ソイプロテインに副作用はあるのか? 知っておきたい3つの注意点

ソイプロテイン

ソイプロテインは筋トレ効果だけでなくダイエットにも役立つとされていることから、美容に関心が高い女性やメタボ体型に悩む男性を中心に人気が高まっています。

大豆を主な原料としているだけに健康に良いイメージもありますが、ソイプロテインに副作用があるのかどうかという点は気になるところです。

ソイプロテインを利用するに際に知っておきたい3つの注意点について、科学的エビデンスに基づいた情報を頼りに検証してみました。

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プロテインで考えられる副作用

プロテインの主成分となっているタンパク質そのものは、3大栄養素の1つに数えられているほど人体に欠かせない物質です。

タンパク質は肉や魚などの食品にも含まれているため、薬などと違ってそれ自体に大きな副作用があるというわけではありません。

プロテインを飲むことで何らかの副作用が生じるとすれば、タンパク質の過剰摂取による弊害がまず考えられます。

プロテインは食物からタンパク質を摂取するより消化吸収しやすく加工されているせいか、筋肉増強やダイエットを急ぐあまり過剰摂取につながりやすい点には注意が必要です。

タンパク質を過剰摂取すると後述するように肝臓や腎臓に大きな負担がかかり、健康を害する可能性も出てきます。

乳タンパクと大豆タンパクによる違い

プロテインは乳タンパクを原料としたホエイプロテインやガゼインプロテインと、大豆タンパクを原料にしたソイプロテインの2つに大きく分けられます。

このうち牛乳を主な原料とするホエイプロテインやガゼインプロテインを飲むと、人によってはお腹が緩くなる可能性があります。

それらのプロテインには乳糖が含まれているため、乳糖分解酵素を持たない人が牛乳を飲んで下痢をするのと同じ理由で腹部膨満感も含めた副作用が生じるのです。

ソイプロテインなら大豆が原料ですので、乳糖分解酵素を欠く人でもお腹が緩くなったりお腹が張ったりするようなことはありません。

中にはソイプロテインを飲んで腹痛や下痢を生じたという人もいますが、これは乳糖分解酵素と関係がなく、別の原因で大豆タンパクが体質に合わなかったものと考えられます。

大豆アレルギーを持つ人がソイプロテインを飲むとアレルギー症状が出ると予想されますので、食事で大豆製品が食べられないという人は注意が必要です。

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プロテインを飲むと腎臓が悪くなると言われている理由

ソイプロテインを含むプロテイン全般に共通する副作用として挙げられるのは、先に触れたような過剰摂取による腎臓への悪影響です。

プロテインに限らず肉や魚などの食品を通じてタンパク質を摂取する場合でも、食べる量が多すぎると同様のリスクがあります。

食品やプロテインからタンパク質を摂取しても、そのまま筋肉や皮膚などの材料になるわけではありません。

小腸でタンパク質がアミノ酸の単位まで分解されて吸収され、このアミノ酸を材料にして人体の各部位に適したタンパク質として再合成されるのです。

摂取したタンパク質をアミノ酸に分解する過程では有害なアンモニアも発生しますが、肝臓で無毒化されて安全な尿素に変えられた後、腎臓で処理されて尿に排出されます。

タンパク質を大量に摂取すると尿素をろ過する糸球体に過大な負担がかかるため、腎臓が悪くなると言われているのです。

腎機能が低下している人は要注意

タンパク質を肉や魚から摂取する場合は脂肪も多く含まれていて消化に時間がかかるだけに、食事でタンパク質を多く摂取しようとすると胃や腸にも大きな負担がかかります。

ソイプロテインを含む粉末状のプロテインは水に溶かして飲める上に脂肪が少なく胃腸への負担が軽いため、計算して飲まないとタンパク質を摂取しすぎてしまいます。

1日に必要とされるタンパク質の摂取量は体重1kg当たり1gが目安とされ、筋トレなど激しい運動を行う人は体重1kg当たり2g程度が必要です。

健康な人であれば目安となる摂取量を大幅にオーバーしない限り、プロテインを飲んだからと言ってすぐに腎臓が悪くなることはありません。

ただし腎臓病などで腎機能が低下している人は食事でもタンパク質の摂取が厳しく制限されるため、プロテインには少量でも症状悪化のリスクが伴います。

