名画で観るべし!気になる女優(あのひと)に逢える邦画トップ3ランキング
映画女優という言葉を聞くと誰もが知ってるあの人やこの人の顔を浮かべてしまうものですがそれだけではないのです。
夜中にぼんやりテレビで観た、もしかしたら幻や勘違いだったんじゃないか、と疑ってしまうような作品の中の、名も知らぬ〝あのひと〟たちの魅力。
まるで自分だけの宝物のようにこっそりとファンでありたい、そんな女優さん達の魅力が堪能できる作品を集めてみました。
第1位:「午前中の時間割」
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70年代。
少女2人。
夏休みムービー。
と聞いただけであの時代特有のザラついた画質とカラフルでガーリーな風景が目に浮かぶようではないですか!国木田アコとシャウ・スーメイ、主演の女の子二人どちらと付き合いたいですか?という愚問は95年頃に繰り返されたパフィーはどっちが可愛いでしょうか?みたいなのと同質の物ですが、あえてわたしは前者、国木田アコに翻弄されてみたい。
映画は、女子高生二人。
旅先で割とくだらない男の取り合いになってしまい、それが原因なのかは不明ですが、はずみでかたっぽ(アコ)が自殺とも取れる転落死。
手がかりは彼女がことあるごとに回していた8ミリフィルムに写った心象風景にあるかもね、という作品。
近頃、ふと見た雑誌で国木田独歩の子孫、という美しい猫みたいなモデルの女の子が特集されていたのですが彼女の顔を見てわたしは驚愕しました。
彼女の顔が国木田アコとフォーマット違いの同一人物と言っていいほどそっくりだったからです。
彼女も名が表すとおり独歩の血をひいていたから親戚なんだろうけど、古い映画の中のあの子が21世紀バージョンで生きて戻ってきて、インスタグラムなんかやっちゃってるみたいで、とても奇妙に感じたのです。
8ミリで心の中撮るんじゃなくてスマホで自撮りするの?なんて。
第2位:「ヒポクラテスたち」
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恐らく監督の趣味か遊びゴコロで、ところどころフレンチな要素が散りばめられているもんだからゴダールやトリュフォーに凝った経験のある女性なんかにもネタ探し的に楽しめるかもしれません。
主演の古尾谷雅人が乗っている自転車もフレンチでかっこいい。
医学部の学生の青春群像だからお金もちなのかしら? マドンナ的存在としてキャンディーズの蘭ちゃんが出ているのですがそれより〝医大の図書館の司書〟かつ古尾谷の彼女、という何だかいろんな意味で程よい感じの役どころを演じている真喜志きさ子さんにここでは注目。
時代を超えた美女です。
おそらく名字から推測するところ沖縄の出身であるのだろうけど、一部では歌手のcoccoの親戚なのでは?という説も聞いたとこがあります。
ジーン・セバーグのポスターをバックにタバコを吸いながら小坂恭子の思い出まくらを歌うシーンがありましたが(鼻歌程度だから上手いか下手かよくわかんない。
)この小坂氏も日本人ながらヌーベルヴァーグの映画に歌手役で出演していたかと思います。
フレンチ徹底してるよ、監督。
第3位:「田園に死す」
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兎にも角にも思春期の少年の女性への憧憬の象徴だかなんだか知らないけど、八千草薫なんかはガン無視で、この映画においてわたしは新高恵子一択なのです。
かの有名な寺山修司作品ですが、あらすじ説明するのはとても無理だしムダだと思うので印象的なシーンを紹介すると、川の上流から流れてくる7段飾りのお雛様。
青森の戸建一軒家?だとおもったら新宿の雑踏の中のセット。
まあざっとこんな感じよ。
で、父なし子を孕んだ村娘の役を演じていた新高さん(ちょっと神田沙也加みたい)は当時40才近い計算になるから驚きです。
そして雰囲気やスタイルや顔立ちが一人だけオーパーツのように現代風で、ちょっと周りから浮いているくらい。
美人喫茶の売れっ子からミス文化放送、ピンク映画の女優を経て天井桟敷という波乱万丈の美女です。
この作品においてはもちろん、常に娼婦っぽい役を演じているイメージですが、妖艶と可憐の狭間というか、ボーイッシュな清潔感のせいであまり悲惨なイメージがありません。
ちょっと冗談めいていて情念を感じないのです。
まとめ
映画のオープニングかエンディングで見逃したらアウト。
あの映画の〝あのひと〟の名前を知る機会を失う可能性もあっただなんてビデオもない昔って恐ろしいと思います。
今ではインターネットなんかを使っちゃえば、いろんな女優さんたちの21世紀においての元気な姿まで見ることができたりして、女優という職業のミステリアスな部分は無くなりつつあるけれど(新高恵子さんにおいては伝記まで出版されてます)彼女たちの生活感、もしくはその後の足取りを確認するたび、映画を作っているのはつくづく人間なんだな、と思います。