変わり者が出てくる洋画ベスト10ランキング
目次
第10位 「フリークスも人間も」
人間の厭な部分が盛りだくさんなので、少し観るのには注意が必要です。
人間の所業もしょうもないですが、フリークスの方々の所業もしょうもないです。
いや、そもそも「人間」と「フリークス」というふうに分ける行為自体がしょうもないのです。
時代背景が古いので、現代では改善された部分が多く見られますが、このような時代もあったということを思い知らせれます。
眉間にシワを寄せながらそんなことを考えさせられる映画です。
話とは裏腹に、全体的にセピア色の画面はとても綺麗です。
第9位 「ウイラード リメイク版」
気弱でやさしい青年ウイラードは、会社で理不尽な扱いを受けながら勤めています。
家に戻れば、過保護気味の老いた母の介護をする毎日。
ある日、母からネズミ退治を頼まれたウイラードは、どうしても殺すことが出来ずに飼い慣らしてしまいます。
それが悲劇の始まりだったのです。
私が観たのは、1971年の「ウイラード」のリメイク版です。
クリスピン・グローヴァーの気弱そうな見た目と、内側に抑圧された感情、それが解放されたときの怪演が見所です。
ラストの危ない魅力迸る表情にも注目。
ネズミがたくさん出演しているので、苦手な方は鑑賞注意です。
第8位 「天才スピヴェット」
片田舎に住む10歳の少年スピヴェットは類いまれなる頭脳の持ち主ですが、家族からはあまり理解されていません。
ある日、こっそり送った研究結果が賞を受賞したという知らせを受け取り、一人でニューヨークまで大陸横断の旅をします。
この映画、スピヴェットも人と違っていますが、家族もなかなかの変わり者ぞろいです。
みなそれぞれの方法でスピヴェットを愛しているのになかなか伝わらないんですね。
いろいろと考えさせられます。
「アメリ」の監督の映画なので、細々した演出や美術はさすがです。
第7位 「奇人たちの晩餐会」
鼻持ちならない金持ちの男たちは毎週、奇人変人を集めて笑い者にするという悪趣味な晩餐会を開催しています。
そうとは知らず招待されたピニョンという変わり者の男。
ピニョンの想像を超えるヌケ作っぷりに、多いに笑わせられ、割を食う金持ちの男をみて多いにスカッとしてください。
個人的には吹き替えで観た方が笑いのポイントが分かりやすいのでオススメです。
第6位 「エレファント・マン」
これは実在する人物のお話です。
当時いわゆるフリークスと呼ばれていた人で、実際の事実とは少し異なるようですが、おおむね間違ってはいないようです。
フリークスを題材にすると、あまり後味の良い物ではなくなる傾向にありますが、この映画は珍しく心洗われる感覚でした。
ちなみに、若き日のアンソニー・ホプキンスも拝めます。
第5位 「ラースと、その彼女」
ある男とリアルドールの心温まる恋物語です。
周囲を取り巻く人たちもみな主人公に理解があり、なんとかして受け入れようとします。
主人公がやさしくて慕われる人物だということが伺えます。
不思議なのは、リアルドールの演技が秀逸だと感じたこと。
ドールは「演技をしない演技」をしているので、どういう感情をどれくらい表現しているのかは鑑賞者の想像に委ねられます。
DVDには、リアルドール・ビアンカのインタビュー特典映像があるので、そちらも是非ご覧ください。
第4位 「クリビアにおまかせ!」
ちょっぴり個性的な住人たちが集まるクリビアのホームで巻き起こる珍騒動映画です。
頭の固い管理人と火花を散らしながら、それでも楽しく生活しています。
歌って、踊れて、笑える楽しい映画です。
衣装がどれも可愛く、挿入される歌はどれも良い曲ばかりです。
あまり知られていないようですが、一見の価値あです!
第3位 「フランケンシュタイン」
今ではみんな知っている、フランケンシュタイン。
勘違いしている方も多いですが、「フランケンシュタイン」とは、怪物を作った博士の名前で怪物の名前ではありません。
面白いのは、冒頭に当時(1931年)の観客に向けて忠告のシーンが設けられているところ。
「この映画はショッキングな描写があります」という具合に。
現代を生きる私にとってはもちろん全然ショッキングではなかったです。
「慣れは怖い」と言うけれど、個人の話だけでなく人類という大きな単位でもその感覚はあるんだな…と思いました。
ちなみに、現代版のリメイクも作られていますが、そちらは怪物の描写が鮮明すぎて、オリジナルとは別の意味でお楽しみいただけます。
第2位 「笑ふ男」
口が大きく引き裂かれた男と盲目の美少女の恋物語。
異形として虐げられてきた男に、盲目の少女の優しさが染みわたるようです。
自分たちが日常でいかに視覚情報に左右されて判断を下しているかを思い知らされます。
盲目なのを知りだんだんと心を開いていく男の表情の変化が嬉しくもあり、同時に心が痛みます。
二人がみを寄せるシーンでは、男の腕の中にいる少女の、安堵した美しい表情と対照的に顔尾を触られてばれるのではないかと不安げな男の顔が印象に残っています。
第1位 「ゴースト・ワールド」
若さ独特の鬱屈とした雰囲気がよく出ている映画です。
どこか面白くなくて、イライラするけれど、理由は漠然としていて感情の行き場がない…今ある現実に抵抗し、光のあたらない物や人への共感と愛情がごちゃまぜになって、手に入ったとたんに手放したくなる理由のない気持ち。
ラストの決断も正しいかどうかはともかく、私自身はとてもしっくりきました。
学生時代、ちょっぴりさえない自分だった人は特に入り込めるかもしれません。
まとめ
人の数だけ人生があるように、はぐれ者の数だけ悩みや苦しみがあります。
共感出来るものから、理解に苦しむもの。
ハッピーエンドから、サッドエンドまで様々です。
勇気を与えてもらったり、逆に落ち込んでしまったりするかもしれませんが、大道から逸れても必死で道を作ろうとしている人たちを応援したり、冷静に傍観したりしていると、なにか見えてくるものがあるかもしれません。
それを自分の人生に還元出来たら良いと思います。