同じタンパク質でも腎臓への影響は異なる

タンパク質の過剰摂取が腎臓に悪影響を与えるのは事実ですが、タンパク質がどの食品に由来するかという点によっても影響が異なります。

過剰摂取による腎臓へのダメージが最も大きいのは、最新の研究結果によると赤身肉や加工肉に由来するタンパク質の場合です。

鶏肉などの白身肉や魚・卵・乳製品に由来するタンパク質は、赤身肉由来と比べて腎臓へのダメージも小さいことが判明しています。

大豆製品に含まれるタンパク質も同様に腎臓病の発症リスクが低く、かえってリスクが軽減されるという説もあるほどです。

こうした違いが生じるのは赤身肉を消化する過程である種の酸が生じ、その結果として腎臓への負担が余分にかかるからだと考えられます。

ソイプロテインは腎臓にやさしいタンパク質

以上の研究成果に基づけば、牛乳を原料とするプロテインも大豆を原料とするソイプロテインも腎臓への負担が小さいという点で共通しています。

中でもソイプロテインはホエイプロテインなどと比べて、全般に消化吸収が遅いという点が1つの特徴です。

消化吸収が早いホエイプロテインはタンパク質吸収効率が高まる筋トレ直後のゴールデンタイムに有効で、筋肉肥大に大きな効果を発揮します。

ソイプロテインは消化吸収に時間がかかるため筋トレ直後に飲む用途には不向きだと言われていますが、その代わりタンパク質分解に伴うアンモニアの発生ペースもゆっくりです。

それだけ腎臓も余裕をもって尿素を処理できるため、ソイプロテインは腎臓にやさしいタンパク質だと言えます。

男性がソイプロテインを飲んではいけないと言われる理由

インターネット上ではソイプロテインを飲むと筋肉肥大に必要な男性ホルモンのテストステロン低下を招くため、男性が飲んではいけないという説が流布されています。

ソイプロテインには原料の大豆に由来したイソフラボンが含まれていますが、この成分が女性ホルモンと同様の作用をするため相対的に男性ホルモンが低下してしまうと言うのです。

米コネチカット大学で行われた実験によると、ソイプロテインを摂取した男性のホルモン値を測定した結果、テストステロン値が実際に減少したとされています。

実際にはコネチカット大学の実験も被験者は10名に過ぎず、実験の条件面も含めた科学的エビデンスという点に疑問を呈する声も少なくありません。

表面的な実験結果はホエイプロテインの宣伝目的に利用することも可能なため、必ずしも確実とは言えない情報がインターネットを通じて拡散されたというのが事の真相です。

適量の範囲内なら男性ホルモンへの大きな影響はなし

コネチカット大学で行った実験よりも多くの被験者を使った複数の研究では、ソイプロテインに関して別の結論が出ています。

より信頼度の高いそれらの研究成果によると、ソイプロテインによる男性ホルモンへの影響は限定的です。

ソイプロテインに含まれるイソフラボンはごく微量なため、よほど大量に摂取しない限りテストステロン値が低下ほどの影響はないと結論付けられています。

テストステロンが低下するほど大量のソイプロテインを摂取すればタンパク質も同時に過剰摂取されてしまいますので、むしろその方が大きな問題です。

何事も過剰というのが良くないのは事実ですので、ソイプロテインも前述の目安に従って適量を摂取する分には問題ないと考えられます。

筋トレで筋肉を肥大化させるのにホエイプロテインが向いているというのは、短時間で効率的に吸収できる乳清たんぱくの特性を考えると間違いはありません。

ダイエットやタンパク質不足の改善を目指してプロテインを利用したいという人には、腎臓への負担が少しでも軽いソイプロテインがおすすめです。

まとめ

ソイプロテインを摂取することで考えられる副作用は以上の通りですが、本当に注意すべきなのは大豆アレルギーを持っている人の場合です。

それ以外の人でも体質によっては腹痛などの症状が生じる可能性があるとは言え、たいていの人は過剰摂取しない限りソイプロテインで大きな健康被害はありません。

腎臓への負担が軽いと言われるソイプロテインでも、1日の摂取量目安を大幅に上回るほど飲みすぎれば影響は避けられませんので、適量を心がけることが大切なのです。






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