。
しかし、普段使いするものだからこそ、妥協したくないですよね。
中にはそんな高齢者の気持ちを汲み取り、いくつかのレパートリーを用意している製品もあります。
カジュアルなものからスマートなもの、男性向け女性向け、あるいは夫婦で使えるようなシンプルデザインなど、意外なほど選択肢がありますよ。
もちろん、高齢者が使えるキャリーバッグとしての機能を満たしているという条件が前提ですが、その上でこだわってみるのもいいですね。
中にはバッグ部分を取り外して、リュックやトートバッグとして使えるものも。
持ち運ぶ荷物をできるだけ増やしたくないという人におすすめです。
高齢者におすすめのキャリーバッグ
ここからは高齢者が普段使いできるようなキャリーバッグを紹介します。
象印ベビー・キャリーステッキ・ライト 168
シルバーカーやサポートカーを多くラインナップしている象印ベビー社のキャリーバッグ。
握りやすい車輪用ブレーキと、シンプルでコンパクトなバッグがおしゃれです。
総重量も2キロ台で、片手で扱うことが想定されています。
いわば、杖にバッグと車輪が付いている感じでしょう。
気軽に普段使いができるだけでなく、反射板がついているなど、安全面にも気を配っていいます。
マキテック ショッピングカー サポキャリープラス
見た目はカジュアルなバッグがついたキャリーバッグながら、80キロというシルバーカーレベルの耐荷重を誇ります。
バッグは取り外して使うことも可能。
うまくサイズさえあえば、他のバッグを取り付けることもできるので、お気に入りのキャリーバッグにアレンジすることも。
バッグを取り外せば、4つの車輪がついた安定感抜群の杖として使うこともできる汎用性が魅力です。
まとめ
歩行をサポートするだけなら、単純に杖でもいいのかもしれません。
しかし、それがキャリーバッグになることで、機能的にも優れ、見た目にもよりアクティブな印象を周囲に与えてくれるでしょう。
あらかじめ贈る相手の身長や適性サイズを計算する必要はありますが、敬老の日、母の日や父の日のプレゼントにもキャリーバッグはぴったりですよ。