真夏の深夜に一人で見たい邦画ベスト3
今回は、子供の頃、夏休みに親と一緒に見て、怖すぎて最後まで見る事が出来なかった映画、もしくは最後まで見てしまったせいで、その後しばらく一人でトイレに行けなくなった映画を、邦画に限定して紹介したいと思います。
時間があったら、是非レンタルして、ご覧になってはいかがでしょうか。
ちなみにランキング1位とランキング3位の作品は、Amazonプライム会員の方であれば、Amazonビデオにおいて無料で視聴できます。
第1位:「犬神家の一族」(1976年)」
日本映画の金字塔とも呼ばれる映画です。
しかし、死体の描写などが生々しく、心臓が弱い人は見ないほうがいいでしょう。
犬神佐清のマスクなど今でも販売されていて、映画のインパクトの大きさを感じます。
人間関係が複雑に絡み合い、その中で登場人物が次々に殺害されます。
この過程で、犯人は誰だろう、と視聴者も劇中に引き込まれていきます。
残酷なシーンも多い映画ですが、島田陽子、坂口良子、両女優の抜けた美しさがひとつの救いになっています。
メインテーマは「愛のバラード」で一度聞いたら忘れられない曲調です。
音楽担当はルパン三世シリーズで有名な大野雄二さんです。
そういえば、合間に入るBGMなども「ルパン三世カリオストロの城」を想起させるものが多く、音楽でも楽しめる作品になっています。
ちなみに原作者の横溝正史さんも宿屋の主人としてカメオ出演されています。
この作品の軸は親子の愛です。
愛ゆえに殺人に走ってしまうという、普通では考えられない設定です。
しかし、自らの手を汚しても息子には幸せになって欲しいという母親の強烈な愛情が、この物語のモチーフになっています。
生きている間に一度は見ておきたい、サスペンス映画の枠を超えたおすすめの作品です。
第2位:「悪魔の手毬唄」(1977年)」
市川崑監督・石坂浩二主演による金田一耕助シリーズの第2弾です。
死体の描写が、「犬神家の一族」より、さらに凄惨になっており、トラウマになりそうな人は見ないほうがいいでしょう。
ドロドロした人間関係が、より恐怖を感じさせる映画です。
前作「犬神家の一族」で冴え渡った金田一耕助の推理も、今作では、どうも調子が出ません。
千人峠で謎の老婆「おはん」に出あった時点から、推理の冴えを失くしてしまうのです。
終盤になって一気に挽回するのですが、誰が犯人かわからぬまま、若い女性が次々に殺害されていきます。
わたしがこの映画の中で、好きなキャラクターは多々良放庵です。
悪人には違いないのですが、どこか憎めない登場人物です。
もう一人は、酒屋の辰蔵さんです。
この声どこかで聞いた事があるなと感じる方も多いと思いますが、この俳優さんは、「日本昔ばなし」で長年にわたって声優を勤めた常田富士男さんです。
閉じられた寒村の中で、人々の愛憎が凝縮し事件が起こる、という横溝正史氏お得意の舞台設定なのですが、過疎化が進む現代でも起こり得る事件ではないでしょうか。
そのようなリアリティをもってこの映画をご覧になれば、一層恐怖が増すと思います。
第3位:「魔界転生」(1981年)」
ホラーというよりも、怪談と言ったほうがいい映画でしょうか。
人々の怨念や恨みというものが背景にあり、いやがうえにも怖さが増します。
監督は、名匠深作欣二氏です。
時代劇という側面もあるので、時代背景を知っておくと入りやすいと思います。
主人公は島原の乱で有名な天草四郎です。
この島原の乱では、原城に籠城したキリシタン反乱軍37,000人が全滅するという、凄惨な戦いが繰り広げられました。
映画のオープニングもこのシーンから始まります。
沢田研二演じる天草四郎が、細川ガラシャ、宝蔵院胤舜、宮本武蔵などを、あの世から次々によみがえらせるのですが、人間ではなく魔界衆なので、得体の知れない怖さがあります。
天才剣士、柳生十兵衛ですらまともな手段では歯が立たないため、妖刀「村正」をたずさえて、魔界衆に立ち向かって行きます。
実際の撮影現場でも、複数のスタッフが事故・怪我にみまわれ、お祓いをしたといういわくつきの作品でもあります。
ホラーという側面と同時に、エンターテイメント性も兼ね備えていたため、海外でもカルト的な人気を博し、クエンティン・タランティーノ監督にも影響を与えました。
まとめ
真夏の夜に見るもよし、秋の夜長に見るもよし、部屋を暗くして見るのがおすすめです。
ただし、この種の映画を見ていると、ラップ現象(TVの台座が「ミシミシ」、「キシキシ」音を立てる。
ディスプレイが小刻みに揺れる等)が発生する事が、ままあります。
そういう時はTVの電源を切って、部屋を明るくしたほうがいいでしょう。
以上、真夏の深夜に一人で見たい邦画ベスト3でした。