ソイプロテインが美容にも役立つって本当? 女性が注目すべき4つの特徴
かつては男性向けのサプリメントと見られがちだったプロテインが、近ごろ女性の間で人気が高まっているのには理由があります。
プロテインにもいくつかの種類がある中で、特にソイプロテインは美容の観点から見てさまざまなメリットを秘めているのです。
ソイプロテインがなぜ美容に役立つのか、女性にとって見逃せない4つの理由を成分の特徴から解説します。
ボディビルダーがプロテインを飲む理由
驚異的な肉体美を誇るボディビルダーたちは、全身の筋肉が極度に発達し肥大化しています。
あれだけの大きな筋肉を身につけるには厳しい筋力トレーニングも欠かせませんが、単純に運動するだけで筋肉が増えるわけではありません。
筋力トレーニングを行うと筋繊維が破壊され、修復される際に元の繊維よりも太くなるという性質があります。
ボディビルダーは筋繊維のそういった性質を利用して筋肉を肥大化させているわけですが、目的を実現するには筋肉の材料となるたんぱく質の補給も欠かせません。
肉や魚などの食品からたんぱく質を摂取するだけでは筋肉の修復が追いつかないため、もっと効率よくたんぱく質が吸収できるプロテインをトレーニング直後に飲んでいるのです。
ボディビルダーの見事な筋肉美も、毎日のように飲み続けているプロテインなしでは形作ることができないとも言えます。
美容目的ならソイプロテインがおすすめ
プロテインには動物性たんぱく質を原料とする商品と、植物性たんぱく質を原料とする商品の2種類があって、その2つを混ぜたハイブリットタイプの商品も少なくありません。
そのうち動物性プロテインは牛乳が主な原料で、ガゼインプロテインとホエイプロテインの2種類に分けられます。
ガゼインプロテインは牛乳に含まれる固形成分から作られ、固形成分と乳脂肪分を取り除いた乳清からホエイプロテインが作られます。
植物性プロテインの代表格は、大豆のたんぱく質を原料とするソイプロテインです。
大豆は「畑の肉」と言われるほど良質のたんぱく質を含んでおり、食品からの摂取が欠かせない必須アミノ酸の含有比率を示すアミノ酸スコアも乳たんぱくに負けてはいません。
筋トレ直後に飲んで効率よく筋肉を肥大させるのが目的なら、BCAAとして総称される3種類のアミノ酸を多く含むホエイプロテインに軍配が上がります。
BCAAは筋肉中に多く存在するアミノ酸で、筋トレ直後の筋繊維修復にも大量に必要とされるのです。
ソイプロテインはBCAAの含有量がホエイプロテインより低いのでボディビルディングには不利ですが、以下に挙げるような理由でダイエットなどの美容目的にはおすすめです。
消化吸収の遅さがソイプロテインの特徴
ホエイプロテインとソイプロテインの違いとして、BCAA含有率の他に挙げられるのが消化吸収のスピードの差です。
ホエイプロテインはもともと牛乳の水溶液部分に含まれていたたんぱく質だけに消化吸収が早く、筋繊維の修復にも即効性を発揮します。
ソイプロテインはガゼインプロテインと同様に固形たんぱく質の性質を持ち、ホエイプロテインと比べて消化吸収がゆっくりです。
大豆たんぱくはまず胃酸の働きで大きな分子構造に分かれた後、小腸で分解される過程でアミノ酸同士が結合した大豆ペプチドという物質に変わります。
この大豆ペプチドが最終的にアミノ酸にまで分解された後で吸収されるわけですが、それまでにある程度の時間を要するのが特徴なのです。
基礎代謝が上がれば太りにくくなる
筋トレ直後には速やかに筋繊維を修復しなければならないため、消化吸収が遅いソイプロテインを運動直後に飲んだのでは修復に時間がかかりすぎるという弱点があります。
たんぱく質は筋肉だけでなくお肌や髪の毛などの材料にも使われていることを考えると、ソイプロテインのこうしたデメリットもメリットに変えることが可能です。
肌の新陳代謝は夜の深い睡眠中に分泌される成長ホルモンによって促進されますが、このとき新しい細胞を作る材料として体内のアミノ酸が消費されます。
ソイプロテインを就寝前に飲むと寝ている間に消化吸収されてアミノ酸に分解され、肌の新陳代謝が行われようとしているときにタイミングよく材料を提供してくれるのです。
筋トレのような激しい運動をしない人でもエクササイズやウォーキングなど軽めの運動でダイエットに取り組む場合、ソイプロテインと併用した方が効果を高めやすくなります。
ボディビルダーほどでなくても筋肉を増やせば基礎代謝が上がってエネルギー消費量も増えるため、体質的に太りにくくなるのです。
ダイエット中のたんぱく質不足を補うのに最適
運動を伴わないダイエット方法ではある程度の食事制限が避けられませんが、単純に食事の量を減らした場合は必要な栄養素まで不足してしまうのが難点です。
最近では糖質だけを減らすダイエットも流行しているとは言え、食事制限を伴うダイエットと十分な栄養補給を両立させていくのも簡単ではありません。
通常のダイエット方法ではどうしてもたんぱく質が不足しがちになり、筋力低下や肌荒れなどの弊害も出てきます。
ダイエットに伴うそうした悩みを抱えている人は、ソイプロテインを上手に活用することで症状が改善される可能性があります。
野菜中心のヘルシーなメニューでダイエットに取り組んでいる人の中には、食事や食間にソイプロテインを取り入れながらたんぱく質不足をカバーしている人も少なくありません。
減量目的なら低脂肪タイプがおすすめ
たんぱく質不足を解消しようとするに当たっては、脂肪との関係も無視できません。
肉や牛乳などの食品からたんぱく質を摂取しようとすれば、肥満の原因となる脂肪分も同時に摂取されてしまうのが難点なのです。
ソイプロテインの原料となる大豆にも脂肪分がもともと含まれているとは言え、製造の過程で脂肪の大半が取り除かれます。
ソイプロテインはホエイプロテインなどと比べても全般に脂肪分が少ない傾向は見られますが、カロリーや脂肪分は商品によって違いがあります。
ダイエット目的でソイプロテインを利用するなら栄養成分表示を確認し、1食分当たりの脂肪分が1g未満の商品を選ぶようにするといいでしょう。
大豆イソフラボンの美容効果
ソイプロテインには原料の大豆由来で、イソフラボンと呼ばれる有用成分が含まれている点も見逃せません。
大豆イソフラボンは分子構造が女性ホルモンのエストロゲンと似ているため、体質にうまく合えばホルモンバランスを整える効果が得られます。
腸内細菌の働きで大豆イソフラボンがエクオールという物質に代謝されることで、女性ホルモンと同様の働きをしてくれるのです。
女性ホルモンにはコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促し、肌の潤いを保つ作用もあります。
美容の大敵となる有害な活性酸素を除去する抗酸化作用を持つことから、大豆イソフラボンはアンチエイジングにも役立つ物質です。
大豆イソフラボンとその代謝物質のエクオールはサプリメントとしても加工されており、女性の間で人気を集めています。
ソイプロテインは健康にもプラス
ソイプロテインが美容だけでなく健康にも役立つと言われている理由は、大豆たんぱく特有の性質と関係があります。
大豆たんぱくにはもともとコレステロールが含まれず、飽和脂肪酸の量も牛乳由来のたんぱく質より少ないのが特徴です。
肉類に多く含まれる飽和脂肪酸は血液中の悪玉コレステロールを増やす性質を持ち、動脈硬化や高血圧の原因となります。
大豆たんぱくを構成する成分の1つβ―コングリシニンは、血中コレステロールや中性脂肪の数値を下げる方向に作用します。
飽和脂肪酸やコレステロールを多く含む肉類でたんぱく質を過剰摂取すると、脳卒中や心筋梗塞・糖尿病といった生活習慣病のリスクも高まります。
そうしたリスクを避ける目的で肉類を控えめにしている人はたんぱく質不足に陥る懸念もありますが、ソイプロテインで不足分を補うことは可能です。
まとめ
ソイプロテインは消化吸収がゆっくりで腹持ちも良いだけに、食事のたんぱく質不足を補うのに適しています。
美容効果が期待できる大豆イソフラボンが含まれる点や、脂肪分が少なくコレステロール値を下げる働きを持つ点も、ソイプロテインの注目すべきポイントです。
ボディビルダーのようなムキムキの筋肉をつけるにはホエイプロテインの方が向いていますが、一般の女性にとっては美容に有利なソイプロテインの方がメリットが大きいと言えます。